ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書)

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著者 : 山口謠司
  • 新潮社 (2010年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103490

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ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 【目次】
    はじめに [003-006]
    目次 [007-010]

    第一章 「ん」の不思議 011
    「ん」は五十音の外/「ん」のつく言葉/フランス人は「んー」が嫌い/「n」と「m」/ニホンゴはムズカシイ!/日本語のルール/「ん」と書いてあっても/上代の書き分け/「ん」はなかった

    第二章 「ん」の起源 028
    『古事記』に「ん」はない/日本語を漢字で書く方法/万葉仮名の借音と借訓/万葉仮名の発音とローマ字表記/漢音を習え!/「反切」で表す音/細かい音の区別/『韻鏡』と万葉仮名/三種類の「ン」音/「ン」をどう書くか

    第三章 「ん」と空海 060
    中国にも「ン」はなかった/空海が持ち帰った真言/空海と言葉/言語は「実」である/空海とサンスクリット語/「ン」と「吽」の謎に迫る

    第四章 天台宗と「ん」 077
    空海から最澄へ/悟りへの悩み/最澄という秀才/密教に帰依する/『蘇悉地経』/慈覚大師円仁/石山寺へ/『往生要集』から『平家物語』へ

    第五章 サンスクリット語から庶民の言語へ 094
    サンスクリット語が開く世界/安然のサンスクリット語研究/明覚が見つけた撥音

    第六章 声に出して来た「ん」 103
    『土佐日記』の「ん」/「ん」は下品/「ん」は捨てて書く/「ん」は濁音の仲間である/丹波の小雪/庶民に広がる「ん」/宣教師が写した「ん」/「ん」が連発される訓読/「ふどし」は「ふんどし」/江戸の人々の唸り声/「ん廻し」という言葉遊び

    第七章 「ん」の謎に挑む 130
    「やごとなし」の大喧嘩/史上最大の論争/「ん」の誕生以前/礪波今道の説だった/本居宣長の研究推進/『男信』という名著/関政方による「ん」の研究

    第八章 「ん」の文字はどこから現れたか 154
    大矢透博士の研究/〈カタカナ〉の「ン」の謎/〈ひらがな〉の「ん」の初出/空海の「吽」という世界

    第九章 明治以降の「ん」研究 164
    露伴の『音幻論』/有坂秀世という天才/十種類の「ン」

    第十章 「ん」が支える日本の文化 177
    「穢れ」を嫌う/和歌は「清」の文化/「ん」は薄明の世界/「鳶が鷹を生む」をどう読むか/「あ・うん」の思想

    あとがき(二〇一〇年一月吉日 山口瑶司) [187-188]
    参考文献一覧 [189-190]

  • 書店で見かけて以来前々から読みたかった『ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書) 』を、電子書籍で購読。

    五十音図から一文字だけ仲間はずれのようにされている「ん」の文字に関して、ひらがな書きとカタカナ書きの字体・字形の成立の歴史的変遷だけでなく、万葉仮名から文字の使い方で知ることの出来るこの文字の発音の歴史的変遷や、文字が内在している意味・概念の歴史をも解き明かしている良書。日本語に興味のある方には必読の本である。
    なお、内容に多少専門的知識のいる書籍名なども含まれているので、一般的な教養という範囲をやや超えた内容の本でもあることに留意しておきたい。

  • 「ん」の歴史についてものすごく詳しくて、
    面白かった! 国語でもやればいいと思う。※
    「ん」は始めは無かった。清音と濁音を繋ぐ音。
    ここでも日本人の曖昧さが表れた。
    いい悪いではなく、こういう文化なんだよ。

  • [ん、ん?、ん!]日本語においてはそれから始まる言葉がなく、五十音図においてもポツンと一人ぼっちをかこっている「ん」。この音と表記はどこから来たのか、そして日本語においてどのような役割を果たしているのかを、様々な文献や先行研究から明らかにする一冊です。著者は、ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを務められた山口謠司。


    それこそ意識することなく音に出しもすれば書きもする「ん」ですが、振り返ってみれば空海や最澄、さらにはサンスクリット語の世界にまで遡る、非常に奥深いものであったことに驚かされました。若干難解な部分もあるのですが、まさにそれこそが「ん」というものが日本語における不思議な存在であることを示す一例なのかもしれません。


    「ん」がどう生まれ、捉えられてきたかという点も興味深いのですが、短いながらも読み応えがあったのは終章に当たる「ん」の日本語における役割の部分。言語が情緒と有する関係を紐解きながら、「ん」に思わず愛着が湧いてしまうような結論が導かれていました。

    〜もしも、日本語に「ん」がなくなったとしたら、我々はおそらく日本語のリズムを失い、日本語が持つ「情緒」と「システム」を繋ぐ糸を断ち切り、日本のしっとりして深い文化を、根底から崩壊させることになるのではあるまいか。〜

    読んでいる間、何度かゲシュタルト崩壊に近いものを経験したのはこの本が初めて☆5つ

  • 「ん」を表記する仮名は当初存在しなかったため、中国語の読みを表す記号が工夫されてきた。
    密教思想が「ん」の思想的重要性を育む(cf. 阿吽、の吽)。
    撥音は口語に多く見られるため、庶民にまで文字が普及したことは、文字「ん」の必要性を高めた。
    和歌の世界では濁音は嫌われ、濁音に付随するとされた撥音も嫌われた。そのため、仮名表記では、「ん」を飛ばして書く習慣があった(とんび→とび、とか)。

  • 「ん」という文字が生まれ、広く使われるようになった経緯を紹介。
    関連して空海がもたらした阿吽の思想、濁音を嫌う日本文化、研究者譚などが織り込まれる。
    わかりやすく書いてあり、まったく素人の私でも親しみをもって読むことができた。

    面白くなってきたのは7章からだが、「ん」ついて色んな方面から話題を提供する代わりに、その奥深さを伝えきるにはページが足りていないように思う。

    特に「ん が意味する薄明の世界」は突然降ってわいたような印象。
    はいでもいいえでもない曖昧さ、日本語の清濁を繋ぐ役割、と興味深い内容だけに、さらに踏み込んだものが読みたかった。

    謎に挑むというよりは歴史概観と話題提供の趣が強い。

    読書メモ:
    http://haiiro-canvas.blogspot.jp/2015/01/blog-post_13.html

  • 「ん」について。あんまり期待していなかったものの、存外面白かった。

    「ん」の誕生とか誕生以前の表し方とか、突き詰めていくとこんなにも面白いのかと。国語学っていいかもしんない。

  • 勉強になりました。

  • 「ん」という一文字に隠された日本の文化、偉人たちの努力がみてとれる。日本語はやはりうつくしく、すばらしいものだと

  • ○タイトルに釣られて迷うことなく手に取りました。新潮新書のおなじみの表紙に輝く「ん」の一文字がなんとも。しかし内容はいたって真面目、さまざまな文献にみられる「ん」の用例、「ん」に関する学術的な研究などをひも解きながら「ん」に迫ります。

    ○「ん」といえば、五十音表のすみっこにいるものです。「ん」だけは「あいうえお」に属さない感じがするし、日本語には「ん」から始まる熟語はありません。こうして考えると、「ん」はなにか異質な感じがします。その異質なものを、人びとはどのように文字にしようとしたのか。そして、「ん」ができたあと、学者は「ん」をどのように捉えてきたのか。この点で、この本は「あ」とか「み」では有り得なかったのですね。

    ○面白いと思ったのは、なんといっても「ん」の表記法の変化です。例外もあるのですが、おおむね唇内発音は「ム」、舌内発音には「ニ」、喉内発音には「イ」というような使い分けが平安初期にはあったといいます。ついで、「イ」や「ニ」が「レ」、「ム」が「ゝ」というような記号に置き換えられてゆきます。言葉をなんとか文字にしようとする、人の試行と失敗の歴史、人の営みのようなものを感じられる本だと思います。人の営みを見ると言うこと自体は珍しくないのかもしれませんが、それが「ん」を通してできるというのがなんとも面白いところです。

  • ん・・・平安時代末期成立?

  • ん、は確かに特殊だけど、歴史的にも言語学上特殊なようで、なかなか面白かった。音としては存在したけど、表す文字がない、または書かないなんて事を苦労しながらしてたなんて、興味深いですね。やや言語学的な説明もあるので難しさはありますが、知識として読んでおいてもいい本かと。

  • 母音でも子音でもなく、清音でも濁音でもない、単語としての意味を持たず、かっては存在しなかった「ん」。「ん」とはいったい何なのか?「ん」誕生のミステリー。

  •  五十音の中で確立したのがもっとも遅い「ん」。古文書では発音しても表記しなかったり,別の字で表したりしていて,「ん」はかなり謎に包まれている。明快に解いてくれるかと期待して読んだが,釈然としない。
     文献でわかる一応の事実は次のごとし。 11世紀までは「ン」はなくて,唇内撥音(m)は「ム」,舌内撥音(n)は「ニ」,喉内撥音(ng)は「イ」が使われた。 ひらがなの「ん」は初出が12世紀だが,現在と同じように撥音を表すために使われたかどうかははっきりしない。
     本書では空海とか最澄とか本居宣長とか幸田露伴とかいろいろ出てくるが,結局「ん」についてはよくわからないということがぼんやりながらわかった程度だった。筆者の「ん」への思い入れもよくわからない。
    「もしも、日本語に『ん』がなくなったとしたら、我々はおそらく日本語のリズムを失い、日本語が持つ『情緒』と『システム』を繋ぐ糸を断ち切り、日本のしっとりとして深い文化を、根底から崩壊させることになるのではあるまいか。…『ん』は、じつは言語としての問題以上に、より根源的な日本の精神や文化を支える大きな礎石だったのである。」(p.186)と本書は結ばれるが,なんでそうなるのか,まったく理解しがたい。なんじゃそりゃって感じ。

  • Гん」の話。親しみやすい導入で読みやすい内容でした。内容の全てを理解は出来ないけど。

  • 学生時代を思い出しますなぁ…。いささか難しいので、時間ができたらまた読みます(笑)

  • ちょっと難解もありますが、「ん」は古事記の時代人はなかった、「ん」と阿形吽形、本居宣長と上田秋成の「ん」をめぐる論争など知的好奇心をくすぐられ面白いです。

  • ≪目次≫
    第1章  「ん」の不思議
    第2章  「ん」の起源
    第3章  「ん」と空海
    第4章  天台宗と「ん」
    第5章  サンスクリット語から庶民の言語へ
    第6章  声に出してきた「ん」
    第7章  「ん」」の謎に挑む
    第8章  「ん」の文字はどこから現れたか
    第9章  明治以降の「ん」研究
    第10章 「ん」が支える日本の文化

    ≪内容≫
    「ん」は平安期にサンスクリット語の仏教の経典を読むところから生まれ、平安末期から表記にも現れるようになった。
    それ以前は、「m」「n」など発音上はあったが、表記できなかった(しなかった)という。
    また、表記は「レ」点の様なところから生まれたらしい…

  • 『日本語の奇跡―「アイウエオ」と「いろは」の発明』の続編のような書だが『ん』の発音や表記、意味について言及した書。

    空海について多くの頁が割かれており、また、その内容も面白かった。
    膨大な文献から、歴史的にも「ん」の有り様を解説されているが、なんとも難しかった・・・。

    しかし、歴史の中でも「ん」について、多くの方が論じているのは興味深かった。
    それらの考察をこの書にまとめてあるので、非常に内容の濃い本となっている。

    現代では、あまりにも無意識に使われている「ん」が、こんなにも深く語られていることに驚きだった。

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    【目次】
    第1章 「ん」の不思議
    第2章 「ん」の起源
    第3章 「ん」と空海
    第4章 天台宗と「ん」
    第5章 サンスクリット語から庶民の言語へ
    第6章 声に出して来た「ん」
    第7章 「ん」の謎に挑む
    第8章 「ん」の文字はどこから現れたか
    第9章 明治以降の「ん」研究
    第10章 「ん」が支える日本の文化
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  • 読みにくい。本当に研究者が書いた文章なのか。章分けを見直し、各節ごとに説明の主題を絞り、意味を明確にすべし。

  • 発売以来気になつてゐた一冊であります。やうやく読む。
    「ん」といふのは、長い日本語の歴史から見ると、新しい文字ださうです。
    たとへば『古事記』には、文字どころか「ん」と発音する部分は皆無だとか。

    しかし現実には「ん」の音がない筈がありません。それを表記する必要から、西暦800年くらゐから「ん」「ン」が登場したのだと著者は語ります。
    「ん」の起源をたどると、空海とサンスクリット語まで遡るとは思ひませんでした。最澄・安然・明覚...多くの先達が「ん」のために力を注いだのあります。感謝。第三章-第五章のあたりや第七章の論争の話などはコーフンしますね。予想以上に力瘤の入つた書物であります。

    「ん」の音は下品として好ましく思はない人がゐるのは、どうやら今に始まつたことではないらしい。文字の登場が遅れたのも関係がありさうです。著者の仏人である奥様は、著者が「んー」といふと抗議するらしい。耳障りなのでせう。代りに「ムムム」と発すれば問題ないとか。
    ここで唐突に思ひ出すのが、故ちばあきおさんの漫画であります。彼の漫画における会話文には、極力「ん」を廃してゐるやうに思はれます。
    相槌で「うん」とでも言ひさうなところは「うむ」とか「む」だし、「○○なんだ」は「○○なのさ」となります。バントのサインをイガラシくんに確認にいくと、「む。ちと危険だがな」と中学生らしからぬ返答。
    ちばさんも、「ん」の音を嫌つてゐたのでせうか...

    http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-245.html

  • 歴史の話が多めで少し読みにくかった。
    ただ日本の思想や日本語の美しさを改めて実感した本だった。

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ん―日本語最後の謎に挑む (新潮新書)の作品紹介

日本語には大きな謎がある。母音でも子音でもなく、清音でも濁音でもない、単語としての意味を持たず、決して語頭には現れず、かつては存在しなかったという日本語「ん」。「ん」とは一体何なのか?「ん」はいつ誕生し、どんな影響を日本語に与えてきたのか?空海、明覚、本居宣長、幸田露伴など碩学の研究と日本語の歴史から「ん」誕生のミステリーを解き明かす。

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