世間のウソ (新潮新書 99)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106100994

感想・レビュー・書評

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  • 怖いモノ知らずの辛口な物言いで世の中のウソに喧嘩を売り続ける「ガッキィ」こと日垣隆が暴く「世間のウソ」。年末ジャンボ宝くじの1等の当選確率はわずか1千万分の1であり、これは交通事故で死ぬ確率のさらに千分の1、つまり「当たらない」のと同じ。しかも換金率は45%とギャンブルの中でも最悪で、胴元が世界一儲かるアホらしい賭博であると切り捨てる。 さらには有りもしない「民事不介入の原則」を盾に怠慢を極めてきた警察や、「鳥インフルエンザで大量の死者が出る」と世間を恫喝しまくる困った専門家たちを斬りまくる。NHKや年金官僚だけじゃない、渡る世間はウソばかり!

  • タイトルから淡々と嘘を列挙していくようなものを期待していたのですが、作者の意見とセットのものでした。文章も強めの書き方だったりと、作者と合う合わないで評価が分かれるかもしれません。私は「男女のウソ」で読むのを断念しそうになりかけました。有り得ないことの喩えとして妊娠や出産を使う(作者は男性)のが一番キツかったです。

    それはそれとして、嘘を暴く切り口は素晴らしいものです。
    新書としてのボリュームの限界や個人の限界は感じますが、作者以上の知識を読前に持ってる方は殆どいないでしょう。私は2005年当時に読みましたが、鳥インフルエンザで鳥が亡くなる仕組みはインパクトあって今でも覚えてます(汗腺がない。膀胱がない。気管支が肺を貫通してウイルスが直撃する。平温が高く微温上昇に耐えられない)。
    きちんと嘘とする根拠も載っているので、自分で実際に調べて自分なりの結論を出せるので時間をかけてたっぷり楽しめます。
    Amazonのレビューなどでは興味深い反論をしている方がいました。こうやって見識を深めていけるのも、こういった本の醍醐味ですね。

    ウイルス、オリンピック、部活等と2005年の本とは思えないほどナウい(2020年6月現在)話題が詰まっています。作者の慧眼なのか、人間社会の進歩の遅さなのかは受け手の判断に任せますが、今読んでも面白い一冊です。

  • ニュースの見方の勉強になりました。

  • いったん疑ってかかることですな。

  • 始めの方は良いが後の方は多少読んでて息苦しい。でも自分の目で見たり調べることは重要。情報を100パーセント信じるのは盲信であるかとと教えられる

  • 日垣氏の小気味良いテンポが味わえる作品。
    物事を多角的にみる事が大事である。
    可能性という言葉は実に危うい言葉。
    まだ何もしていない事の別表現にもなる。
    結果に対して責任を負うべき。とは重い言葉である。
    警察の民事不介入の原則がまぼろしであるとは全く知らなかった。

  • 殿堂入り名著



  • メディア報道の信憑性。
    何でもかんでも、まま受け取ってはいかんな。

    無知は時として、罪にもなりうるね。

    歯に衣着せぬ物言いが爽快。
    ジャーナリストって、本来こうあるべきだな。

  • 1+1=2のように単純な世界だったら問題は起きないだろうし例え問題が起きても簡単に解決できるとは思うのですが、僕たちが生きている世界はもっと複雑で難解で、著者が言うような解決策(一言居士)を採用しても、また他の何か別な問題が出てくるんではないのかと思うんです。
    リスクをめぐるウソ、事件をめぐるウソ、子どもをめぐるウソ、値段をめぐるウソ、制度をめぐるウソ、多方面に渡る分野の欠陥を指摘していて、感心するところもありますが、他方で当事者と第三者、受け手と送り手、主観と客観、古参者と新参者のように、様々な利害関係や協力関係、対立関係が複数あるから、妥協点を見出だすのがベターなのかなぁと思います。
    もちろん、著者の解決策を否定しているわけでは決してありません。こういう姿勢は大事だとは思いますが、もっと大きな視点から、『問題解決が新たな問題が起きる』ように、僕たちはいたちごっこの輪から逃れられないのか……と、そっちの方に関心があります。
    部活動について、著者は『他国では見られない制度であり、廃止すべきだ』と言っていますが、他国は他国で別問題が浮上しているはずだし、何かしらの欠陥があるのはやむ無しなのかも知れません。あとは許容範囲かどうかの問題で、許容できる人と許容できない人との溝をどう埋めていけば良いのか……。
    僕の評価はAにします。

  • 宝くじのウソ
    「宝くじは当たらないと思っていたが、1等が当たる確率は0.0000001とは驚いた。それに1万円に付き5200円も国に入るとは、まさに暴利だ」

    安全性のウソ
    「リスクはゼロにできない。リスクゼロというのファッシズムの思想」

    事件報道
    「事件報道には裏がある。事件の報道する側される側、事件にした側など発表した意図を考える必要あり」

    ウソの種類
    1社交辞令としてのウソ
    2皮肉というウソ
    3その場の雰囲気が作り出すウソ
    4特定の組織または誰かを守るためのウソ
    5世論を誤らせる構造的なウソ

    つまり、日常的にウソはついているし聞かされている。原発が安全などというウソがまかり通っていたのもウソだと知っていたがそれを許していた土壌があったのだろう。

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著者プロフィール

1958年、長野県に生まれる。東北大学法学部卒業後、販売、配送、書籍の編集、コピーライターを経て87年より作家・ジャーナリスト。著書には、『そして殺人者は野に放たれる』(新潮文庫、新潮ドキュメント賞受賞)、『世間のウソ』(新潮新書)、『ラクをしないと成果は出ない』(だいわ文庫)、『情報への作法』(講談社+α文庫)など多数。

「2011年 『つながる読書術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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