法隆寺の智慧永平寺の心 (新潮新書 37)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100376

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  • 人の行う悪のうち、ことに重大なものとして、十悪がある。
    1,殺生(生き物を殺すこと)
    2.偸盗(盗み)
    3.邪淫(性の欲望における邪な行動)
    4.妄語(偽り、虚言)
    5.綺語(ざれごと、中傷)
    6.悪口(粗暴な言葉で罵ること)
    7.両舌(二枚舌、たわごと)
    8.貪欲(欲張りむさぼる)
    9.瞋恚(憎しみ害する心)
    10.愚癡(あやまった見解)
    三毒
    1.貪(むさぼり)
    2.瞋(いかり)
    3.癡(無知)
    聖徳太子は日本に最初に仏教をもたらした人物
    八大人覚→偉大な人が覚知する八種の法門
    1:少欲
    2:財欲
    3:色欲
    4:名利欲
    5:睡眠欲
    6:知足

    時はたちまち過ぎ去っていく。
    人生の大事とは、生と死とを明らかにすることである。

  • 永平寺は行ったことがなく、法隆寺は観光でしか行ったことがないけれど、この本を読んだ上で訪れたいと思った。正法眼蔵、読んでみたくなったけれど、お手ごろな本はあるのだろうか・・・。

  • 立松和平"法隆寺の智慧 永平寺の心"を読む。

    早稲田政経卒の小説家である著者は仏教小説を書こうと法隆寺、永平寺に取材したところ、ビジター向けの短期修行を勧められる。学生時代にダンマパダ片手にインド放浪したこともあり、仏教の有りように浸透していく著者。のちに小説『道元禅師』『良寛』を書いています。

    前半が法隆寺での一週間の体験修行、後半が永平寺でのお泊まり修行体験。修行を通じて自らの内面を振り返る著者の心のはたらきが描かれます。


    ◯この世の成り立ちについて苦しんでいる人にとって、般若心経ほど効用のある良薬はないであろう。あなたの苦しみは、そもそも存在しないと説いているのである。

    火種である因がそもそも存在し、その火を燃え上がらせるために縁としての薪を放り込むから、あんなにも苦しみの炎が立ち騒ぐ。そうしないためには、薪を放り込まなければよい。その薪とは、欲であったり、執着であったりする。この構造がわかりさえすれば、縁をしずめる方法はあるのだし、因も消滅させることができる。ここで苦しみは消えるのだ。

    ◯すべては空なのだから、苦しみも空である。心に痛みを与える苦しみは、自分の心がつくり出したにすぎない。その心の働きはどうすればよいかと、般若心経はそれぞれの人に道を示してくれるのである。

    ◯布施とは、貪らないことである。貪らないとは、世にいうへつらわないことである。貪りの心があれば、他を意識して自己に執着する気持ちがおこる。惜しがらない、欲しがらないということが布施である。これをしたから必ず見返りを求めるというのは、布施ではない。

  • [ 内容 ]
    釈迦の教えは今も人びとを導いている。
    私は仏教を積極的に学びたい。
    学びたくて学びたくて、じっとしていられない。
    般若心経はなぜ心の良薬なのか。
    法華経は何を説いているのか。
    「さとり」とはどういうことか。
    …聖徳太子の精神が至るところに輝いている法隆寺。
    道元の思想があまねくところに染み渡っている永平寺。
    両寺における修行を通して、身と心で仏教の精髄に迫る。

    [ 目次 ]
    第1部 法隆寺の智慧(斑鳩でのわが修行;ただひたすらに祈る;伽藍を読み解く;菩薩行のすすめ;聖徳太子の願い)
    第2部 永平寺の心(門前にて;越前でのわが参禅;伽藍を読み解く;修行のすすめ;わが心の道元)

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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 法隆寺の智慧の部分を読み終わった。聖徳太子への真摯な崇敬の念がひしひしと伝わる。ところどころにはさまる著者によるお経の現代語訳が、日本語が巧みであった著者ならではの分かり易さであり、文章を引き締める。最後の一行にまた、新しい一歩がある。

  • 先日奈良の国立博物館で法隆寺展を見たが法隆寺などに造詣の深い立松氏の文章面白かった。

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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