横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)

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著者 : 徳永洋
  • 新潮社 (2005年1月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101014

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横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • [維新の光る脇役]西郷隆盛と並び,勝海舟に「恐ろしい」と評された男・横井小楠。維新の物語において欠かすことのできない青写真を描いた人物として,横井小楠の足跡をたどる一冊です。著者は,熊本県出身の日本史研究家である徳永洋。


    「種を蒔いた人」というのが本書を読んで受けた横井小楠に対する第一の印象。維新の思想面で非常に大きな役割を担っていたことがよくわかりました。それにしても,久しぶりに幕末物を読みましたがやっぱりこの時代はどう切り取っても魅力的ですね。

    〜実に小楠は新生日本の青写真を描いた「夜明けの先覚者」であった。〜

    小楠の写真に渋みと凄みを感じる☆5つ

  • 幕末の幹になる人物、横井小楠の生涯を、その歴史的な役割も含めてコンパクトに整理がされている。著者自らが調べた史実に基づく考察もあり興味深い。
    また、越前藩主松平春嶽なくしては横井小楠なし。春嶽の功績も大きいものだと改めて悟った。

    以下引用~
    ・「おれは、今までに天下で恐ろしいものを二人見た。それは、横井小楠と西郷南洲とだ」「横井の思想を、西郷の手で行われたら、もはやそれまでだと心配していた」(以上勝海舟)
    ・「西洋文明はあくまで技術として優れているのであって、そこには徳はない。日本は東洋の徳ある文明をもとに、そこに西洋の科学文明を取り入れるべきだ」(横井小楠)
    ・政治の理念は「実学」でなくてはならないと結論づけたのである。
    ・小楠は功利主義をきらい、なにごとに対しても公平無私に、わがままな心があってはならない、誠心誠意をもってやることが大事であると教え、政治と道徳は別のものではなく、政治は道徳でなくてはならないと断言した。
    ・本来、経書を読むことをもって文といったり武術を習うことをもって武といったのではなく、聖人の徳が自然に外に現れた様子、その仁義剛柔の態度を形容して文武といったのである。

  • 勝海舟や坂本龍馬、松平春嶽らに影響を与え、明治維新への道を開いた横井小楠の小伝です。在野の小楠研究者である著者が独自に入手した史料も紹介しながら小楠の歩んだ足跡をたどるとともに、開国と実学と共和政治という言葉で特徴づけられる彼の思想を分かりやすく解説しています。

    海舟、龍馬から中江兆民、幸徳秋水へと受け継がれていく思想の系譜の源流の位置する小楠の思索に触れることのできる、コンパクトな入門書だと思います。

  • 本来なら革命側に立脚する横井小楠の思想が龍馬や西郷に影響を与えたのは言うまでもない。それが、松平春嶽や勝海舟といった佐幕側の大物まで薫陶を多いに受けている。いかに小楠の存在が大きかったかが窺える。左翼・右翼を鯨飲してしまう大きな思想。外敵に対抗するためには、幕府とか藩という尺度の対策では到底日本に勝ち目はない。列強の植民地になってしまうのは必至。で、小楠は「徳川幕府の維持目的のためだけの便利私営の政治を止めさせ、賢明な藩主らによる諸藩会議をもって、天下公共の国是を立てて政治を行なう」という共和政治の方針「国是十二箇条」を発表。その後、それを下敷きにし龍馬は船中八策を起草し、由利公正は五箇条の御誓文に仕立て上げる。本書のサブタイトル「維新の青写真を描いた男」と呼称される所以。黒船来航から明治新政府の樹立までを概観すると、吉田松陰・佐久間象山・横井小楠・藤田東湖ら開明思想家のコンセプトを、坂本龍馬・高杉晋作・西郷隆盛の求心力もあるリーダーが引継ぎ、倒幕運動を企図牽引。大久保利通・伊藤博文らの実務派が近代国家の礎を造るといった役割が見事に演じ分けられている。植民地回避をバネに戦略を導き、稀代のリーダーが日本の原型を創り、実務派が盤石にしたと展開が見事であったことは隣国のアヘン戦争の惨状を見れば、大いに首肯できる。

  • 勝海舟 氷川清話 おれは、今までに天下で恐ろしいものを二人見た。それは、横井小楠と西郷南洲とだ。
    横井の思想を、西郷の手で行われたら、もはやそれれまでと心配していたのに、果たして西郷は出てきたわい

    文豪徳富蘆花は小楠の甥

    開国論者として東の佐久間象山、西の横井小楠

    松平春嶽のあと福井藩主になったのは、糸魚川藩主の松平直廉

    熊本市立横井小楠記念館

    士道忘却事件

    横井小楠の門下生 教育、医学、

  • 市井の研究者による著書。
    著者の横井小楠に対する敬愛の情が、文章からひしひしと伝わってきました。また、丁寧に文献に当たっている点も大変良かったと思います。

  • 開国・攘夷で騒いでいたころに、共和制の導入という考えはともかくも、日本は、西洋技術と東洋思想をもって世界から戦争をなくす役目を国際社会で果たすべきと考えていた人がいたことに驚く。松平春嶽のブレーンであり、勝海舟や坂本龍馬、吉田松陰、西郷隆盛、大久保利通らが感化したのも当然か。武力倒幕には組せずとも、止む無しの立場をとったあたりの行動が、幕末のドラマなどに描きにくいということで、あまり有名ではないのだが、歴史というのが常に「現在からの振り返りによる価値観」で語られるものであり、その時代の同時代の価値観とは異なるということがこの人を通してよくわかる。

  • 武士として残念だったために、評価が低い横井小楠。
    地元民の私も、ほとんど知らなかった。

    今の世なら「ヒキコモリで酒乱なんだけど、ネットでいろいろ調べて、政治を語らせたら途轍もなくスゴイ人」という感じ?
    こんなすごい人物だったとは。読んでよかった。

  • 堯瞬孔子を手本に、実学を重んじる考え方は、十分今に通じる。西洋の技術をどんどん取り入れ、東洋の倫理観や考え方で使い、国を富むというところをこの時代に提唱している点が非常に関心する。勝海舟、坂本龍馬、高杉晋作、西郷隆盛など、明治維新の蒼々たる面々を導いている店からもすごいと思う。ただ、熊本藩を脱藩し、坂本龍馬のように生きることはできなかったようで、それが不遇と言わしめるところだろう。

  • 幕末~明治初期にかけて活躍した熊本藩の思想家、横井小楠について描かれた本。

    小楠は卓越した思想・ビジョンを持っていながら周囲の状況に阻まれ活躍の機会に恵まれず、そのために幕末ファンにとっても認知度はかなり低い。

    しかし、高杉晋作・吉田松陰・西郷隆盛・勝海舟といった一流の人物と親しい交わりがあったり、彼の一貫して唱えた開国・富国強兵の思想はまさに明治政府によって実現されたものであることからも彼の人物ぶりが窺われる。

    今後彼により一層スポットライトが当たることに期待。

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横井小楠―維新の青写真を描いた男 (新潮新書)の作品紹介

勝海舟曰く「おれは今までに天下で恐ろしいものを二人見た。横井小楠と西郷南洲だ」。日本史の教科書でもろくに取り上げられず、幕末もののドラマで登場することもほとんどない。しかし小楠こそ、坂本龍馬や西郷隆盛をはじめ、幕末維新の英傑たちに絶大な影響を与えた「陰の指南役」であった。早くから現実的開国論を説き、東洋の哲学と西洋の科学文明の融合を唱え、近代日本の歩むべき道を構想した鬼才。その生涯を追う。

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