気骨の判決―東條英機と闘った裁判官 (新潮新書)

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著者 : 清永聡
  • 新潮社 (2008年8月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102752

気骨の判決―東條英機と闘った裁判官 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • タイトルが、作品全体を見事に
    象徴している。

    読んでいて、現代では考えられないような、ひどい選挙妨害がなされていたことに驚きました。歴史を知ることは、やはり大切なことだと思いました。そして、命がけで裁判官としての職責を全うした吉田久という人物の生き方を知って、かっこいいなと思いました。

  • 戦時中にこのような法律家がいたのかという驚き。素朴だが力強い正義感。文言と趣旨に照らした法律解釈。そして徹底した事実認定。法律家としてはどれも当たり前のことだけど、全てが超一級。そして、丹念な取材に基づきこれを著した著者も素晴らしい。僕も地道にがんばろ。

  • こういうの好きだなあ。

  •  戦中の翼賛選挙で,官製選挙妨害を認めて無効判決を出した大審院判事,吉田久を扱った本。昨夏のNスペで同名のドラマやってた。当然,本の方が詳しい。
     戦前に実現した普通選挙が,買収・汚職をもたらして粛正選挙に大義名分を与え,そこで培った選挙統制のノウハウが翼賛選挙で活かされたという逆説が背景にあった。戦前も戦後も,日本における民主主義の歴史って皮肉だなあ。

  • 2011/8
    あのような困難な時代に、己の信念を貫いた1人の裁判官がいたことに、驚きを感じるとともに、かつてそのような日本人がいたことを誇らしく思いました。全ての裁判官、法律家の必読の書と思います。

    あまり知られていない、戦前の大審院や、法曹界の実情が分かる点でも、大変興味深い本です。

  • こういう裁判官は多いと思う。いい本でした。

  • テレビドラマは見逃してしまった・・・。

  • 政府に非協力的な国会議員を排除するために行われたのが、国の方針に全員一致で賛成する議会を構成するための「翼賛選挙」であった。 行政・立法が一体となってアメリカとの戦争準備を進め、司法府にも圧力がかかる。 その中で、旧憲法が保証した選挙権と司法の独立のために戦った判事・吉田久の話。

    「猫の目のように移り変わっていく政治」に、司法は追随してはならない。政治が国民の人気や熱狂に裏づけられる以上、状況を静観するバランサーは必要不可欠になる。その役目を果たすのが、司法府であったり官僚であったりする。「世論」「政権支持率」が頻繁に取り上げられるようになったが、時局、世論が必ずしも最重要視されるべきではないと痛感した。

  • [ 内容 ]
    吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官-。
    政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。
    他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。
    これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。

    [ 目次 ]
    第1章 「こんな選挙が、許せるか!」(シャンデリアの「伝説」 反対の声の出ない議会 妨害と干渉の翼賛選挙 怒りの提訴 異例の裁判官会議 たたきあげの裁判官)
    第2章 「わたしは、死んでもいい」(東條の傲岸な答弁 死を覚悟した鹿児島出張 炙り出された圧力 顔のみえる判例 強くなる風当たり 東條演説事件 崩壊する戦争末期の司法)
    第3章 「選挙ハ之ヲ無効トス」(昭和二十年三月一日、判決 辞職、そして大審院全焼 鳩山一郎 吉田茂からの要請 消えた判決原本 戦火を生き延びた「信頼」の証)

    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 翼賛選挙についてもよくわかる本だし、吉田久という男についてもよくわかる本である。
    今の世になっても、あまり変わってないのではないか・・・・と思える内容でもあった。

  • NHKがドラマにしていたのを見て、本を手に取る。翼賛選挙の際に大政翼賛会非公認候補への妨害行為が行われたとして選挙無効の判決を出した判事の話。空気を読んで、流れにのっかった行動をしがちな自分にとって、この手の流れに逆らう正義を示せる人は心の底から尊敬してしまう。

  • 『日本人の誇りとすべき史実であり、みんなが味読すべき物語である。阿川弘之氏推薦。』

    『吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官――。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。』

    『・・・三権分立のうち「行政」と「立法」が、いわば一体となってしまったのである。
     そんな戦争も末期となる、昭和20年3月。
     突如、この翼賛選挙を無効だとする判決が言い渡された。それも、三権の残る一つ、「司法」の最高機関であり、戦後の最高裁判所にあたる大審院での判決だった。
     言い渡したのは、当時の大審院第三民事部の裁判長、吉田久である。
     判決文の舌鋒は、極めて鋭い。

     ―――不法選挙運動は、組織的かつ全般的に行われた
     ―――推薦候補者の当選を期するために選挙運動をなすことは、憲法および選挙法の精神に照らし、大いに疑の存する所  』以上引用。

    これは素晴らしい本です。この本は私の「保存して読み返す本リスト」に入れました。
    感動しながら読んでいました。司法関係者は必読だと思います(特に裁判官)。
    「まえがき」だけでも立ち読みしてみてください。きっと興味をひかれるのではないかと思います。
    我々実務家は、「大審院判例」とよく目にしますが、実際、大審院はどういった状況下でどういった審理をし、判断していたかということまでよくわからないまま読んでいるのが通常ではないでしょうか。

    戦時下、裁判資料の焼失を免れるための決死の努力にも感動しました。
    『大空襲の夜も、大審院の書記たちは、民事だけで四百件に上る裁判記録を運び出し、焼失を免れたと前田は語っている。次々と焼夷弾が落下し、炎を上げる大審院の中を、職員たちは、記録を守るために走り回っていたのだ。吉田の判決も、この中の一つとして書記の手で大切に運び出されたのだろう』

    時に裁判官に絶望的な気持ちになることもありますが、この本には勇気付けられます。

  • 2008/8
    第二次世界大戦中、戦争へ翼賛態勢がとられていた日本で、その態勢に対して毅然とした態度を貫いた、ひとつの判決があった。翼賛選挙が無効であると下した判事。その判決が生まれた背景と、どれだけ司法の独立のために果たした重要な判例だったか、ドキュメントが書かれている。

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吉田久、命がけで東條英機と闘った裁判官-。政府に非協力的な国会議員を排除する意図があったとされる「翼賛選挙」では、聖戦遂行の美名の下、国民の投票の自由を実質的に奪う露骨な選挙妨害が行われた。他の選挙無効の訴えが退けられる中、吉田は特高の監視や政府からの圧力に負けず、戦時中に唯一の「選挙無効」判決を下す。これまでほとんど知られることのなかった気骨ある判決と孤高の裁判官の生涯を追う。

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