嫉妬の世界史 (新潮新書)

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著者 : 山内昌之
  • 新潮社 (2004年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100918

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嫉妬の世界史 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • げに恐ろしきは、男の嫉妬…。この本には男の嫉妬にまつわる妨害、追放、殺戮にまつわるエピソードが古今東西に渡って収録、紹介されてあって、読みながらおなかいっぱいになってしまいました。問題作だと思います。

    あんまり具体的なことは書くまいと自分に 戒めているが、僕がとある出来事から学んだことは、男にとって嫉妬という感情が自分という人間を焼き尽くしてしまいかねないくらいに度がし難い感情であるということでした。やはり、嫉妬というものは女性のそれよりも男のそれのほうが何倍も激しいものなのだということを実感した次第でありました。

    この本はそんな「嫉妬」というものについて、古今東西のさまざまなエピソードを通じて、世界史というものを考察するというものです。しかし…。嫉妬というものが場合によっては一国の運命を揺るがしかねないような途轍ものない感情であることが延々と書かれてあって『そうだよなぁ…』というなんとも言いようがない感情とそれに伴う妨害工作、追放。殺戮…etcのオンパレードに
    「自分の中にもこういう『魔物』が潜んでいるのか・・・。」
    という思いに恐れ慄いてしまったことを正直に告白します。

    森鴎外は医学者でありながら小説も書けるということで最後まで男爵の称号を得られず、石原莞爾はその天才的な軍事的才能ゆえに東条英機から疎まれ、追放されます。旧ソ連のトハチェフスキーという将軍はその出自と教養。そして才能をスターリンにねたまれ、非業の最期を遂げる…。このほかにもさまざまな嫉妬にまつわるおぞましいエピソードが列挙されていて、新書ながら読んでいておなかいっぱいになってしまいました。

    嫉妬。この度がし難い感情を否定することはできませんが、この感情に真正面から向き合ってみるためにも一読して損はないと感じています。

  • 2010年に読んだ本の中でのベスト本。

    山内先生といったらイスラムのイメージだけど、こんな歴史雑学の引き出しもあったんだと、思わず感激です。

    出典もきちんとカバーしてる点など、評価できると思いましたね。

    少しユルイとは思いつつ、思わず人に話したくなっちゃう話の連続で、大変、満足でした。

  • 古今東西の歴史を踏まえて、嫉妬とそれによる恐ろしさを説いた一冊。

    通説をベースにしているんで、真偽のほどは?

  • とても面白かった。途中話が流れの中でかわるのでちょっとん?ってなったけど。でも日本史世界史に精通している作者ならではだなぁと思った。
    これからは日本史世界史を区別せず学んでいく時代だと思うし、色々な視点から考えることができるのが歴史の面白いところだと思うのでよかった。
    もうちょっと、日本史の知識があれば楽しめたかもしれない。
    とりあえず、三国志のラスボスは劉邦の妻であると認識しました。彼女、恐ろしすぎる…。絶対、今でいうサイコパスだと思う。
    森鴎外のクズっぷりも面白かった。偉人とクズは紙一重。なのかも。
    そして実は教科書であまり見かけない人が歴史の基盤を作ってたりするのも興味深い。
    そういう人ほどクローズアップされるべきだと思った。
    なにより嫉妬はどんな優れた人も狂気に陥れられると学んだ1冊。

  •  時代も地域もランダムに「嫉妬」について書き散らした、という感じの本。しかしそれだけに、どこからでも気軽に読める。不要になると処分された韓信。才能があり権力者の寵愛を得ても謙虚さが欠け妬みを買ったロンメル。ライバルへの妬みを小説に露骨に描くなど露わにし、それがまた反発を買った森鴎外。天才肌の石原莞爾と平凡な秀才の東条英機。同志や部下を粛正したスターリンに毛沢東。

  • 嫉妬を受けなかった人
     家光の庶弟 保科正之
     知足の人 自ら勝つものは強く、足るを知る者は富む

    中国では病的な嫉妬を、妬癡(とち)と呼ぶ

    男の嫉妬は、陰湿で粘液質

  • 嫉妬という題材で書かれた本
    ということで興味がわいて読んだ。
    自分の知ってる有名人も
    嫉妬をしていて、大変面白い
    本でした。

  • 男の優越がらみの嫉妬を中心とした本。手記が引用されているところ等以外は「嫉妬が理由」と言いきっていいのか少し疑問。しかし「想像に難くない」。

  • 歴史上の出来事の中には、史実だけでは窺い知れない積年の嫉妬や恨みが隠されている。文中で言及されている森鴎外や星新一などは新たに視点で作品を読んでみたいと思えた。

  • 古今東西の歴史から、嫉妬(もしくは嫉妬に準ずる感情のもつれ)が原因で動いた出来事に着目する。日本史、西洋史、中国史、イスラム史と領域は広いのに、扱うネタは個人単位なので、マクロな前提知識のもとでミクロな解釈を行うというマニアックな形式になっている。さらっと雑学風に読み流すのは楽だったけど、本気で本書を愉しむには、かなりディープな歴史好きになる必要がある。

  • 嫉妬する側、される側、様々な歴史上の人物が語られる。嫉妬される側の一人に森鴎外がいるが、鴎外が状況を好転させても悪化させても人格評価が下がることしかやっていないあたり、やっぱり鴎外だなと思ってしまう。

  • 具体例が多く分かり易かった

  • 2013.6.11読了
    イマイチ

  • 世界史と日本史の知識に乏しい自分には,なかなか難しかった。
    歴史好きの人だったら超楽しめるのかもしれない。

    男女間の嫉妬よりも,男同士の出世や権力,地位,自己顕示欲に絡む嫉妬の話がメインで,世界は嫉妬で動いているんじゃないかと思ってしまうぐらい,嫉妬にまつわる話のオンパレードである。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)146
    戦争・歴史・天皇

  • サラリーマンも一緒で、独り勝ちはダメ。妬まれないように謙虚に。

  • 劉邦夫人・呂后(りょこう)の話が恐ろしい。
    劉邦が信頼している家臣をも嫉妬の対象にして排除していったことや
    寵姫を5体を切り刻み、厠の中に置いた話とか。

  • 時に可愛らしくさえある女性の「ねたみ」に対し、本当に恐ろしいのは男たちの「そねみ」である。

    見開きの通り、歴史上の大した男達が嫉妬に狂う姿は「恐ろしい」

  • 男の嫉妬は国をも滅ぼす!?
    この本は、さまざまな歴史上の人物や事件を「嫉妬」という切り口から解説を試みた、非常に面白い一冊です。
    本来なら目を背けたくなるようなテーマですが、それでも古今東西さまざまな歴史的出来事を嫉妬という観点から説明されてみると、どういう訳か腑に落ちるというか納得がいってしまいまうから不思議です。
    やはり、人間は感情の生き物なんですね。。
    基本は歴史エンターテイメントですが、やはり感情をテーマに扱っている本ですので、処世の教訓のようなものも多分に含まれていて非常に読み応えがありました。
    ともかく刺激的な歴史モノがお好きな向きには、ぜひぜひお薦めです (^-^)
    http://ameblo.jp/happybookreviews/entry-11258134612.html

  • 古来組織と嫉妬は背中合わせでありました。
    インテリジェンスの世界でも「歴史についてよく勉強すること。歴史は相似形をかたち作ることが多いのでそれを見逃さないために。加えて動物行動学的なものと嫉妬についてもよくよく勉強すること。人間の行動原理がわかるから」といったことがよく言われるようで、この本は嫉妬の歴史についてひも解いている本であります。

    嫉妬というとプライベートの領域では女性と同一視されることが多いですが、仕事・業務・権力と紐付いた嫉妬というのは男性女性関係なく凄惨なものとなります。古来中国の宦官や大和王朝の公家に代表されるように、男の嫉妬は女性よりもむしろ陰湿さ激しさを増す場合が多いようで。

    過去の嫉妬を叙述的に書いているので、何かすぐにこれに生かせるぞ!というノウハウ的なものが多いわけではありませんが、嫉妬をする人の思考のパターンや、嫉妬に陥る状況、そして周りからどう見えるかという第三視が豊富に記述されているため、自分がそういった状況に陥った時のパターン認識には有効に役立ってくれると思いました。

    エピソードとしては、鴎外がこんなにも嫉妬深かったというのはこの本を読んで初めて知りました。浅学でした。

  • 読みやすい。嫉妬と人間関係という変わった切り口から歴史を楽しめてよかった。たまにはこういう変化球も交えると、歴史への考え方が深まるように思う。

  • ねたみとそねみが歴史を変えるという切り口で、歴史上の人物を取りあげ、男の嫉妬がどれほど恐ろしいか、実例を挙げて解説。日本はもとより、中国、ギリシア、ヨーロッパの有名人を取りあげ、歴史の舞台で繰り広げられた嫉妬に伴う悲喜劇を物語る書。日本人では、戦国武将から文学者、政治家が取りあげられ、最後に嫉妬されなかった保科正之に触れ、嫉妬されないことの大切さとその生き方について語っている。

  • 本書は大いなる嫉妬にまつわる古今東西のエピソードを通じて世界史を読み直した本です。もちろん日本の話もあります。

  • 勉強が出来る子は性格もいい,美人はキャラも美しいあるいは性格はブスなど,ある特徴とある特徴を結びつけて人物理解を簡単にする試みの中に,出世や活躍をする人は人物者であるというものがあるが,別物なのだと冷静に考えれば至極当然なことについて,これでもかと例証してくれる。
    森鴎外やスターリン,毛沢東,東条英機くらいなら聞いたことがあったが,大海人皇子に対する中大兄皇子,忠長に対する家光,義経に対する頼朝,勝海舟に対する徳川慶喜,西郷隆盛に対する島津久光などそういえばというものまで歴史は嫉妬だらけ。
    天才,秀才から凡人まで,嫉妬は万民に公平なんだ。
    ただ,女性の嫉妬より男性の嫉妬の方がやっかいだと,世界史を嫉妬という目線から眺め渡した男性の著者がそういうのだから,きっとそうなんだろう。

    以前,血なまぐさい日本画の大作を見てその強烈さに半日気持ちが悪かったことがあったが,そのことも載っていた。
    前漢の高祖劉邦の正妻呂后が跡継ぎを産んだ寵姫の四肢を切断し失明させ舌を切りトイレに住まわせ人間豚として見世物にしたという逸話。壁いっぱいの絵にした画家の興味の方向性も気になるけど,西太后といい,歯止めのきかない人っているのね。
    正室は臣下も追い落としまくり,この女性の死後は逆に,一族郎党皆殺しにあったとあるので,全体としておあいこなようにも見えるが
    嫉妬の対象となって人生変わってそのまんまという人のほうが多く,受け流してさえいればそのうち消えてなくなるとか,抗い闘った方が勝率があがるとか,ゴールデンルールが見えてくるわけでもないので読後感は良くない。
    実力を発揮しながら嫉妬をできるだけ受けずにやり過ごすためには相当のバランス感覚と大局観と感情制御術を要することはわかるのだけれど,そういう人は滅多にいないと著者も書いているので,誰もが嫉妬し嫉妬されると思っていた方がよさそう。

    学者の世界の足の引っ張り合いも書かれているが,他の逸話と比較するとせこく幼稚っぽく,嫉妬を視野に入れた駆け引きを繰り広げるでもなく,一番つまらない章だった。
    学校の勉強や学問に秀でるだけでは人間の全体は育たないことを自戒と共に改めて実感。

  • 世界史にもいろいろある。お茶の世界史、コーヒーの世界史、まっとうな世界史。

    その中で、なんとも興味を引く世界史ではないかと思い、手にとってしまった。



    男女の嫉妬の歴史かと思いきや、男同士の嫉妬の歴史である。

    西郷隆盛が言う。「殿におかれては、恐縮ながら田舎者でございますので」

    それを言われた、久光は、深く、深く根をもったという。

    森鴎外も過剰な被害者意識をもち、いつもそれが他人への反発につながったという。

    かのショート、ショートで有名な、星新一の父親も星薬科大学、星製薬の土台を

    作った立派なかたであったが、同業者、官僚等の反感を買ったという。

    徳川の中では、保科正之は、ひとの感謝を忘れない、謙虚な人間であったとあり

    嫉妬を生むようなことがなかったとか、そんな話が満載であった。



    ひとえに世界史といえども、人の歴史である限りは、盛りだくさんのできごとが

    あるわけだ。。。

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嫉妬の世界史 (新潮新書)の作品紹介

喜怒哀楽とともに、誰しも無縁ではいられない感情「嫉妬」。時に可愛らしくさえある女性のねたみに対し、本当に恐ろしいのは男たちのそねみである。妨害、追放、殺戮…。あの英雄を、名君を、天才学者を、独裁者をも苦しめ惑わせた、亡国の激情とは。歴史を動かした「大いなる嫉妬」にまつわる古今東西のエピソードを通じて、世界史を読み直す。

嫉妬の世界史 (新潮新書)のKindle版

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