自衛隊vs.北朝鮮 (新潮新書 27)

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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100277

感想・レビュー・書評

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  • でっていう

  • ミサイル防衛システムは、ミサイル破壊した時の破片で被害にあうらしいねー。

  • 鉄ではデジタルに勝てない。

  •  防衛庁が1993年に作成した極秘資料『K半島事態対処計画』をベースに、周辺事態法や有事法制関連法などを加味して、北朝鮮が暴発して第2次朝鮮戦争が起こる場合の自衛隊や米軍・韓国軍などの動きや、開戦前の動き(経済制裁、難民支援など)をシミュレーションした本。
     計画では、防衛庁と公安との省庁間の縦割りの弊害や、国際的に日本海沿岸で経済制裁を発動した場合に起こる禁輸措置問題、戦争開戦前/開戦時になだれ込む難民の対応、ミサイル防衛(MD)、物資調達など(特に日米での軍事関係←憲法9条からの集団的自衛権の行使の禁止による制限)、現在の防衛法制の欠陥・不備が顕わになり、自衛隊が機能不全に陥り、自衛隊が国民や国土など防衛できないと結論づける内容になっている。
     著者は経済制裁や集団的自衛権行使のための改憲の前に、北朝鮮や中国など、脅威となっている国とどのように付き合うか<戦略の明確化>が先決だと言う。別に北朝鮮との戦争に関わらず、突然のテロリズムのように、有事が発生した際にどのように対処するかを、自衛隊を認める人も認めない人も考えるべきだろう。
     特に自衛隊を認めない人々は、「有事が起こらないように平和的に話し合いをするべきだ」とする予防外交だけでなく、「起こったときにどうするか」という対処外交戦略が十分ではないと思われている。また、北朝鮮に対して経済制裁を行うべきだと考える人は、経済制裁を発動した場合、本著が示しているような中長期的な問題をいかにして解決するかの戦略・構想を具体的に示す必要があるだろう。さもないと、経済制裁が効果的に機能しなくなるからだ。
     ともかく、本著では、「<平和>を希求したければ<軍事>を知れ」とはまさにこのことだと感じることができた。ただ、本著では作戦名や兵器名などの軍事用語が多く出るので、大まかな地図や図表が欲しかった。それが残念だ。

  • 防衛庁極秘文書「K半島事態対処計画」をもとに第二次朝鮮戦争に備える自衛隊の指針・実力について解説されていた。第二次朝鮮戦争が勃発するとき、「情報収集」、「邦人救出」、「日米韓連携」および「難民対策」など戦争以外にも多くの課題(法整備など)が山積されていることを理解できた。興味深く読めたのは、シュミレーションやエピソードを中心に説明されていたこと。これによって防衛庁極秘文書内容をドキュメンタリ形式でイメージできたため、理解の助けになったと思う。

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著者プロフィール

1955年、栃木県生まれ。防衛ジャーナリスト。元東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。1992年より防衛庁(現在の防衛省)取材を担当。主な著書に、『変貌する日本の安全保障』(弓立社)、『検証 自衛隊・南スーダンPKO-融解するシビリアン・コントロール』(岩波書店)、「日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊」(岩波新書)、『零戦パイロットからの遺言-原田要が空から見た戦争』『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(ともに講談社)などがある。

「2022年 『戦争と平和の船、ナッチャン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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