図書館を使い倒す!: ネットではできない資料探しの「技」と「コツ」 (新潮新書 140)
- 新潮社 (2005年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106101403
作品紹介・あらすじ
「ネットにはありませんでした」。この程度で調べものをしたつもりになってはいないだろうか?北朝鮮の詳細な経済事情は?非公開の行政資料を手に入れるには?地元の近代化に尽くした偉人は?GoogleやYahoo!ではけっして探せない価値ある資料が眠っているのが、実は図書館なのだ。「週刊ダイヤモンド」記者として資料探しに精通する著者ならではの、ビジネスツールである図書館を使い倒すための「技」と「コツ」。
感想・レビュー・書評
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◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA73821690 -
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大学図書館、特に国立大学図書館も充分使える存在である。税金で成り立つ国立大学だから当然といえば当然だが、二〇〇四年度からすべての国立大学は、何らかの形で図館を一般に開放している。すべてではないが私立大学にも地域住民に公開がある。さすがに貸し出しをしているところは多くはないが、二〇〇三年座四書館全体の資料購入費は二二四億円で、公共図書館の購入費三三四億上である。蔵書数も膨大だ。なにも流行小説を大量に買っているわけではない。予算が多いのは学術論文が掲載された、いわゆるジャーナルを大量に購入しているからである。門的な文献や学問に関する専門書籍を必要とするならば、まず国立大学に直置されている学部の専門に関わる本ならば当然、豊富な所蔵を期待できる圏であれば経済・経営ならば一橋大学、芸術関係ならば東京芸術大学、語学ならば東京外国語大学など、大学の専門性での使い分けをするのが使うコツである。
図書館の本を書くことは勇気のいることである。図書館学を専門にする学者が「図書館とはなにか」を教える大学がたくさんあり、図書館で働いているプロが何万人もいる。図書館を使う側からのみ観察しているので、図書館の裏側や本質など知りうる立場にすらない。私には想像も付かない知恵がまだまだ眠っているはずである。ただし、誰かが厚かましくも、使い手として批評をしない限り、図書館は新たな展開の手がかりを得られないのではないか。ネット社会の時代になって情報の流通経路や質が大きく変わり、図書館の役割が見直されている今ならなおさらだろう。そう考えたからこそ、多少は勇気が必要な作業も進められたと考えている。 -
期待はずれだったが、ネットで調べられないので無理は過去も現在も理由ならない。
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図書館の利用方法を知りたい人向け
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ざっと読んだ。
がっつりと深く調べ物をする、学者や記者などプロへ向けた図書館指南書だった。
地方について調べたいのならば、その土地の図書館で調べるのが一番。調べたい人物の出身地へ出向くのもいい -
350円購入2006-11-11
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●図書館での調べ事の鉄則は、「あいまいに探し、鋭く手に入れる」と著者は語る。「あいまいに棚を眺めることで、資料の全体像をつかむことができ、何を調べたらいいのかという道筋が見えてくる」ということだが、確かに思い返してみると、どんな本があるのかわからないときは自然とやっていた。
●結局のところ、どうやって知りたいことを調べればいいのかを知るということが大事なわけだが、その調べ方に言及したものってあまり見たことなかったので、参考になるところはあった。 -
新書ですが新たな発見があるやも
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週刊ダイヤモンドの記者が実践している「調べ物のコツ」。
まず、書棚を眺めて「なんとなく」情報を集める。調べるべき人物や事柄がわからない時に有効。
文書館
ぶんしょかん→近代以降の資料収集機関
もんじょかん→近世以前まで含む資料を扱う
国立国会図書館 http://www.ndl.go.jp/
「テーマ別調べ方案内」 https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/
国立情報学研究所 ウェブキャット・プラスhttp://webcatplus.nii.ac.jp/
福岡市総合図書館 「レファレンスだより」 http://toshokan.city.fukuoka.lg.jp/
東京都都立図書館 http://www.library.metro.tokyo.jp/
「しらべま専科」
レファレンスクラブ http://www.reference-net.jp/
大宅壮一文庫 http://www.oya-bunko.or.jp/
環境省図書館
厚生労働省図書館
国土交通省図書館
経済産業省図書館
総務省統計局図書館 http://www.stat.go.jp/library/2.htm
農林水産省図書館
文部科学省図書館
NHKアーカイブスhttp://www.nhk.or.jp/archives/
放送ライブラリーhttp://www.bpcj.or.jp/
司書の手法
1 いかに参考図書を見つけるか。
『日本の参考図書』
2 調査を多面的に進める。
調査の展開の発想法としての6つの方向。
①絞る より具体的なキーワードで調べる
②広げる いったん広い概念の言葉で調べる
③射抜く 必要な言葉をダイレクトに調べる
④たどる 類似する情報に調査範囲を移動する
⑤視点の変更 日本史ではなく美術史を調べるなど、違う面から調査する
⑥媒体の変更 紙媒体からインターネットやCD-ROMなど、違うメディアで調べる
「現代の図書館 2003年9月号」浅野高史
『人事興信録』
『現代日本人名録』
『著作権台帳』
『日本紳士録』
『全国高額納税者名簿』
『都区政人名鑑』
目次
はじめに
序章 なぜ「図書館」に調べたいものがあるのか
第一章 資料は足で探せ 資料は地元に眠っている
【使い倒しテクニック】
合併を拒否し続ける街の絶頂と落日を検証する/映画「LOVE LETTER]のヒットで押し寄せた観光客数を把握する/地元の近代化に尽くした偉人を調べる
【使い倒しの知識】
使いやすい図書館の三条件/無駄足防止のためのネット利用/所蔵データベース検索のコツ
コラム 郷土百科事典の大ブーム
第二章 資料探しのプロに学べ 資料は棚に眠っている
【使い倒しテクニック】
専門図書館に眠っていた北朝鮮資料/大学の研究室でやっとたどり着けた調査資料
コラム なぞの社訓「水五訓」の作者を探す
【使い倒しの知識】
ぼんやり棚を眺めるという技術/レファレンスをうまく使う技術/プロの探し方に学べ
第三章 行政資料を手に入れろ 資料は役所に眠っている
【使い倒しテクニック】
非公開データ「大学の入学者数」を調べる/次々に廃棄される行政文書を追いかける/ありそうでない「国会議席案内図」を入手する
【使い倒しの知識】
情報公開請求をフル活用せよ
第四章 消えゆく資料を探せ 資料は時間の向こうに眠っている
【使い倒しテクニック】
破綻プロジェクトの立案資料を探す/何の変哲もない建物の写真を手に入れる 伊勢神宮 赤福の四階建てのビル このエピソード好き/雑誌記事から過去のブームを検証する
【使い倒しの知識】
国立国会図書館・支部図書館も使いよう/貴重な参考資料が消えていく
コラム 図書館建築概要もレッドデータ?
第五章 全国お薦め図書館ガイド
公共図書館
東京都立中央図書館/福岡市総合図書館/豊田市中央図書館/主要都市の公共図書館
専門図書館・行政情報ルーム
東京商工会議所経済資料センター/アジア経済研究所図書館/日本新聞博物館新聞ライブラリー/都民情報ルーム/日本交通公社旅の図書館/証券図書館・証券情報室/神奈川県立川崎図書館
大学図書館
東京大学総合図書館/北陸先端科学技術大学院大学付属図書館/千代田区民が使える大学図書館リスト
議会図書館
終章 図書館にクレームをつける
おわりに
主要参考文献