謎とき『失われた時を求めて』 (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 49
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037702

作品紹介・あらすじ

「黒衣の女」とは誰か? プルーストが込めた芸術的野心と個人的な思慕とは? 『源氏物語』にも比せられ、『ユリシーズ』と並ぶ二十世紀最大・最強の長篇小説。しかし一万枚を超す長さと、文章の複雑さゆえに読み通すのが容易でない本。その真の魅力と、作家が隠蔽しつつも書き残した謎を、ヌーヴェル・クリティックの第一人者が初めて説き明かす。プルーストの姿を追って旅したヴェネツィアで見たものとは?

感想・レビュー・書評

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  • (よい意味で)大学の講義みたい。『失われた時を求めて』のいろんなところを、場合によっては原文まで参照して、その含みや成り立ち、背景などを解説してくれる。例として挙げられる訳が生硬なのもやはり講義っぽい。確かに、一文の中で時制がかわっていて、それぞれにこんな意味がある、というのはなかなか日本語訳には反映できないよなぁ…タメになりました。

  • はじめにとおわりにはマグマが吹き出す熱量だ。小説読みの面目躍如だ。微差、石の摩滅、重ね合わせは卓見すぎてクラクラする。失われた時を求めてを読んで、さらに本書に出会えて、生まれてきた甲斐もあったよ。

  • 2016 1.31

  • 主人の好みかな と思って借りたけど、自分では読みませんでした

  • だめ。難しすぎる。プルーストの小説をさらにわかりづらくしている。全一冊にするという偉業をしたことを筆者はむしろ申し訳なく思っているのか、全一冊版をこの解説を合わせて読むことを勧めているのか、どちらにせよ意味わかんなかった。

  • プルーストの原著を読んだことがない者には少し難しい。冒頭の「長い間、私は早く寝る習慣・・・」の訳の多種多様なこと、なぜ渡り鳥の中でもツバメなのか、など印象深い。藝術との関係が深い作者であったようであり、絵画を見るような表現が多い本であることは良く理解できた。書の題名からも、そのロマンを感じさせる。モネ、ラスキン、そしてベルグソンの影響。麦の穂、ツバメ、鐘楼・・・・。きっとフランス語が分る人には一層美しいと感じ、また複雑な時制が実感できるのだろうが、私には感覚的なことしか書けないのが残念。

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著者プロフィール

1951年、埼玉県生まれ。早稲田大学大学院博士課程修了、同大学教授(フランス文学、文芸批評)。主な著書に、『闘う小説家 バルザック』(せりか書房)、『謎とき「失われた時を求めて」』(新潮社)、『「ボヴァリー夫人」をごく私的に読む』(せりか書房)、小説に『歓待』(水声社)、『坊っちゃんのそれから』『吾輩のそれから』『先生の夢十夜』(以上、河出書房新社)、主な訳書にクロード・シモン『農耕詩』(白水社)、バルザック『サラジーヌ 他三篇』『ゴプセック・毬打つ猫の店』(以上、岩波文庫)、フローベール『ボヴァリー夫人』(新潮文庫)、プルースト『失われた時を求めて』(角田光代と共訳、新潮社)ほか多数。

「2022年 『村上春樹とフィクショナルなもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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