- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106102608
作品紹介・あらすじ
「人事が適当すぎて話にならない」「組織のシステムがコロコロ変るだけで、何も好転しない」-。会社員ならば誰もが一度は感じたことがある理不尽。諸悪の根源は、思いつきで新しい制度に飛びついたトップたちだった。成果主義、三六〇度評価、フラット型組織、ボトムアップ主義は、企業を蝕む「新型ウィルス」なのである。真に日本に適合したシステムとは何か。『御社の営業がダメな理由』に続く全企業人必読の一冊。
感想・レビュー・書評
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少し前の本ですが舶来的なビジネス案におけるデメリットが端的にまとまっています。
年功序列という旧態依然な体質の方が実は日本向きであるという点は面白いアプローチだと思いました。
会社によって判断は分かれますが、メリットとデメリットを比較の上でコンサルする上で役立ちます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカとの比較では賛同しかねる部分はあるが、成果主義への解釈は共感できることが多く、的を得ていると思う。組織とはどうあるべきか、その中で人はどうあるべきかという疑問に対して一つの側面を与えてくれる
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御社のトップがダメな理由 (新潮新書)
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一時、持て囃された日本型経営だがバブル崩壊やリーマンショックを経験し、一気に自身を失った日本企業。以後、海外から持ち込まれた「実力主義・成果主義」、「三六〇度評価」、「フラット型組織」、「ボトムアップ主義」を見よう見まねで自社に取り入れたが目立った成果が挙げられなく、逆に今まで以上に売上・利益を減らしてしまった日本企業。そんな日本企業の経営者に対し、耳が痛くなる様な内容の本ではないでしょうか。”自分の勤めている会社の社長に読んでもらいたい”って人がいるかも!?
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転職するときには前の会社と比較しない。なんでもかんでも前の会社と比較していたら、転職なんてできない。
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う~ん、成果主義や360度評価がダメダメなのは同意だが、その理由がこじつけすぎないか?そんなに社内の派閥抗争ってどこにでもあることなのか?よくわからん。
ただしフラット型組織で後継が育たない、ボトムアップで無責任経営、ホワイトカラーの生産性はオフィスデザインで決まる、というのはその通り。また社長たるもの’明日’を考えることが仕事であり、いちいち今日の現場に首を突っ込むな、というのも同意。うちの社長にも聞かせてやりたい。 -
・人間関係 会社⇒ストロングタイズ 学生時代の友人等⇒ウィークタイズ ストロングタイズばかりに頼った生き方は多角的な生き方ができず、結果痛烈な判断ミスをする。ストロングタイズはローカルルールな人間関係。
・「実力主義」「成果主義」は給与制度改訂の大義名分。
・「年功序列人事」は人事を牛耳ろうとする者にとってのブレーキとなっている。
・舶来の「実力主義」を導入しなくても、日本は過去から本当の「実力主義」を持っていた。
・中途半端な「360度評価」は百害あって一利なし。
パレート「優秀2・普通8・不良6」の法則。
・「フラット型組織」は中間マネージャーが育たない。※かつての中内功氏のダイエーは「フラット型組織」の良い面と悪い面があった。
・「フラット型組織」は知力・体力とも優れたトップが40年も50年も、組織全体を目を行き届かせて、各所に方向性を決めて細かい部分まで指揮をする最も効率的な組織⇒不可能
・次の世代が育たない組織に明日はない。
・多数決は果たして良いのか?
・多数決は多数が賛成⇒個人に責任が伴わない。
・「サイバーカスケード」⇒インターネット上の小さな情報が発端となり、数段階経た後、ついに多数が雪崩を打ってその情報を信じるに至るプロセス。
・「100人のうち99人に褒めらるるは、善きものにあらず。」
・「実力主義」⇒手元に優秀な部下を囲い込む。
・幹部候補生はやはり、異動によって企業の持つ幾つかのフェイズを経験させること。
・所属長が被るであろう不利益を一切無視し、教育的な観点から積極的な異動を行うためには、どうしても横から口を挟まれない程度に独立し、権限をもった人事部が必要である。
・この人事部の仕事は社内の優秀な人材を定期的に異動させて経験値を積ませ、少しずつレベルアップさせて、ピラミッド組織の頂点に向かってお仕上げていく作業である。
・ピラミッドの一面だけを駆け上った人材と、それぞれの面を経験した人材は、中間管理職をやっている時代は大きな差はない。しかし、もう少し上に上り役員以上となったときは柔軟な発送や視野の広さで圧倒的に開きが出る。
・異動は肥やし、リーダー資質養成に深みを与える。 -
この著者の本もこれで3冊目。この人の考えていることがなんとなく分かるようになってきた。
この本での主張は、海外から入ってきた色々な人事システムが日本企業で取り入れられているけど、そのシステムが思わぬ弊害を生み出しているというもの。また、本の趣旨からは少しズレている気がするけど、「私語」の弊害についてもけっこう詳しく書いている。日本企業の生産性の低さの背景には私語の多さがあるという指摘にはビックリしたけど、あり得る話かも知れない。
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組織はどうあるべきか?
→安易な仕組みの導入はうまくいかない。企業風土とのマッチングを考える必要がある。
その上でトップは適切な意思決定を行う -
なかなか挑戦的なタイトルの本だが、内容はといえば、バブル崩壊後、日本の多くの会社が採用した人事制度(成果主義、360度評価、フラット型組織、ボトムアップ主義)などがいかに日本をダメにし
たかを説いている。
成果主義とは、その美名とは裏腹に、実態はバブル崩壊により日本企業が今までの人事制度(終身雇用、年功序列)を維持できなくなり、合理的に社員の給料を減らすために採用されたことは有名だが、本書ではそれ以外にも、人事を意図的に動かしやすくする制度だという。
つまり、野心的で理屈付けの上手な人ほど、実力主義を利用してのし上がれると指摘する。
他方、日本の会社組織のダメを排除するためには、「年功序列」を復活し、そのうえで部分的に手直しすることが必要と説く。
ただ、この点やや説明不足で、バブル崩壊後の人事制度の欠点の指摘には頁数を割いているが、その代案の提案が貧弱なのが残念。