偽善の医療 (新潮新書)

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著者 : 里見清一
  • 新潮社 (2009年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103063

偽善の医療 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 里見清一(國頭英夫さんのペンネーム)の最近の医療に対する問題提起の本。

    インフォームドコンセントやセカンドオピニオンなど、患者との関係が劇的に変化する昨今の医療について警鐘を鳴らしている、という感じでした。

    すごく辛口で独善的な印象のある文体なのですが、著者の主観的な意見と客観的な情報を上手に織り交ぜてなかなか説得力のある内容でした。パターナリズムについては僕自身もどう扱うべきか迷うところもありますが、医療の専門家として責任をもって患者と接すべしという著者の意見には賛成します。勿論これはバランスが難しいんですけどね(汗)自分の意見を書きたい放題の本なんだろうな、と斜に構えて読み始めてみると、ちょこちょことエビデンスを持ってきてうまいこと文章をまとめる文章力には「やるな」と思って読んでいました。

    歯科の病気(主に虫歯と歯周病)は生涯の友とも言えるほど、歯があるかぎりリスクがゼロにならないという特徴もあって、著者が力説する「患者と医者の信頼関係」(学校ではラポールなんて言葉で習います)については重要だなーと再確認しました。訴訟の時の言い訳に使う説明文書ではないインフォームドコンセントの在り方。だいじ。

    ちょっと前に読んだ「統計学は最強の学問である」も同じく統計と自分の意見ゴリ押しの本だったのに、こっちの本の方が説得力があるのはなんでなんだろう。

  • 今までに読んだ医療関係の本でベスト!
    以前ガン治療放置論の本を読んで成る程と思ったが、ガンの種類や症状によって手術、抗がん剤、放射線治療の標準治療も必要で効果ありという当たり前のことを教えられた。又、どんな治療も副作用によって症状が悪化したりしに至ることもある。

    治療のポイントは
    ①生存期間(延命)②症状が極力出ないこと。生活の質。QOL。③コスト。治療費用がいくらかかるか。
    である。

    結論は技術と人格が信頼できる医者に出会い治療を任せること。そういう運の良い人間になること。

  • 辛口の医療批判。納得できる点とできない点があるのはしかたないことか。

  • なかなかエネルギッシュで情にあふれた文章. いつも背伸びしすぎた文章ばかり読んでいたので(それはそれで大事だとも思うけど...), こういう文章は本当にすんなりと心に響いてきた. それだけじゃなく, 内容的にも一知半解の怖さに思い至らされる部分があり, 新書の中ではかなりよかった.

  • 患者様撲滅運動や、なくなれセカンドオピニオンなど結構インパクトのある章だて。筆者の私感が全面にでていてくどく感じることもあるが、医療サイドからみた裏側などが分かって興味深く感じた。

  • 現役の医師による医療の今の問題点の告発。
    いろんな話が出てくるが、読むほどにガッカリする話ばかり・・・

  • 今年最高の出会いかもしれない。医療の現場に長年携わり、命と密接にかかわってきた著者の生々しい発言に心迫るものがある。

  • おもしろかったです。
    医療現場がどういうところか知るにはとてもいいと思いました。

    少し過激な言葉を選ばれている箇所があり、私はそこにひっかかるものがありました。
    内容がおもしろいだけに、少し残念です。

  • 医師の本音がこうなのかなと感じました。患者が強くなりすぎるのは確かにどうかと。。。

  • 人情に基づいて話を進める断りもあり、感情的な文書が多い。
    その為読むのに前半は気が乗らない部分が多かったが、
    後半には思わず笑ってしまう部分もあった。
    多分に一般的な医療本で推進する内容や、
    マスコミの情報操作のような内容を否定する内容が多いので、
    この本も一意見として鵜呑みにしすぎず読むとよいかと思います。

    ■患者さまという呼称
    これがお上の一言で始まったというのは本当に冗談かと思った。
    「さま」なんて言葉は仰る通り、全く心には思ってなく使う。
    本当にコミュニケーションをちゃんと取ろうと思ったら「さま」なんて絶対に使わない。
    「xxさん」って言われた方がよっぽど信頼できる。
    企業だって肩書きではなく「さん」づけで呼ぶのを
    推進する理由とか見ればわかるでしょうよ。

    ■セカンドオピニオン
    今の医者と折り合いが合わず愚痴を並べるだけで
    治療について理解していない。
    あくまで現状の治療方針に意見するだけで、
    面倒を代わってみるわけではない。
    セカンドオピニオンにかかる医者に丸投げ。
    有効だった話は、後から診る医者の方が有利だから。
    たとえ有効な使い方が出来ても、それを患者が判断できるか?
    専門の医者が話し合ってパターナリズムから判断して
    患者に説明するのが一番の得策。
    →実際に志・アンテナが高い医者ばかりじゃないし、
     専門外のところの説明は専門外の先生から聞くより、
     専門の先生から聞きたい。
     もし本当に専門の先生に問い合わせて相談してくれて、
     方針を変えてくれたり、必要な転院も出来るなら
     それに越したことはないと思うが。

    ■有力者の紹介は意味が無い
     あるとすればその病院関係者ぐらい。

    ■安楽死?で殺人扱い
    人工呼吸器をはずすタイミング(数十分の差)だけで犯罪になる。
    いずれ死ぬ、植物状態の今後を考えたら一番いいタイミングを
    多少の演出はするべきである。

    ■病院ランキングは有害
    かつての名医の紹介。
    死亡率などの数字は難しい手術や患者を避ければいいだけ。
    死亡率0%は理想の数字ではない。リスク回避の疑い。

    ■治らないなら告知しないで
    わかるわけない

    ■早期がんは治る
    治る癌を早期がんと呼ばなくなったり、
    技術の進歩だけではなく定義が変わっている。

    ■インフォームドコンセントハラスメント
    何でも感でも同意書を書かせるほうが不信感を募る。
    何に対して?ありもしないことにもすべて同意を取るのか?
    試験の終わった治験薬で副作用が出たら、
    健康な相手にも同意を取ろうとした。協力者はどう思う

    ■何もしないほうがつらい
    「何かやって欲しい」となるのが人情だが、
    医者には「だめもとでやってみましょう」というほうが楽。
    最新治療も含め、立証されていない治療法が数多く存在する。
    それをビジネスにしているものも然り。

    ■贈り物は受け取るべき
    差し当たりのないものまで機械的に断るな。
    そういった文化の中で生きてきた人にすればきわめて不愉快。
    下心があって渡したところで何のプラスにもならない。

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偽善の医療 (新潮新書)の作品紹介

「患者さま」という偽善に満ちた呼称を役人が押し付けたことで、医者は患者に「買われる」サービス業にされた…。医療にまつわる様々な偽善を現役医師が一喝する。「セカンドオピニオンのせいで患者と医者が疲弊する」「インフォームドコンセントは本当に良いことか」「有名人の癌闘病記は間違いだらけ」「病院ランキングは有害である」「安楽死を殺人扱いするな」-。毒と怒りと医者の矜持が詰まった問題提起の書。

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