- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106100109
感想・レビュー・書評
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【ノート】
・引き続き読書ガイドだが、実はこういう「必読書◯◯選」みたいなものが昔から好きだ。中学の頃、OUTというサブカル雑誌に高千穂遙というSF作家が書いていたSFガイドが自分にとってのSF読みの始まりだった。そこで取り上げられていた本を読み進め、また、「初心者を卒業したらハヤカワ海外SFノベルズ」という一文が、高価なハードカーバー本に対する強烈な憧れをインプリントしたものだった。これは今でも拭い去ることができなくて、ハヤカワSFは文庫よりハードカバーこそが「通の証」という思い込みから逃れることができない。
・「新書365冊」に比べると本書は出版時期が2003年ということで3年早い。本書も「365」と同様、新書レーベルの創刊時の1冊。著者が自覚している通り「新書本のガイドブックのような体裁をとりながら、品切れ本や絶版本ばかりを紹介(P220)」しているので、実用性という点では「365」の方に軍配が上がる。しかし、本書では、思春期を中心とした著者の読書遍歴が、当時の状況や心境、興味の広がり方と共に語られており、しかもそれがとても正直で素直なので、好感と共感を持って読み進めていける。読書ガイドでありながら、読書をテーマにしたエッセイでもあり「365」とは少し趣旨が違う読書本だと言える、ちなみに「365」には本書が取り上げられており、「こんな本を書きたいと思っていた」と述べられている。なお、本書では人文、それも文学系統に対する比重が高く、それが今の自分の興味とは少し合わなかったのが少し残念。しかし、いつか重宝する時がくるだろう。
・清水幾多郎の「本はどう読むか」からの引用が特に印象深い。いわく、気になった本は、その時に読まなくても積ん読用に買っておくこと。また、読み方にはスピードが大事で、蕎麦と同じで一気に読んだほうがよい。「のどごしが大事」ということか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
70年代ニューアカ時代の空気が感じられて面白かった。
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新書の名著、絶版本が並ぶ。
渡部昇一「知的生活の方法」の深読み。読書案内としての「本はどう読むか」「私の読書法」「読書論」「私の読書」「書斎の王様」「読書戦争」「私の二十世紀書店」。そして新教養主義としての山口昌男「本の神話学」「知の旅への誘い」「流行論」。週刊本としての「映像要理」「感覚の論理学」「無共闘世代」。その他「武器としての笑い」「回想の文学座」「写真の読み方」「映像の演出」など新書の名著、絶版本が並ぶ。 -
ブックガイドとしての役割を期待して手に取った本…だけどこれ、紹介されてるのが基本的に古い。今も手に入るの?的なものもたくさんあるし、少なくとも自分が期待してた内容とは程遠かった。既に十分な読書量があるとか、文学系の仕事しててとかだとこれくらいが良いかもしらんけど、少なくとも自分のニーズには合わなかったす。ってかそもそも、どんなジャンルに関しても、温故知新の有用性に対してイマイチ懐疑的だったりする訳ですが。
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[ 内容 ]
一人の青年の燃える向学心に数々の新書がいかに応えてくれたことか―。
富士正晴『中国の隠者』、児島襄『東京裁判』、金関寿夫『アメリカは語る』、山口昌男『文化人類学への招待』、名取洋之助『写真の読みかた』などなど、この知の宝庫に分け入り、次々と読破した若き日々…。
好きな本・凄い本・お得本から秘蔵の本まで、百冊の思い出を熱く描く。
本好きから心を込めて本好きへ贈る読書自伝。
[ 目次 ]
第1章 自らの意志で新書本を読みはじめた頃
第2章 新書がどんどん好きになっていった予備校時代
第3章 新書で読んだ読書ガイドと読書法と書斎の話
第4章 講談社現代新書のアメリカ文化物は充実していた
第5章 やがて来るニューアカ・ブームを前に
第6章 作家の書いた新書本とお勧めの伝記物
第7章 新書で近代日本の文化研究をする
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
H.20.10.11.ABF.043
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坪内史学の底流が分かりますね。「カルチュラル・スタディーズ」の認識が間違ってるんじゃないの? って思うけれど、それ以外は面白く読めました。坪内学の好きな人は必読ですね。ただ、ここに挙げられている本は、ぶっちゃけ古い。
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2006/9/10購入
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ランク:本の状態
レビュー:本の紹介
(共に後程入力します)