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- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106037870
感想・レビュー・書評
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アメリカにおける憲法の歴史についての本。日本の状況を客観的に再考するのにいいきっかけになると思う。ありきの前の歴史的な歩みといったところ。
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アメリカの憲法史。予備知識の不足が過ぎて厳しい面もあるが、勉強になった。
世界最古の現存する成文憲法とも言われるアメリカ合衆国憲法であるが(著者は厳密にはそうではないとしている)、過去27回の改正を行っている、元はイギリスのコモンローを構成する、マグナカルタや権利章典を受け継いでいる。独立当初にバラバラだった13州の調整を取らなければならず、最初はとりあえず成立させ欠落していた権利章典を改正で追加する。大きな変化は南北戦争であり、奴隷制の否定に関わる部分を明確にしていく。また南北戦争や大恐慌時代など大統領が憲法の解釈を超えて行動したことや、実質的に解釈が変わったことも多い。
ただアメリカ合衆国憲法には時代の価値観はあまり記載はなく、それが時の流れに耐えうる少ない改正につながったと著者は考えている。改正の要件は連邦議会両院議員の2/3および州議会議員の3/4である。著者の憲法改正に対する立場にイデオロギーの側面は見当たらず、方法論として、改正は時の要請にあったものはすべきである、拙速な改正やすでに何十年のその仕組みでやってきたものの全面改訂は混乱につながる。実際自衛隊は解釈の変更によってすでに国民にある程度認知された存在になっている。