手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)

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制作 : Colin P.A. Jones 
  • 新潮社 (2008年10月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106102868

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 90点。そもそも法的思考とは何か、法を解釈し、運用するとはどういうことなのかを教えてくれる。
    アメリカはふざけた風なものも含め訴訟が多い国という印象だけど、こんな裏があったのね。
    マックのコーヒーが熱すぎる訴訟だとか実例は興味深いし、アメリカの法律家の思考形式を窺い知ることができる。

  • 米国の弁護士資格を持ち、日本の法科大学院教授をしている(執筆当時)著者の、アメリカの法曹の思考方法を解説した本。日本のように依拠する法律が全国で統一されているわけではない米国では、法律の条文を覚えるよりも、相手に負けないための思考法の習得が重要になる。
    英文の契約書の解釈にはその思考法が当然ながら重要となるので、英文契約書の作成や締結に関わるビジネスマンは必読の書であると感じた。

  • アメリカは法律というより法的思考力を教える
    陪審は法を無視することもできる
    弁護士は、事実の調査と法廷における事実の表現の仕方非常に慎重でないといけない
    言葉の定義を攻撃することが、よくある。
    言葉の定義を、要するに、よかつまりという表現で正すことも戦術として良い
    女性には中絶の権利があるというなら、夫とんる男性にもあると言わないといけない。同性愛いいなら、近親婚だってよくなってしまう
    法の目的はなんか、法はそれをどのように果たそうとしているかを見極めるのが究極の法的思考
    ロウ対ウェイド事件で中絶の権利を争ったロウさんは、実際には子供を産んで反中絶活動家になったのはれきしのひにく
    アメリカの弁護士倫理規定の中には依頼者とsexしてはいけないということまで書いてある州もある。
    映画 ギルティーアズシン

  • 米国弁護士と日本弁護士の違いがよく分かる本だった。期待していた米国弁護士の思考法が三割程度で、それよりも米国の法制度や実際の弁護士の仕事等に関する記述が多かったが、それもまた面白かった。

    「アメリカのロースクールの重要な目的は、学生が『なぜこの判例はあの判例と違う結論になっているのだろうか』と考えて、その論理の筋道を合理的に説明できるようにすることなのだ。その場合に必要とされるのは判例の暗記ではなく、論理の筋道を作る思考パターンである。『正解』はない。むしろ、『正解』として提供されるものを攻撃することがまたスキルの一つなのだ。」
    ・ルールを覚えるのではなく、思考法を学ぶ。本書を通じた考え方として、事実も、知識も、理論も、目的を達成するための道具であるというものがある。この考え方は会計等現在やっている業務にも通じる。

    「あるシチュエーションにおいて、何が重要で何がそうでないのかを、『何故重要か、重要でないのか』を説明しながら、体系的に整理し、他の似たようなシチュエーションと論理的に区別する。この技を身につけることが、アメリカのロースクール教育の中核とも言えよう。」
    ・現在の業務も「有意義な事実」は何かを常に意識しながら、営業部の話を聴いたり、考える事が重要。

    ・議論を有利に進める方法は「定義を求める、攻める、正す」こと。
    ①言葉の定義を自ら提供する
    ②すでにある定義を攻める
    a. 厳格な定義を求めることによって、自分がその範囲外(内)にあることをはっきりさせる方法。
    b. 定義の曖昧なところで逃げ道をつくる方法。
    ・使う人によって、言葉の意味は随分異なってしまう。定義を求めることによって、共同認識が確認された上で議論がスムーズに進むことがよくあり、非常に有意義である。外来語が使用されるたびに「定義を求める」技は特に効果的だろう。
    ・相手の話に真っ向から反論できない場合、定義を求めて時間稼ぎをし、隙が見えてくるまで守りの姿勢を維持できることがある
    ・絶対的な表現、〝いつも〟や〝皆〟のようなものは非常に攻めやすい。絶対的な表現を使われたなら、例外を指摘すればよい。
    ・主観的な判断が入るような表現も攻めやすい。何故なら、〝誰が、何に基づいてその主観的な判断をするのか〟という問題が発生するからだ。形容詞はこれに類することが多い。
    ・「ルールだから」とか「そういうことになっているから」ということに対して、「何故」と聞くことは議論の出発点になり、他の技を使う場面がきっとでる。
    ③「定義を正す」
    ・「つまり」や「要するに」のような言葉で始まる文を使えばよい。ここで肝心なことは、相手が持ち出した言葉の定義を、自分に有利な定義に作り変えることだ。
    ④アナロジーを用いる
    ・人が慣れていないものを慣れているものにたとえることや、複雑な事柄を単純な事柄にたとえることは、人の理解を得るために非常に役に立つ。しかも、理解をしてもらうだけではなく、アナロジーを高度に使うと、「定義を正す」技の延長線として、議論を自分が行きたい方向に展開させることができる
    ・アナロジーはあるものの性質の一部を取り出して、同じような性質をもつ別のものと比較することにより、その二つのものを同じように扱う状態にするための技である。
    ・アナロジーはもともとの「もの」から飛躍していればしているほど、攻めたり、逆用したりすることがしやすくなる。

  • アメリカン弁護士の思考法というか、日米法廷を巡る考え方の違いが主題。アメリカの裁判といえば、本書の中にある熱すぎるコーヒーの例程度のイメージでしか捉えてなかったけど、そもそも性悪説に則った、誰しも公平に訴えを起こす場があるという意味では実にアメリカ的だなぁと思った。

  • アメリカの弁護士の思考法を紹介したもの。
    日本とアメリカの法制度・慣習などの違いから、アメリカの弁護士が日常の業務で物事をどのように考えているかまとめられている。
    アメリカでは「法は作っていくもの」という観念の下、法解釈が変えられる土壌があるために、アメリカの弁護士は、法解釈を自分サイドに有利な方向に読み替えて、それを論理的に主張していくスタイルをとる。そのため、法が事実にどのように適用されるかではなくて、事実に照らして、法の解釈を自ら作り上げていくとのこと。なので過去の判例を否定するなんてことも結構ある。
    大事なのは「事実の見極め」と「自分の方の解釈を説得させるための論理構築」。日常のコミュニケーションでの基本スキルに集約される。
    日米の法制度の違いから、アメリカの弁護士の思考法を照らす本書の構成は理解できるのだが、単純にアメリカの法制度の紹介にとどまる箇所が結構ある。3章、6章なんかは特にそう。なので「だから?」という疑問が読んでいる中で何度も出てきた。

  •  弁護士について、誤解のあるところをしっかり説明してくれている。

     もっとも、この本を一般の人が読むことはあまりないのだろうが…。

     タイトルにあるような感じの本ではないので、期待していた人はさぞがっかりだろうな…と思う。

     私にとってはタイトルのような内容だけでなかったのが良かったので、評価が高いのですが、がっかりする人の方が多いかも…。と、私の評価に対する注意を喚起しておきます(^。^;)

  • 正解を求めるわけではなく、事実を見極める力の必要さを感じた。どのように考えていくのか、思考のプロセスが重要。

  • 人民(陪審員)が地域の目となって、サービスを監視しているアメリカの姿は羨ましく感じました。陪審員制度に色々感じることもありましたが、この本で少し考え方が変えられたかも。

  • ・証拠法→伝聞証拠は原則として許されていない。

    ・米国法曹界の言い伝え
      →依頼された案件の事実関係が不利なら、法を主張せよ。
        法において立場が弱ければ事実を主張せよ。
    法も事実も負けそうなう場合は、ひたすら相手の弁護士を罵倒せよ。

  • アメリカの弁護士が、何を武器に裁判を闘うかを教えてくれる。
    根底にある「政府は法を悪用する」という前提は、いよいよ日本でも必要になってしまった感がある。

  • 「アメリカの弁護士の思考法」について議論が尽くされたわけでもなく、全然関係ないと思われる記述が多い。しかしながら、制定法主義が採られる日本と、判例法主義が採られる米国では、司法試験の内容も、法律家として求められる資質も、更には裁判の進め方から判決に至るまでの過程や法廷闘争術もまるっきり異なる、といった視座が非常に面白く、参考になった。

     

  • [ 内容 ]
    絶対不利な状況でも諦めない。
    白を黒と言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。
    大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。
    訴訟先進国アメリカで活動する弁護士たちは、「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。
    イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを、現役アメリカン・ローヤーが解説する。

    [ 目次 ]
    第1章 法律を知らなくても弁護士はできる
    第2章 ルールを見つけよ
    第3章 陪審員だけは敵に回すな
    第4章 解釈という名のテクニック
    第5章 政府を信頼するな
    第6章 倫理と報酬の狭間で
    終章 法律は森である

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 職場の先輩と飲み屋で大陸法と英米法の考え方の違いについて議論した翌日に購入。
    英米法の考え方は仕事に対する考え方に直結すると思った。
    口ケンカには強くなる。

  • ふぉぉ弁護士こわ!><

    視点の柔軟性に圧倒されました。

    ここに書かれている考え方を脳内の片隅におきつつ、いざというときに使えると良いと思います。しかし普通の人間と仲良くなるために使ってしまうと、単なる揚げ足取りになります。

    アメリカン弁護士の考え方を知る参考になったと同時に、アメリカの司法制度を(理由つきで)俯瞰できて良かったです。

  • 法廷における民主主義の国「アメリカ」

    アメリカにおける弁護士とは?司法とは?をテーマにした新書。訴訟大国の実情がよくわかります。「訴訟が多い、そんなどう仕様も無い国」と思いきや、訴訟が多いのにも意味がある!

    中絶を巡る訴訟やマックのコーヒーが熱すぎたという理由で起こされた訴訟などなど具体的な話も盛りだくさんで面白く読めた。

  • アメリカの法律体系について知るには面白い。が、弁護士の思考法ではなくアメリカ人と法律、また法律を扱う弁護士その対象が書かれた本として読むことをお勧めする。おそらく、手ごわい頭脳を求めて本書をとった人には(思考法について)既知の事実しか書かれていない。
    本書で注目すべきは日本人が考える法とアメリカの法の役割の違いだろう。ニュースにもなった有名な訴訟事件の結果を案外知らないものだが、それを例に判例法であるアメリカではどのように弁護士が戦ったのか。つまり、その思考法が書かれているわけだ。
    アメリカでは政府などの公的機関や大企業を頻繁に訴訟するイメージがある、それはなぜか。陪審員に選ばれたような気持ちで読むと面白い。

  • 「思考パターンのキーポイントは一つは、事実が先にあることだ」

    ものごとをシンプルにとらえる思考法のお話。

    タイトルの通り、法律関係の話が中心ではあるが、むしろ制度や仕組みの話はあまり載っておらず、大半を占めるのは、アメリカの弁護士が実際に行う ”思考のプロセス” の話が多い。
    この方面とはまったく無関係な自分でも参考になるものが多かった。

    アメリカは、”起訴の国”というイメージが強いが、また違った角度からアメリカを眺めることができる。

    コーヒーこぼして5千万円事件の真相が…

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手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)の作品紹介

絶対不利な状況でも諦めない。白を黒と言いくるめ、絶妙の切り返しで逆転する。大企業から莫大な賠償金を勝ち取り、国家相手にも一歩も引かない。訴訟先進国アメリカで活動する弁護士たちは、「手ごわい頭脳」をいかにして手に入れているのか。イシュー・スポッティング、ファクト・ファインディング、アナロジー等々、彼らの思考法とリーガル・マインドを、現役アメリカン・ローヤーが解説する。

手ごわい頭脳―アメリカン弁護士の思考法 (新潮新書)のKindle版

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