明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)

  • 129人登録
  • 3.23評価
    • (4)
    • (12)
    • (31)
    • (2)
    • (3)
  • 14レビュー
著者 : 鴻巣友季子
  • 新潮社 (2005年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101380

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 改めて<翻訳>という文学近代化の歴史に触れ、何かと興趣あり。
    目次を見ると。
     プロローグ/明治の翻訳ローリング・トウェンティーズ
    第1章  近代の翻訳はこの「一字入魂」から出発する
          /ユゴー「探偵ユーベル」森田思軒訳(明治22年)
    第2章 訳文が生きるか死ぬかは会話文
          /バアネット「小公子」若松賤子訳(明治23へ25年)
    第3章 超訳どころの騒ぎではない 
          /ボアゴベイ「鉄仮面」黒岩涙香訳述(明治25へ26年)
    第4章  鴎外の陰に隠れはしたが
          /レルモントフ「浴泉記」小金井喜美子訳(明治25へ27年)
    第5章 すべては憧憬にはじまる
          /ゾラ「女優ナナ」永井荷風訳(明治35年)
    第6章 辛抱して読んでくれ!
       /トルストイ「復活」内田魯庵(明治38年)
    第7章 遠く離れた日本で出世
          /ウイダ「フランダースの犬」日高柿軒訳述(明治41年)
    第8章 原作はいったいどこに・・?!
          /アンノウンマン「いたづら小僧日記」佐々木邦訳(明治42年)
    第9章肉体を翻訳する舞台
         /イプセン「人形の家」島村抱月訳(明治43年)
    第10章 童話は初版だけが本物か
         /「模範家庭文庫」中島孤島他訳(大正4年)
    第11章 絶好の売り時逃すまじ
         /リットン「ポンペイ最後の日」中村詳一訳(大正12年)
    第12章 うっかり誤訳?意図的誤訳?
         /グリズマー「東への道」岩堂全智・中村剛久共訳(大正12年)
    第13章 発禁,伏せ字を乗り越えて
         /モオパッサン「美貌の友」広津和郎訳(大正13年)
    第14章 ノベライゼーションの草分け
         /ルルー原作,カーニー改作「オペラの怪人」石川俊彦訳(大正14年)

      著者自身も,二葉亭四迷,坪内逍遥,三遊亭円朝,尾崎紅葉,田山花袋,上田敏らを取り上げられなかったとしているが残念。それに森鴎外も。
     しかし、自ら翻訳者としての目線はなかなか。
     これに類似のもので、政治的な著作の翻訳史もあれば面白そうだ。

    〈鴻巣友季子〉1963年東京生まれ。翻訳家。お茶の水女子大学大学院在籍中より翻訳活動を開始。著書に「翻訳のココロ」など。

  • いや、すみません、借りたおれが悪かった。
    こういうのに興味ある人には面白いんじゃないかな。
    なんつうか、文章読本的なものは好きなのだけど、よく判りません。

  • 開国以来西洋に追いつけ追い越せという使命感から花開いた翻訳文化、朝ドラで話題の村岡花子がうまれた明治20年代は、ロシア文学の二葉亭四迷、ドイツ文学の森鷗外、英文学の森田思軒がそろい、若松賤子や小金井美恵子といった女性翻訳家の草分けも現れ、新しい文学の流れ、文体、翻訳方法などが登場した豊かな時代だった。14人14作品を紹介しながら、当時の翻訳の世界の状況や今も昔も変わらない翻訳家の喜怒哀楽や仕事ぶりに迫る楽しい一冊。

  • 記述は驚くほど浅いが、ただただ隔世の感に驚いているのも素直でよい。

  • 子どもの頃愛読していた世界文学全集の名作たちは実は原作そのものじゃなかったかもしれない…という不安が芽生えた。特に黒岩涙香先生は容赦ないことがわかった。

  • 開国、そして異文化の流入によって花ひらいた転換期・明治。現在の素地となる様々な出来事や潮流が生まれた明治文化の多様性をご紹介します。
    <閲覧係より>
    明治期の翻訳文学、殊に明治20年代はその革新の時代だった。訳者たちの欧米文学への憧れ、焦り、独自の解釈や使命感は、文面から飛び出してくるほどの気迫、情熱、思い入れとなってビシビシと伝わってくる。そんな名訳・怪訳の時代を現代の人気翻訳家が紹介します。
    -------------------------------------
    所在番号:新書||910.2||コウ
    資料番号:10172246
    -------------------------------------

  • さらっと読みました。おもしろかったのですが、かといって、本書に載っている明治大正時代の翻訳本をわざわざ読みたい、というほどのことでもありません。

  • 2005.10.20.初、並、帯なし
    2013.3.22.白子BF

  • 翻訳の初期のあれやこれやが、まとめて読めるし、読み易い。

    「日本文学(の言語)は最近まで、明治20年代にインストールした外国文学のソフトウェアでずっとやってきた」…という話がでてくるけれど、ナルホドと思いますね。

  • [ 内容 ]
    驚愕!感嘆!唖然!恐るべし、明治大正の翻訳界。
    『小公子』『鉄仮面』『復活』『フランダースの犬』『人形の家』『美貌の友』『オペラの怪人』…いまも読み継がれる名作はいかにして日本語となったのか。
    森田思軒の苦心から黒岩涙香の荒業まで、内田魯庵の熱意から若松賤子の身体感覚まで、島村抱月の見識から佐々木邦のいたずらまで、現代の人気翻訳家が秘密のワンダーランドに特別ご招待。

    [ 目次 ]
    近代の翻訳はこの「一字入魂」から出発する―ユゴー『探偵ユーベル』森田思軒訳(明治22年)
    訳文が生きるか死ぬかは会話文―バアネット『小公子』若松賤子訳(明治23~25年)
    超訳どころの騒ぎではない―ボアゴベイ『正史実歴鉄仮面』黒岩涙香訳述(明治25~26年)
    鴎外の陰に隠れはしたが―レルモントフ「浴泉記」小金井喜美子訳(明治25~27年
    すべては憧憬にはじまる―ゾラ『女優ナヽ』永井荷風編訳(明治36年)
    辛抱して読んでくれ!―トルストイ『復活』内田貢(魯庵)訳(明治38年)
    遠く離れた日本で出世―ウイダ『フランダースの犬』日高柿軒訳述(明治41年)
    原作はいったいどこに…?!―アンノウンマン『いたづら小僧日記』佐々木邦訳(明治42年)
    肉体を翻訳する舞台―イプセン『人形の家』島村抱月訳(明治43年)
    童話は初版だけが本物か―「模範家庭文庫」中島孤島他訳(大正4年)
    絶好の売り時を逃すまじ―リットン『ポンペイ最後の日』中村詳一訳(大正12年)
    うっかり誤訳?意図的誤訳?―グリズマー『東への道』岩堂全智・中村剛久共訳(大正12年)
    発禁、伏せ字を乗り越えて―モオパッサン『美貌の友』広津和郎訳(大正13年)
    ノベライゼーションの草分け―ルルー原作、カーニー改作『オペラの怪人』石川俊彦訳(大正14年)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 改めて<翻訳>という文学近代化の歴史に触れ、何かと興趣あり。

    目次を見ると。
     プロローグ/明治の翻訳ローリング・トウェンティーズ
    第1章  近代の翻訳はこの「一字入魂」から出発する
          /ユゴー「探偵ユーベル」森田思軒訳(明治22年)
    第2章 訳文が生きるか死ぬかは会話文
          /バアネット「小公子」若松賤子訳(明治23へ25年)
    第3章 超訳どころの騒ぎではない 
          /ボアゴベイ「鉄仮面」黒岩涙香訳述(明治25へ26年)
    第4章  鴎外の陰に隠れはしたが
          /レルモントフ「浴泉記」小金井喜美子訳(明治25へ27年)
    第5章 すべては憧憬にはじまる
          /ゾラ「女優ナナ」永井荷風訳(明治35年)
    第6章 辛抱して読んでくれ!
       /トルストイ「復活」内田魯庵(明治38年)
    第7章 遠く離れた日本で出世
          /ウイダ「フランダースの犬」日高柿軒訳述(明治41年)
    第8章 原作はいったいどこに・・?!
          /アンノウンマン「いたづら小僧日記」佐々木邦訳(明治42年)
    第9章肉体を翻訳する舞台
         /イプセン「人形の家」島村抱月訳(明治43年)
    第10章 童話は初版だけが本物か
         /「模範家庭文庫」中島孤島他訳(大正4年)
    第11章 絶好の売り時逃すまじ
         /リットン「ポンペイ最後の日」中村詳一訳(大正12年)
    第12章 うっかり誤訳?意図的誤訳?
         /グリズマー「東への道」岩堂全智・中村剛久共訳(大正12年)
    第13章 発禁,伏せ字を乗り越えて
         /モオパッサン「美貌の友」広津和郎訳(大正13年)
    第14章 ノベライゼーションの草分け
         /ルルー原作,カーニー改作「オペラの怪人」石川俊彦訳(大正14年)

      著者自身も,二葉亭四迷,坪内逍遥,三遊亭円朝,尾崎紅葉,田山花袋,上田敏らを取り上げられなかったとしているが、残念。それに森鴎外も。
     しかし、自ら翻訳者としての目線はなかなか。
     これに類似のもので、政治的な著作の翻訳史もあれば面白そうだ。

    〈鴻巣友季子〉1963年東京生まれ。翻訳家。お茶の水女子大学大学院在籍中より翻訳活動を開始。著書に「翻訳のココロ」など。

  • (図書館本)畑違いだけれど私も翻訳者。訳者の苦労を思うと同時に、幼い頃に慣れ親しんだ世界の諸名作の日本語版の原点に触れるようで感慨深さも。

  • 明治・大正時代の翻訳の裏話もろもろ語り、といった本。例えば、「鉄仮面」の仮面は鉄でできてはいなかった!とか煽ってあるけど、まあその作品自体知らないんだよなー。でも知ってたらもうめちゃめちゃ面白いと思う。というのも、あんまり想像でいい加減に書いたりしないで、面白い引用をたくさん出していて、文章も落ち着いていて、ユーモアも利いていて、いろいろ知らなくてもちゃんと読める本に仕上がっているからです。最近、岸本佐知子という唯一神を中心に翻訳家崇拝者になっているんだけど、鴻巣さんの文章もだいぶ気に入りました。ポプラ社のエッセイも読んでみたい。これ、知っている話だったら(っていうか現代作家バージョンはもう誰かがやっているんでしょうけど)、もっと楽しいのになあ。ここのところ、新潮新書は鉄板だと思う。去年の初めに読んだ新潮新書は結構ひどいのもあったけど、最近は読みやすくて刺激的な本が多くてよい。

全14件中 1 - 14件を表示

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)に関連する談話室の質問

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)を本棚に「積読」で登録しているひと

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)の作品紹介

驚愕!感嘆!唖然!恐るべし、明治大正の翻訳界。『小公子』『鉄仮面』『復活』『フランダースの犬』『人形の家』『美貌の友』『オペラの怪人』…いまも読み継がれる名作はいかにして日本語となったのか。森田思軒の苦心から黒岩涙香の荒業まで、内田魯庵の熱意から若松賎子の身体感覚まで、島村抱月の見識から佐々木邦のいたずらまで、現代の人気翻訳家が秘密のワンダーランドに特別ご招待。

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)はこんな本です

明治大正 翻訳ワンダーランド (新潮新書)のKindle版

ツイートする