宇宙からいかにヒトは生まれたか (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社
4.19
  • (22)
  • (21)
  • (7)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 269
感想 : 21
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106037818

作品紹介・あらすじ

いつか人類が滅んだとしても、地球の上では、生命の進化は続いていくのだ。私たちはなぜここにいるのだろうか? 宇宙は人類のために誕生したのではなく、たまたま地球がヒトの生存に適していただけなのだ。人間を中心とした地球史観を排し、宇宙創成のビッグバンから地球の誕生、そして生命が生まれ進化していく様を、生物と無生物の両方の歴史を織り交ぜながらコンパクトに描いた初めての試み。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 138億年前の宇宙誕生から、目がくらむような果てしない物語の中で、いかにヒトは生まれたか。
    宇宙・地球・生命の壮大な物語は大変面白かった。

  • 更科さんの本を読んだ中では3冊目。
    いずれも進化に関する著作だが、今回は、138億年前の宇宙の始まりから10億年後の地球上の生命体の滅亡まで、ととりわけスケールの大きいおはなし。

    カンラン岩、玄武岩、花崗岩、と地殻を構成する岩石の組成が変遷していくメカニズムとか、何も知らなかったので、面白かった。

    P261 最終章 最終段落
    ヒトが絶滅しても、何事もなかったように地球上では生物が進化していく。太陽系が消滅しても、何事もなかったように、宇宙は存在し続ける。そしてこの宇宙が消滅しても、何事もなかったように、他の宇宙は存在し続け、別の宇宙も生まれてくる。時間と空間を超越した、眼がくらむような果てしない物語の中で、一瞬だけ輝く生命••••••それが私たちの本当の姿なのだろう。

  • タイトルは「宇宙からいかにヒトが生まれたか」ですが、内容は宇宙の歴史です。ビッグバンから始まってヒトが誕生し、どうなるのかまでが、分かりやすく説明されています。これほど難しい話をここまで分かりやすく、かつ面白く解説してくれた著者に感謝です。最初から最後まで飽きることなく楽しい時間を過ごすことができました。

  • 第1部 宇宙の誕生(138億年前~)
    第1章 たくさんの宇宙/第2章 ビッグバン/第3章 太陽系の誕生
    第2部 地球の形成(45・5億年前~)
    第4章 地球と月の誕生/第5章 地殻の形成/第6章 大気と海の形成
    第3部 細菌の世界(40億年前~)
    第7章 生命の誕生前夜/第8章 生命の起源/第9章 初期の生命/第10章 光合成
    第4部 複雑な生物の誕生(19億年前~)
    第11章 真核生物の誕生/第12章 多細胞生物の出現/第13章 スノーボールアース
    第5部 生物に満ちた惑星(5・4億年前~)
    第14章 カンブリア爆発/第15章 生物の陸上進出/第16章 大森林の時代/第17章 恐竜の繁栄/第18章 巨大隕石の衝突/第19章 哺乳類の繁栄/第20章 人類の進化
    最終章 地球と生命の将来

  • 最高でした。宇宙の始まりから今日、そして生命の終わりまで。知りたいことがぎっしり詰まった一冊。でも、極めて分かりやすく読みやすい。宇宙物理学、惑星学?、そして、地球物理学+生物学、といった感じ。それぞれ別巻としてでも読みたいの本として気分。地球の作りや変化と生物の変遷の絡みが興味深く、かつ分かりやすい。でも、前半の宇宙篇も良い。とにかく一気読みしてしまいましたが、再度、じっくり読みたい一冊。P72の負のフィードバックなんか、唸ってしまいました。

  • いろいろ知らないことがあった。

  • ☆最初の光合成は酸素を出さなかった。ラン藻による酸素放出の結果、生物の大量死が発生した。

  • 人間って何シリーズ。地球科学の博士号を持っている生物学者の本。宇宙や生命がどのように誕生(あるいは絶滅)し、進化・退化し、現在に至っているのかということがとてもわかりやすく、短くまとまっている。生命科学版サピエンス全史といったところ。考えてみれば、宇宙や地球・そして生命のことなんて、地球科学メイン、物理学メイン、生物学メインだけでは描けないはずで、その意味でこの本は複合的・横断的に学ぶことができる良書。

  • 2018/11/18 詳細は、こちらをご覧ください。
    『あとりえ「パ・そ・ぼ」の本棚とノート』 → https://pasobo2010.blog.fc2.com/blog-entry-922.html

    著者の こちらの本を読んだら面白かったので、次は本書を読みます。
    化石の分子生物学――生命進化の謎を解く (講談社現代新書)
    更科 功
    講談社 ( 2012-07-18 )
    ISBN: 9784062881661

    2018/9/26 借りて読み始める。 読み終わる。
     

  • 宇宙・地球誕生からヒトの繁栄まで一気通貫にやっている
    億年単位の時間がかかったとはいえ、よくもまあただの化学物質からここまで発展したものだと感動を覚える。
    負のフィードバック効果で気温が上がると二酸化炭素は減っていった
    酸素は猛毒だが高いエネルギー生成には欠かせない
    最終祖先ルカ
    適応放散
    などの話が印象に残った

全21件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

更科功
1961 年、東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業。民間企業を経て大学に戻り、東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。専門は分子古生物学。現在、武蔵野美術大学教授、東京大学非常勤講師。『化石の分子生物学――生命進化の謎を解く』で、第 29 回講談社科学出版賞を受賞。著書に『若い読者に贈る美しい生物学講義』、『ヒトはなぜ死ぬ運命にあるのか―生物の死 4つの仮説』、『理系の文章術』、『絶滅の人類史―なぜ「わたしたち」が生き延びたのか』など。

「2022年 『人類の進化大百科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

更科功の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×