伊勢発見 (新潮新書 189)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106101892

作品紹介・あらすじ

千七百年を経てなんら変らぬ風景がここにはある-。古来、日本人は伊勢へ伊勢へと向かった。しかし、この日本の聖地はよく知られているようで、実は多くの謎が秘められている。神宮の由来とは。二十年に一度の式年遷宮とは。「おかげ参り」とは。熊野との関係とは。…著者は繰り返し神宮に詣で、周辺の町を歩き、さらには熊野古道に足を伸ばし、伊勢の秘密をスリリングに次々と解き明かしていく。

感想・レビュー・書評

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  • 紀行・史実・神話など様々な角度から、伊勢(と熊野)を語っているエッセイ。直接伊勢に関しない部分もあったりして、ちょっと雑然とした感じ。伊勢が嫌いになるわけではないが、軽い読書とするには、読みにくかった。

  • 「何事のおはしますをば知らねどもかたじけなさの涙こぼるる」と、大河ドラマで先週世捨て人となった西行も、理屈を超える感動をおぼえたという伊勢。

    内宮入口の宇治橋から真っすぐにみえる原風景は、千年以上も変わらないまま。そして樹齢何百年の木々を見上げたときに、風がゴウゴウと鳴り響く様は、まるで神々がすぐそこにいるかのようであった。ホントに。

    るるぶ読んでお伊勢さんに行くよりも、断然この本のほうが役立つ。熊野古道にも行ってみたい、いつか。

  • お伊勢参りに行くので、その前に少し知識を入れておこうと思って読みました。
    伊勢神宮にまつわる歴史や神話などが書かれていて、読んでおいてよかったです。

  • 幼い頃によく行ったのでありがたみというものはあまり無く、普通の神社とおんなじ様な扱いだったのだが、すごさ、特異性を感じた
    機会を作って伊勢神宮、熊の古道をたずねたいと思う

  • ちょうど「伊勢神宮と神々の美術」展をみてきたところなので、記憶の確かなうちに定着をと思って、本を読む。
    陽の伊勢神宮と陰の熊野について書かれていて、非常に興味深かったです。

    P139-140は必読。

    「信不信をえらばず、浄不浄をきらわず」
    生理も不浄とされ、伊勢神宮は御参りできないけれど、熊野には不浄をきらうという発想がなく、熊野権現がお参りせずに引き返そうとした和泉式部の夢に現れて、御参りしておいき、っていう主旨の歌を読まれたわけです。
    小栗判官の物語にあるように、世の中から疎まれた人々も受け入れ、救った。(そこにたどり着くまでに多くの人が手を差し伸べていること自体が救いではないだろうか?)

    「穢れを極端に嫌い、新鮮な命の甦りを至上の価値とした伊勢とは、ここのところが対照的だ。伊勢があったから熊野が成立し、隣で熊野が繁栄したからこそ、伊勢の純粋主義が歴史の中で存在しつづけることができたと思える。伊勢と熊野は相互に補いあう関係であったのだ」

    立願をしてかなったら、必ず「願ほどき」をすること。ちょっと胸にチクッとしました。御参りに一度いって満足せず、何度も通い、幾度も思い出すからこそ、神様はわたしたちを守ってくださるのだから。

    伊勢もいいですが、熊野にも行きたいなーと思いました。

  • 伊勢にあるものを紹介する、ガイドブックではない。
    伊勢、熊野を旅しながら、歴史をひもときつつ、伊勢、熊野を知ることができる本だ。

    伊勢のすばらしさ満載。熊野は伊勢の対極であることも知れて、知識が増えた。
    三重県出身としては、伊勢、熊野を誇りたい。

    2008年03月11日読了。

  • 私の生まれ故郷の伊勢に関する本。だからついつい読みたくなりました。ただ、日本史やら神話やら地理やらの知識がないと分かりづらいかも。私も知識がある部分とない部分ではだいぶ理解度が違っています。興味のある人は是非……伊勢に来てください(笑)三重は良い所です。

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著者プロフィール

1947年栃木県生まれ。早稲田大学政経学部卒。在学中に文学作品「自転車」で第1回早稲田文学新人賞を受賞。卒業後、さまざまな職歴を経て帰郷して宇都宮市役所に勤務。79年から文筆活動に専念。80年「遠雷」で第2回野間文芸新人賞、93年「卵洗い」で第8回坪田譲治文学賞、97年「毒ー風聞・田中正造」で第51回毎日出版文化賞を受賞。2010年2月逝去。

「2023年 『すらすら読める奥の細道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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