ビッグプロジェクト: その成功と失敗の研究 (新潮新書 263)

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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102639

作品紹介・あらすじ

奈良の大仏、姫路城、黒四ダム、東海道新幹線-。古代から現代に至るまで、科学技術と人類の英知を結集して成功を収めたビッグプロジェクトには、いずれも共通の要因があった。そして、「もんじゅ」や「チャレンジャー」の事故のように、重大な失敗が起きた場合にも…。自らも「核融合研究」というビッグプロジェクトを率いてきた二人の科学者が描く、「科学と人間と社会」の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 今やプロジェクト形式で仕事をするのも多くなり、管理方法など体系化されてきているが、ずっと昔から業界横断もしくは国をあげてレベルのビッグプロジェクトがどのように行われていたのかを知るだけでも大変貴重。成功に必要なのは魅力と迫力と実力。そんなプロジェクトに関わってみたい。

  • 時代の要請、強力なリーダーシップ、高度な技術…つまり、魅力・迫力・実力の3つをビッグプロジェクト成功の条件とし、古今東西の事例を紹介している。成功例だけでなく、失敗例も拾っているのが良い。
    琵琶湖疏水、黒四ダム、奈良の大仏、姫路城、マンハッタン計画、アポロ計画、東海道新幹線、コンコルド、JET、LHD大型ヘリカル装置、LHC、SSC、スペースシャトル、もんじゅ
    。誰でも知るものもあれば、初めて知ったものもある。
    ジャーナリストではなく、前線から退いた科学者2人の筆によるもので、科学技術が社会に与えた影響が科学者視点で比較的ポジティブに吐露される。2人は原子力エネルギーの研究者で、専門は核分裂でなく核融合だが、2011年以降の発言であれば、多少トーンが変わっていたであろか。

  • 本書は奈良の大仏から核融合までのビッグプロジェクトについて、成功と失敗を論じているが、新書という事もあって、広く浅い内容となっている。本書をきっかけに、より詳しい本を読むと楽しいかも知れない。普段なじみの無い核融合や物理学の項目はよくわからないけど面白かったです。

  • 奈良の大仏から素粒子論まで、時代が生み出した国家的大事業の成功と失敗。奈良の大仏や東海道新幹線、チャレンジャーやもんじゅの事故など、その具体例を挙げていく。成功例には、筆者が挙げる『大事業成功の「必須の条件」』の3つが当てはまっていています。
    成功と失敗の例として、「時代のニーズ」をキーワードに明暗が分かれた「東海道新幹線」と「コンコルド」の対比が面白かったです。

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著者プロフィール

学校法人中部大学理事長/中部大学総長、ロシア科学アカデミー名誉博士
京都大学名誉教授、核融合科学研究所名誉教授、総合研究大学院名誉教授。中部ESD拠点代表。瑞宝中綬章受章。米国プリンストン大学プラズマ物理学研究所客員研究員、英国原子力局カラム研究所研究員、慶應義塾大学工学部助教授、京都大学工学部教授・ヘリオトロン核融合研究センター長、文部省核融合科学研究所初代所長を経て、中部大学長、プラズマ・核融合学会会長、文部科学省国立大学法人評価委員などを歴任。著書に『核融合入門――高温プラズマの閉じ込め(増補版)』(共著、共立出版)、『ビッグプロジェクト――その成功と失敗の研究』(共著、新潮新書)、『物理学から世界を変える――科学者・飯吉厚夫の歩み』(風媒社)などがある。

「2022年 『ポストコロナ時代をどう拓くのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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