新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)

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著者 : 河内孝
  • 新潮社 (2007年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102059

新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 著者は毎日新聞社で記者からスタートし、社長室室長、常務取締役を歴任した人物。新聞社経営が崖っぷちであることを認識しながら、新聞再生を模索。業界は違っても・・と明日はわが業界もを感じさせる本。

  •  その冒頭部分を読み始めて、びっくり仰天した。

     新聞社という企業は、販売店に対する配達手数料や広告代理店に対する取扱手数料、さらに部数拡張のために販売店につぎ込む販売報奨金やらで、実に売上の45%を持って行かれるというのだ。さらに、(これは本書とは無関係の新聞社に勤める友人の話であるが)新聞社の売り上げの20%を、新聞用紙代が占めるのだそうだ。 つまり、新聞販売にかかるいわば原価が、売り上げの実に65%を占める。会社の建物の維持費や取材にかかる経費、そして最も大切な社員の給料は、残る35%から捻出しなくてはならない。

     何たる高コスト体質だ・・・と思ってしまう。

  • 新聞社の押し紙問題は非常に根深い。また、押し紙に関わる新聞本社と販売店の間のやり取りもなかなかに複雑だ。販売店は新聞代収入を一旦本社に納め、そこから販売手数料と販売奨励金を受け取る。販売奨励金は基数により変動があり、戦略的に実質原価ゼロとなるような奨励金を出す場合もある。(ただし、2013年現在では、単純な基数制度は見直されているようだ)

    本書は2007年の発刊であり、5年経過後の現在どうなっているのか、追跡確認が必要。

  • 2007年3月初版の古い本だが、なかなか刺激的だった。2013年の今、新聞社は大して変化していないように見える。しかし確実に「新聞社を見る目」は変わっており、傘下の放送事業と併せて斜陽産業と見做され、経営は展望を失っている。そして彼らの記事はますます実態からの乖離してしまい、批判や嘲笑を受けて、記者は希望を失いつつあるように見える。

  • 元 毎日新聞の役員。
    新聞社と販売店の泥々な関係図、新聞社の今後について、自身の意見で書かれている。特に、読売と朝日に続く第三局を業務提携で作るべき、との持論は面白かった。
    新聞社は瀬戸際の状態。消費税UPで破綻もありうる中、船頭は必死で安全な岸に船を付けようとしているが、船の中は花見酒の宴会が続く現状を描いている。

  • 先輩記者の、新聞社の経済面を学べという言葉を何となく覚えてたけど、そういう本。毎日新聞にずっといた著者の視点から。面白かった。部数に纏わる話だとか、知らないことが多かった。結論については自分の考えとは違った。ただこれ読んだ上で先日の、夕刊に関する議論を思い出しても、こちらの主張は、あり得ない論説では全くなかった、と思うのだけど…。

  • 解決策は過激な感じがしましたが、内容としてはわかりやすいし、入門書としてはとてもいいのではないかと思います。新聞ってここまでやばいのね… 本当に変わるならいまだろうと思わされました。

  • メディアとしての新聞が、かつての影響力を失って久しい。
    今日では、テレビやインターネットなどの新興メディアが台頭したことで、新聞は「無くては困るもの」ではなくなった。しかし、この現状を新聞社は正確に把握できているのであろうか。元毎日新聞の常務取締役を務めた著者の答えは「No」である。

    本書は、新聞の言論機能ではなく、あくまで「産業としての新聞の現在」(p.4)を論じることを目的としている。特に、新聞社の販売制度やテレビ局との関係を分析対象として、これらのビジネスモデルは既に「破綻」していると批判する。例えば、現在の新聞社は、その販売経費が四〇~五〇%を占める「相当なコスト高体質」(p.19)に陥っている。この背景には、部数の増加による広告収入の増益を以って、そのコストをカバーするというビジネスモデルがある。しかし、新興メディアが台頭する今日では、部数の増加は必ずしも広告収入の増益に繋がらなくなった。もはや、このビジネスモデルは「破綻」しており、それどころか様々な歪(「押し紙」問題など)を生じさせていると指摘する。

    著者は、今日の新聞界の最大の問題は「過剰な部数至上主義と過当競争体質である」(p.165)と力説する。既にオールド・メディアとなった新聞にとって、言論機能とビジネスモデル-この両輪の改革は遅かれ早かれ不可避となることは明らかである。一般的には、前者の問題点が注目されがちであるが、後者の問題点を簡潔にまとめた一冊として、本書は勉強になった。

    ただ、この破綻したビジネスモデルに代わる新しいビジネスモデルを構築することは並大抵のことではない。本書でも、著者の改革案が提示されているが、これはあまり説得的ではない。今後、新聞社はどのようにして生き残っていくのか、あるいは、生き残る必要はないのか・・・。この問題はまだまだ議論の余地がありそうである。

  •  敢えて穿った見方をする。

     毎日新聞を生き残らせるために、有力なブロック紙や地方紙と手を携えるふりをして、それらに犠牲になってもらおうと毎日新聞OBが唱えている本、という程度の印象しかない。

     北海道で暮らす分には毎日新聞の存在理由すら分からんが。讀賣でなく朝日でなく、毎日を、それも単独で購読している世帯がどれだけあるものか。

  • 著者は元毎日新聞の常務である。本書を読むと新聞社も綺麗事をいっても所詮ビジネスという事がわかる。決して公正ではないし欠点も多いのだが、民主主義のためにはなくてはならない。読者としては割り切って活用する事が求められるであろう。もちろん単なる内幕ものとしても十分に楽しめる本である。

  • 何のかんのとまとまった時間が取れず読むのに結構時間がかかってしまいました。読み終わりました。

    新聞、と言う情報媒体の現状と生き残り策の提示が具体的に説かれています。自分は父の仕事が新聞社と言う事もあり、同年代の人よりは新聞に関心があるほうだと思うのですが知らない事だらけでびっくりです。ただ確かに今の時代欲しい情報はネットですぐに検索でき、テレビをつければ最新ニュースは報道されている中で新聞が果たす役割とはなんだろうな、と思ったことはあります。

    大学時代、アメリカの教授が講義の中で新聞を取る人は既にニュースはテレビ・ラジオでそのニュース概要を把握している。それでも新聞を読むのは活字として認識することによってそのニュースが事実であることを再確認するのだ、と言うようなことを言っていました。その時はああ、そうだな、テレビのニュースはまだ100%の信頼度を得ていないのかな、と納得したのですが。それから10年。時代は変わりました。今の時代、活字で読むニュースもテレビもネットも信頼度はさほど変わらないと思うのです。実際問題、自分の友人も新聞取っている人ってどれくらいいるのかな?正直自分も一人暮らしで新聞を取るか?と言われたら考えてしまいますし。(実際新聞を読む時間が無い。電車通勤なら違うのかもしれませんが車通勤だとちょっと無理。新聞読むために早起きするのは…)それでもやっぱり自分は新聞を取るとは思うのですが。(個人的にはやっぱりきちんと読まなくては、と思ってはいます。)自分で読みたい記事だけ選んで読むネットでのニュースだとどうしても偏りが出てしまうので。とは言えあまり世間の動向を知らないですごしていることばかりなのですが…

    色々と企業間の関連など知らない事が多くてへえ、と感心したり、そうなんだ、と驚いたり。面白かったです。

  • 「社会の公器」も利益が出なきゃ元も子もない。経営面からの分析もいいが、やはり新聞は紙面の内容があってこそ…ではないのだろうか。

  • 2009年末の冬季休みは、新聞社の経営についての新書を読み漁った。
    新聞社出身の著者の指摘は説得力を感じた。

  • [ 内容 ]
    新聞という産業は今、様々な危機に直面している。
    止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し-そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。
    いったい新聞は大丈夫なのか。
    生き残る方策はあるのか。
    元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

    [ 目次 ]
    第1章 新聞の危機、その諸相(朝日と読売の「共闘宣言」 異常な販売コスト ほか)
    第2章 部数至上主義の虚妄(新聞は「あちら側」 言論と企業活動のギャップ ほか)
    第3章 新聞と放送、メディアの独占(相次いだメディアの「不祥事」 空文化した「放送政策の憲法」 ほか)
    第4章 新聞の再生はあるのか(産経新聞の実験-夕刊廃止と低価格 携帯電話と読者の高齢・無職化 ほか)
    第5章 IT社会と新聞の未来図(新聞版のロングテール ポータルサイト争いで完敗 ほか)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • iPhoneで産経、日経を読む。『紙』の新聞はほとんど読まない。『紙』である必要もない。

  • 天下を誇るビジネスモデルが壊れようとしている。確かに考えてみればおかしい部分はたくさんある。
    新聞社が今危機的状況にあるのは間違いない。読者への信頼を誇る分、経営も健全であってほしいものだ。

  • もと毎日新聞社社員により分かりやすい内容。丁寧な数値データを添付している点がすばらしい。

  • 「新聞再生」に続いて、学環報道班のためのお勉強として。
    「新聞再生」とは違い、業界全体の抱える問題について書かれている。
    3年前の本なので、取り巻く状況については少々古い感はあるが、
    業界の内部構造についてはとても勉強になる。
    (特に冒頭の産業構造図は分かりやすく、全体の話を理解するうえで必須。)
    部数至上主義という考えを支えるための、再販制度や特殊指定、世界に類を見ない強力な戸別配送網などが抱える問題点について。放送支配の流れや影響について。
    一番受けた強く印象は、「ほとんど非上場だから、数字に信憑性がないんだなあ」ということ。信頼のおけるデータが全然ないんだなあ、と感じた。

  • ジャーナリズム論ではなく、ビジネスとしての新聞社論。著者は06年まで毎日新聞社常務取締役(営業・総合メディア担当)を務めた河内孝氏。上場企業ではない新聞社の経営はブラックボックスになっており、経営側の人間からの著書というのは珍しい。

    新聞産業は転換期を迎えている。部数減、広告収入の落ち込み、消費税、特殊指定の見直し。同書ではテレビと新聞社の関係、最近、裁判にもなっている「押し紙」(新聞社が販売店に必要以上の新聞を押し売りすること)など、新聞社の暗部に言及。これらは新聞では語られない部分である。

    河内氏は諸悪の根源は今や常軌を逸した「発行部数至上主義」と断じる。過当競争、編集工程を含めた生産や流通面の非合理性を改善することが「生き残り」の最低条件で、再生策としては読売・朝日に対抗する第三極を作って、過当競争を正常化し、設備、人員の合理化を図るべきだ、と主張する。

    同書が発行されたのは07年2月。その後、読売、朝日、それに日経の3社は同年10月、1)インターネット事業、2)販売網、3)災害時の協力体制を約束した「ANY連合」を発表。さらに、今秋には読売と朝日はさらに相互印刷、共同輸送などで基本合意した。著者は「勝ち組」3社の連合を想定して、提言を急いだのかもしれない。

    昨今、新聞を購読する人は減った。たいていのニュースはインターネット、携帯電話で知ることができるからだ。しかし、新聞がなくなったら、当然、ネットや携帯で見ることはできないことも忘れてはいけない。

    新聞社の経営には問題があるのは確かだ。しかし、新聞はなくなっていいものではない。表現の自由、多様な言論を守るためには、多くのメディアが切磋琢磨することが望ましい。新聞の危機は実はひとつの業界の危機ではなく、国民全体の危機である。もちろん、何よりも急がれるのは新聞社の経営改善である。

  • 新聞社が抱える問題を網羅的に解説した本です。この業界をざっと把握するのに役立ちました。人口減を前に新聞(を印刷して配達する)業界はどう考えても縮小産業状態。あと数年で、新聞記者が原稿を書いて、読者はネットで読む時代がくるでしょう

    その意味では新聞記者業界(執筆業界)はなくならないわけで、中間コストが減った分、広告費減少でもやっていけるような気がします。でもその場合、新聞記者の性格、位置付けも変わってるでしょう。

    夕刊はもういらないな。

  • 平成22年7月1日読了。

  • 参考になるところもあったが、ちょっと違うだろ、というところもあった。
    今となっては当たり前のことばかり(2010.6)

  • 個別配送ができることが最大の強みというのは確かにと
    思うが、テレビですら広告価値を認めにくくなっている
    世の中で、どのように事業拡大の道筋を作っていくのだろう。

    活字離れと言われて久しいが、別にそのために新聞を
    読まなくなっているわけではなく、ネットでは無料でニュースを
    読めるし、テレビでは元々無料で垂れ流している状況。

    如何に買ってもらえる新聞を作るか?読み手の視点に
    立って考え直す必要がある。
    iPadブームにより、新聞のあり方はもう一度大きく変革すると
    思われるが、個別配送を強みとするのであれば、本当に
    その価値を活かす企画を考え出す必要があるでしょう。

    夕刊はもちろん不要だけど、欲しい情報をタイムリーに
    届けてくれるのであれば、ニーズはあるはず。
    コストセービングしたいという気持ちが強まっている
    世の中で、価格コンシャスな人の気持ちを動かす
    サービスを提供されることを期待します。

    今のままでは新聞社は絶対に生き残れないでしょう。

  • どんだけ時代遅れなビジネスモデルやってんだ,っていうおはなし。

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新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書)の作品紹介

新聞という産業は今、様々な危機に直面している。止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し-そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。いったい新聞は大丈夫なのか。生き残る方策はあるのか。元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

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