売れないのは誰のせい?: 最新マーケティング入門 (新潮新書 220)
- 新潮社 (2007年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106102202
作品紹介・あらすじ
「買って下さい!」と連呼すれば売れるというものではない。「高いから買うな」というコピーが当たることもある。モノを売るのは難しい。「売るための知恵」の集積、それがマーケティングである。「午後の紅茶」と京風キムチからブランドの正体を掴み、スーパーの腕利き店員と自虐CMから効果的な売り文句のメカニズムを知る。読めば仕事に役立つヒントが必ず得られる、すべての働いている人のためのマーケティング入門。
感想・レビュー・書評
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■目次
序章 二つの「買ってください」
第1章 市場にingをつける発想
第2章 ブランドは魔法の杖か
第3章 急増した「日本人の種類」
第4章 ああ言えばこう買う?
第5章 テレビは本当に強いのか
終章 他者を知るということ
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2007年に発刊の本書はテレビ広告の衰退に力点が置かれており、次代の広告を展望する内容ではない。
「マーケティングにおいて大事なのは他者を知ろうとすること」としながら「物が心を豊かにする」というバブル時代の価値観に拘泥するのは自己矛盾ではないか。「他者をわかる」のは難しい。多民族国家では尚更だ。だから、アメリカでマーケティングが発展したのだろう。
そして著者は、テレビ朝日の広瀬社長を自己矛盾と批判する。かつて朝日新聞の記者として政党の既得権を糾弾したにも関わらず、社長としてテレビ朝日の既得権を守ろうとするのか、という批判である。しかし、著者はここ10年ほどは新規の出版がない。マーケティングを語る著者が自身のマーケティングには失敗したのではないか。
広告にはそもそも、プッシュ型とプル型の2種類がある。消費者にプッシュする広告は安価な商品において有効であり、消費者がプルする広告はインターネット検索などが当てはまる。検索のときにカギになるのは企業ブランドで、ゆえに企業はイメージ戦略が大事になる。
マーケティングとは社会の動向を知ることであるが、時流を読むのは難しい。マーケティングというステージの登場人物もまた自流とともに入れ替わる。翻って、時間の淘汰に耐えたマーケティングの名著の凄さもまたよくわかる。 -
釣られる消費者
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流し読み
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いわゆるマーケティングの教科書は面白くないものが多いが、これは知っている事例が多く取り上げられて面白い。
学術的な意味は薄いのかも知れないが、本当に知りたかったのはこういうことだった。
マーケティングに学術もへったくれも無いのだろうが、経営学系からの評価は低そう。 -
2014/7/12 意味のある広告は存在する。どう作るかはマニュアルはないし、保証はできない。しかし、webならやりようがあるんじゃないか。進むべき道は間違えてないはず。
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売るためには?
→多くの人の記憶検索結果でヒットされやすいポジションを獲得すべき
ブランド展開においては量の拡大を優先しない
消費者の行動には、情報受動型と情報検索型がある
マーケティングの原点は他社を知ること -
特に最後のほうの記述、「心の豊かさ」を強調し物質的な豊かさを否定しがちな風潮に対する異議申し立ては、心から同意する。
物質的な豊かさを否定する人は、「心か物か」という誤った二者択一に陥ってしまってるんだ。僕はむしろ、心を豊かにする必要条件として、物の豊かさがあるように感じている。
あとは、机上の空論ではなく、実例に基づいて現代のマーケティング動向を記述している点もよい。いろいろ示唆に富んだ一冊。