ぐれる! (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100093

作品紹介・あらすじ

善良な市民たちの欺瞞に満ちた価値観が蔓延する社会が、イヤでたまらない。その価値観から外れている自分のことも、イヤなのだ。といって、犯罪に走ることも、自殺することもできない-。そういう人は、真剣に「ぐれる」しかない。自分の置かれている理不尽をまっこうから見据えて、それを噛み締めながら生きていくしかないのです。「ぐれる」ことこそが正しい生き方だということを、初めて、かつ徹底的に説いた書。

感想・レビュー・書評

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  • ある一定層には受け入れられるのだろうが...。まあ自身も好きな領域と嫌な領域を分け、居心地の良い方に安住しているのだろう。ステレオタイプのありきたりな正義を振りかざされ、虐げられている人は救われる、のかな? 4章、終章が不快。

  • 私がくれない理由としては
    ただ弱いだけなんだ
    家族や知人との関係を切りたくにも切れない無力な自分
    徹底的な人間になりたくてもどうもなれない無力な弱い自分
    そんな自分がどうしようもなく嫌だ。。。

    真実を味わい尽くす、絶望を味わい尽くす
    味わい尽くせるならまだいいが、味わい尽くせないだろう
    限られた存在としての私が
    中途半端のまま死んでいく
    絶望しきれない、ポジティブになりきれない。。。
    「徹底的にならなくていいじゃん、バランスが大切さ」なんて言っても
    納得できない。。。分からないがどうも納得できない
    鬱陶しい。なんて絶望的
    個人は個人の絶望を語れない
    言い出した途端 普遍的な絶望、概念としての絶望、他人の思い込みによって勝手に曲げられた絶望になっちゃう。。。
    寂しいな

  • 10年ほど前に友人からもらった本。どうしてこれをくれたのか不思議です。
    特に意味は無かったのかな。



    著者は哲学者です。この本は、世の中は理不尽だということを前提にしています。
    ブスはブスのまま、バカはバカのまま、金持ちの家に生まれるか貧乏の家に生まれるかも選べない。
    そして結局誰もが死んでしまうということ。



    その上で、社会は仕事中心主義と家庭中心主義がはびこっていて、ルールが多く生きにくい。
    少しでもそのルールから外れてしまったひとは変な人と見られてしまう。

    こんな生きにくい社会を、じゃあどうやって生きていけばいいのか。
    というところで、いっそぐれてみてはどうか。という本でした。



    今までこういう考え方をしたことは無かったので、新鮮でした。

    10年前に読んだときはすごく拒絶してしまった(おそらくブスって言葉がたくさんでてきて衝撃だったのかも…)のですが、今読むと以前よりは受け入れられた気がします。

  • そろそろネタ切れ。引用が乱雑に並ぶ。暇つぶしの部類になってしまった。

  • 読んでいて、思わず「はい、そうしましょ」と
    つぶやいていました。かなり感化されています(笑)

  • キレたらキレ返す、ぐれたらぐれ返す。
    読む人によってはある意味むかつくぐらい、親切に丁寧に様々なぐれ方を教えてくれる。
    中島先生の本はいくつか読んできたけど今のところこれが一番軽くてわかりやすい(とはいえ先生の本は基本的にどれもわかりやすい)。
    しかし先生の本は分かりやすさ、軽さに比例して愚痴っぽくなっていくのでこの本はいつも以上に極端に好き嫌いが別れそう。

  • 自分を変えたくてポジティブに、前向きに、をうたう本を読んでそのように頑張ろうと思っていた矢先、この本を読み、ポジティブにをうたう本とは180度違うことを言っているし過激で衝撃的だったが、現実的で嘘がなく気持ちいい。なにも頑張る必要はない。肩の荷が下り、楽になれた。

  • この本は高校の頃に買って読んだ記憶があります。『孤独について』とあわせて、これで中島義道という哲学者に興味を持った本です。

    あぁ、あの頃読んだのが本当に、まずかったなぁ、と、つくづく思いましたね。

    あの頃はぐれてたんですよ。

    今はどうでしょう。根は変わってないのかもしれません。そんなことを、15年程経って再び紐解きながら思い返したりもします。

    内容なんですが、ぐれることを勧めているけれども、「本当にやるなら自己責任でね」とにっこり最後に言い添えるのを忘れていません。そのあたり、本当に厭らしくて汚い人だなぁと思います。この著者のこの類の本は何というか、アジテーション色が強いのですが、最終的には何と戦っているのかよく理解出来ないまま突き放されるだけがほとんどです。
    今回も読み終わった後でやっぱり「一体何と戦わせる気なんだこの人は?」と思いましたね。結局ぐれようとしている相手が何なのかはフワッとしていて、「ぐれろ!」とアジられてまた現実に突き放された感じ。

  • 1.もうじき、どうせ死んでしまう
    2.人は平等に生まれついている
    3.人生は偶然に左右される
    4.にもかかわらず『明るい顔」をすることが求められる
    5.犯罪をなして社会から葬り去られるだけの勇気が無い

  • 他の本を読む時にはない感覚で本を読めました。中島さんは生き辛いだろうなと読んでいて思います。こういう価値観で生きている方もいるんだなと思います。とても好きです。しかし、私はきっと嫌われるタイプだろうし、自分もぐれたいとは思いません。笑
    しいて言えば、神様に対してはぐれたいかもしれません。
    面白かったです。

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著者プロフィール

1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』, 『てってい的にキルケゴール その二 私が私であることの深淵に絶望』(ぷねうま舎)など.

「2023年 『その3 本気で、つまずくということ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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