松下政経塾とは何か (新潮新書)

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著者 : 出井康博
  • 新潮社 (2004年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100925

松下政経塾とは何か (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 名前は知ってるけど、中身はよくわからない松下政経塾についてよくわかる一冊。

  • 『欲望は力であり、人間の活力であると思っています。だから尊いものであり、格差はないと考えています。』
    『欲望は力ですから、悪にも善にもなり得ます』
    松下幸之助談

    確かに!

    その欲が純粋に国家国民に向いている政治家は存在するのだろうか?
    己の私権のために“数(票)”だけのためにしか考えていない政治家が多すぎる。
    存在したとしても少数では国を変えられないのだろうか?

    松下幸之助が欲した志、欲望、政治家とは…

    松下政経塾が悪いのか?

    多数決といった選挙制度が悪なのか?


    政経塾の名前しか知らなかったため興味をもって読んだが、個人的にはその設立趣旨には共感する。
    しかし、組織はやはり人。

    政治というものに興味がなかった(というより選挙というものを毛嫌いしていた)が、20代の頃に戻れるなら入塾試験受けてたかも…(^_^;)
    と、この本を読んで思った。

  • マンションで読む。再読です。非常に読みやすい本です。また、しっかり取材もしています。再読の価値ありです。

  •  某掲示板の政治関連の記事を見ていると時々目に飛び込んでくる「松下政経塾」という単語。松下幸之助が作った事以外は何も知らなかったので、知るために読んだ本。

     読み終えた後の率直な感想は、「やはりどんな崇高な目標を掲げた組織も、人間関係で大きく揺らいでしまうのだな」というものだった。
     「地盤、看板、カバンを持たない若者を政治家にしてやろう」という目的で日本の政治を変えるために作ったのに、現在では選挙資金の援助や人脈をアテにして入ってくる者が多く、肝心の政治を学ぶという目的が失われ「選挙の候補者」を生み出す場と成り果ててしまっている。かつての先輩が出馬する際には同期・後輩が手伝い、その自分達が出馬する際には先輩に面倒をみてもらうという研修の場が、歪んだ形で伝わってしまっているのは残念である。中田宏や三日月大造の経歴からもそれは伺える。現役塾生が「心配してくれる先輩などいない。上ばかり見て生きている」と功利的になってしまうのも無理も無いのかもしれない。

     幸之助亡き後、上甲晃は厳しい運営状況を改善するために「ちにか運動」や京都政経塾を作ったが、代償として新入生に対する研修機会を失い「独断専行」と批判がおき、選挙に負け、幸之助の考えを帯びた新党を作ろうと言った山田宏に対し「彼ら(新党派)は自分が出世することしか考えておらず、政経塾や後輩のことは頭にない」とあしらわれるなど、大きな溝ができてしまった。資金難を乗り切るために松下家の人間である松下正治を迎え入れたところ、金のやりくりばかりに集中してしまい(関淳がリストラが断行)、塾生の育成に手が回らず緒方彰が辞任する(一応双方に非があるという趣旨の文章が書かれている)といったゴタゴタした状態が続く。
     他の塾出身者も「あくまで松下幸之助の考えは保守ニ党論」(野田佳彦)、「第三党が政権を取るというのはロマンにすぎない」(島聡)、「塾で固まるのは排他的で嫌味な感じがする」(山井和則)など、考えがまるでまとまっていない。実際に幸之助と顔をあわせ指導を受けた先輩に対して後輩たちが白けてしまうというエピソードは、いつの時代、どこの組織でも起こる日常風景だ。

     野田佳彦、前原誠司も松下政経塾出身であり、民主党側につき政権をとったものの、前原は不祥事を起こし、野田は先日の総選挙で自民党に政権を明け渡すこととなってしまった(もっとも、私自身はこの原因は野田一人のせいというよりは、鳩山由紀夫前首相の発言と行動の不一致や、対中韓政策、震災後の行動といった党全体の責任であると思っている)。
     政治アナリスト:伊藤惇夫が「政経塾出身の政治家には縁の下の力持ちがなく、政治家になること自体が目的となっている」、塾出身者が「人に認められたく、集団行動が苦手」と分析しているが、この点も今回の政局に現れていたのだろうか。

     どちらかというと、私は政経塾の歴史よりも、松下幸之助の発言や理念の方に興味がわいた。真々庵とわずか70億円(加えて松下グループからの計50億円の出資)で、良くも悪くも何かを期待させる人材を輩出出来たのは、やはり先を見る目があったということなのだろう。
     苦汁を舐めた経験からPHP活動、「右手にそろばん、左手に政治」、「政治に経営感覚を導入せよ(税金の無駄遣いをするな)」、生活物資を水道の水のように安く提供するという「水道哲学」、「われわれ人間はお互いに飼い合いをしている。お互いに人間の本質を知ることで、初めて政治家としての可能性がある」、「欲望は力であり、人間の活力である。一休さんのような欲のない人ばかりでは世の中は成り立ちません。欲望は力ですから、悪にも善にもなり得ます」という理念は、経営者であったからこそ生まれたのだろう。
     新党結成を信頼していた人々から反対された時「明治維新を... 続きを読む

  • 2004年、中田宏氏が現職の横浜市長の頃に出版されているが、野田内閣のご時世に本書を読むのが味わい深い。前記の二人以外にも、山田宏、樽床伸二、前原誠司、原口一博、玄葉光一郎等々、昨今の新聞紙面を飾る名前が頻出している。この塾の創設から、新党ブームによる躍進、幸之助死去による危機などの紆余曲折が、リアルに記されているが、この塾の実体が何かという点で、物足りなさを感じた。
    《いくら商売で成果を上げても、政治がコケれば社会全体が悪くなる事が戦争で証明された。政治家に任せているだけではダメだ》
    松下幸之助の、日本を変えたいという維新の気骨がこの塾を興す事になったのが、30年余り前の話。今となっては閣僚どころか首相まで輩出した訳なので、幸之助翁は喜んでいるのだろうか。残念ながら、政治の手段であるべき選挙が目的と化し、この本を塾が候補者養成機関となってしまった現状を、本書の著者は冷酷に批判している。

  • [ 内容 ]
    カリスマ経営者・松下幸之助が創立してから四半世紀を迎えた松下政経塾。
    現在、塾出身の議員・首長は総勢六十名となった。
    彼らは、閉塞し危機に瀕した日本の救世主か?
    それとも、老人の妄執が生み出した現代のドンキホーテなのか?
    政治家を志し、政経塾に集まってきた若者たちの群像、彼らの成長や挫折の軌跡を追いながら、ここまでに至る塾の歴史と実態、さらにその功罪を明らかにする。

    [ 目次 ]
    序章 「殿」と政経塾
    第1章 昭和版「松下村塾」の誕生
    第2章 「幸之助新党」の真実
    第3章 日本新党ブーム
    第4章 「政経塾新党」への挑戦
    第5章 大政奉還
    第6章 夢のまた夢
    終章 深き「業」の果てに

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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 芝久保図書館にて。

  • 知人が数年前に入塾したのだが、上昇志向ばかりが強いように思える人物なので、こういった人材をピックアップする機関とはどういったところなのか、興味を持った。

    どうやら塾は発足当初、保守二大政党を目指すとしながら、現実路線とは離れた、ある意味で思想家を探していたように見受けられる。だから塾内には本当の意味で議論があり、思索があったようだ。ただしこれでは学者は育っても実務者としての政治家を育てるのは難しいかもしれない。

    時代が移り変わって現在の政経塾は、著者も表現するように「選挙マシーン」養成所と化している。政治家は、「何を成すか」が重要であると思うのだが、どうも「政治家になること・権力を手にすること」を目的にする人間が塾出身者に多くなっているようである。本書で紹介される中田宏はその最たるものであろう。その身の振り方はここかと思えばまたあちら、昨日受けた恩は仇で返す、まさにカメレオンである。

    「政権交代」のみをスローガンに掲げ、既存の政治を批判することだけで政権を取った民主党に塾出身者が多いことも、象徴的な中田の動きを見ればうなずける。もちろん塾出身者を一括りにはできないだろうが、一定期間同じ釜の飯を食った間柄なら、どこかで同じような志向を持っても不思議ではない。


    最後に松下幸之助について記したい。
    彼は稀有な商才を持った経営者であったが、「神様」と呼ばれるとおり、経営者としてはまさに常軌を逸した実績を残している。この点、不思議には思うが詳細に触れることは控えるとして、「人間・松下幸之助」がどれだけ人望を集めるものであったか、本書からは寂しい現実が見えてきたように思えてならない。塾にしても新党計画にしても、結局は圧倒的財力を持った、「経営者・松下幸之助」の取り組みに人が注目しただけのことであったように感じられるのである。

  • いかつすぎですw

  • 民主党政権できる5年前に出版された本です。
    前原誠司(外務大臣)、野田佳彦(財務大臣)、玄葉光一郎(内閣府特命担当大臣)や山田宏(日本創新党党首・前杉並区長)、中田宏(日本創新党代表幹事・前横浜市長)の名が出てきます。
    現在のそれぞれの立場を思い描きながら読むと面白いかもしれません。

    それから、本の内容とは関係ありませんが一言。
    政治家やそれを志す人が幕末好きなのは分かるが、選挙や何かあるたびに「維新」や「坂本龍馬」を口にするのはやめた方がいいと私は思います。

  • 最近因縁を感じ始めたので、読んでみた。

    小物臭がするな~とは思っていたが、

    やっぱり実際のところも政経塾出身の者は選挙の仕方だけを学んだ成り上がり者にしか過ぎない。

    民主主義を破たんに追いやる一因になるのは間違いないだろうな。

  • 最近はすっかり聞かなくなった松下政経塾についての本。
    たんなる解説本。

    読まなくてもいい。

  • 松下政経塾について書かれた本です。

    松下さんは本業だけでなくPHP研究所、そして政経塾も作っていました。
    ここでは、新党構想などがあったことも書かれていますが、最終的には松下さんの
    死後、政経塾の方向性そのものが変わっていってることを著者は嘆いているように
    思えます。

    ですが、現実は少しずつですが政経塾出身の議員も増えていってるなかで新党構想が
    あがってもおかしくない世の中です。ですが、幸之助自身にあっている議員はまだしも、死後に入塾して議員になっている人はどこまで松下イズムをもっているのでしょうか。そもそもそのような集団が新党構想を掲げる中で「松下」をアピールすることに幸之助の側近たちは納得するのか、議員たちもメリットはあるのか、懐疑的な部分が多々あります。

    また、本書の内容は主に塾内部での抗争などを当時を知る人達へのインタビューなどを通して書かれていますが内容がイマイチです。

    政経塾のすごさを伝えたかったのかもしれませんがあまり伝わりませんでした。

  • 今日では政界に多くの門下を輩出するようになった松下政経塾についてよくわかる本。著者は松下政経塾の存在意義に懐疑的で、批判的な文章も多い。一時期は赤字運営で経営が厳しく、さらに塾生と職員の軋轢も絶えなかったというのは意外でした。

  • 言われてみれば確かにこういう見方もあるのかと納得させられる本。

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松下政経塾とは何か (新潮新書)の作品紹介

カリスマ経営者・松下幸之助が創立してから四半世紀を迎えた松下政経塾。現在、塾出身の議員・首長は総勢六十名となった。彼らは、閉塞し危機に瀕した日本の救世主か?それとも、老人の妄執が生み出した現代のドンキホーテなのか?政治家を志し、政経塾に集まってきた若者たちの群像、彼らの成長や挫折の軌跡を追いながら、ここまでに至る塾の歴史と実態、さらにその功罪を明らかにする。

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