生命の内と外 (新潮選書)

著者 : 永田和宏

• 新潮社 (2017年1月27日発売)

作品紹介・あらすじ

私たちの命は、どのような働きで維持されているのか？　生物はあたかも「膜」のようである。内と外との境界で閉じつつ開きながら、必要なものを摂取し、不要なものを拒み排除している。恒常性（ホメオスタシス）とは、そうして生命を維持させていくシステムのこと。身体のあらゆる箇所で機能している緻密で考え抜かれた生命の本質を、日本を代表する細胞生物学者が平易な言葉で説く。

感想・レビュー・書評

[いつかさんの感想 · 2021年11月7日]

体の中に収まっている胃や腸の内腔が体の外であるのと同じように、細胞内にある小胞体内腔がまた細胞の外部と同じだということににまず興味を惹かれます。褐色脂肪細胞は脂肪細胞と名前はついているが実は筋肉と兄弟であるとか、細胞の中では活発なものでは1秒間に数万個のタンパク質をが合成されているとか、1日に作り出されるATPの量はほぼ体重分60kgの人なら60kg だとか、読み進めると驚きの連続の面白い本です。

[shihohkanさんの感想 · 2022年8月31日]

2017.03―読了

[Matsueda Sosukeさんの感想 · 2021年9月21日]

タンパク質の一生。。を読んだときも感じたのが、ミクロの世界の機構に存在そのものに対する畏怖。人間はエネルギー変換装置は作れても、生体を自動的に構築する仕組みはつくれないし、ましてや微小な単位でエネルギー変換もしながらそれをやってのける細胞の機構には、何者かの意思を感じざるを得ない。。

[エプロンパパさんの感想 · 2019年5月7日]

生命活動の基本、細胞の内と外に注目し、生命活動を維持する精妙な仕組みを解説する、知的に興奮する一冊。

[hiro-9さんの感想 · 2019年4月5日]

細胞学の専門家による一般向けの本。なのだが、語り口が並みのエッセイストを超えてとてもおもしろい。どうしてこんな先生に学生のときに会えなかったのだろう。だから本はやめられない。

[日本大学歯学部さんの感想 · 2017年8月14日]

http://dentlib.nihon-u.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&amode=11&bibid=1000073117&srvce=1

[fraserlibさんの感想 · 2017年5月19日]

請求記号　463/N 23

著者プロフィール

永田和宏（ながた・かずひろ）京都大学名誉教授、京都産業大学名誉教授。歌人・細胞生物学。

「2021年 『学問の自由が危ない』 で使われていた紹介文から引用しています。」