茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)

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著者 : 千宗屋
  • 新潮社 (2010年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103926

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茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 非常に基本的なことをわかりやすく伝えてくれる。結びの、伝統ってのは明治にできた言葉で、そもそもは仏教用語だったんだという話は家元とという立場では言い難い言葉なのかもしれない。伝統にがんじがらめになりそうな立場にありつつもクリアな認識を持っていて、偉ぶる所なく茶の魅力について伝えるところがとても素晴しい。大変勉強になりました。

  • おもてなしが取りだたされ、今や習いたいお稽古事ランキング上位にくるお茶。

    茶道→利休→侘び寂び
    と、こんな感じに短絡的に考えてしまっていたが、その実、かなり深い。
    どうしても、十把一からげに禅に結び付けてしまいがちだが、利休より遡れば、密教の影響も多分に受けている。
    利休自体も、堺の商人出身だし、当時、モンゴルの侵攻を受けた宋の僧侶が日本に入ってるし、港町であった堺には、宣教師も多勢いたわけで、クリスチャンの文化もブレンドされている。

    おもてなしの精神も読みどころだが、日本の美意識が、つまるところ引き算の美学だということを、改めて痛感する。

    良書。

  • 茶道三千家のひとつ武者小路千家の第十五代次期家元の千宗屋が、茶の湯について、網羅的に分かり易く解説している。
    著者はまず、茶の湯の究極的な目標を、「直心の交わり、つまり心と心の交わりを、茶の湯の方法論によって実現すること・・・亭主としては茶事を催し、考え抜いた趣向によってお客様に満足してもらい、そのことで自分も「人を招く悦び」を享受する。客としては修練と教養を積んで、亭主のもてなしを察し、的確に応じることができる」と語る。
    千利休の言葉として、「茶の湯とは、ただ湯をわかし、茶を点てて、飲むばかりなることと知るべし」と伝えられるというが、茶碗を回す作法も、道具も、小さな茶室も、「直心の交わり」のためにあるのだと言う。
    そのほか、茶の湯の歴史や三千家の家祖である千利休についても語られており、茶の湯の全体像を掴むことができる。
    (2011年3月了)

  • 再読したが、記憶の印象よりずっと良いことが書かれていた。お茶の世界の中と、その外との世界とをバランスよくつないでると思う。
    ただ、それは橋本麻里さんの力だろう。若宗匠は絶対にこんな柔らかい表現をしない。

  • 「茶」の入門書。一度茶事に参加したことがあるかないかで,著者が言っていることの感じ方も変わってくると思います。

  • 作法偏重の茶道観を憂い、茶道の正しい理解と普及を意図して著され、実に分かりやすい。が、茶会を真に楽しむには、あの狭い異空間で他者と共にときを過ごし、同席者と同調できるだけの人格なり審美眼なりを備えねばならぬと改めて知った。

  • 茶碗の左右を神経質に言いたてているばかりの芸術では、五百年を生き延びることはできない。遣唐使が持ち帰って以来、お茶/茶の湯は「最先端のクールな習慣」「産地を言い当てるギャンブル」「絵画や器のコレクションを自慢する機会」「明日をも知れぬわが身を振り返る機会」「禅の行をサポートする飲料」「自国の文化を総合的に感じられる機会」など、自分ひとりとの、あるいは心を通わせたい誰かとの、どこまでも奥深いコミュニケーションを取る手段であった。

    魅力があるから、死屍累々の歴史を重ねながら、お茶はこれからも生き延びる。

  • 「利休にたずねよ」からこの本に辿りつきました。
    「茶」の歴史はおもしろかった。
    教養のひとつとして読んでおきたい本。

  • 作者も書いているが、お茶とは何ということについて分かりやすく書いた本。
    一方で現在の茶道界のありかたについて批判的な見方が感じられる。全く同感。
    読者層はお茶に興味を持っている人を想定しているだろうが、お茶に長く携わっている人にも面白い内容。
    2013-12-1

  • 2013年8月11日読了。

  • 茶の湯の成り立ち、作法の意味、コミュニケーションツール、自分自身と向き合う場としての茶事の役割を分かり易く読みとく。
    茶室の中では誰もが平等であり、名物が一国一城にも値する貨幣価値を創造したことは一種の革命であり、それが故に利休は切腹させられるほどまでに恐れられたとの説明には納得。

  • お茶の心、歴史、そのあり方など総合的に実によくまとめられている。

    著者は三千家の一つである武者小路千家の若宗匠(次の家元)であるが、その立場からという以上にお茶が好きでたまらないのだと感じられる。

    立場上一般人ではとても手にすることなどできない名品にふれ、名だたる指南役の方々からの教えをぐんぐん吸収して自分のものにしていかれたのだろう。
    今、これほどわかりやすくお茶について書かれた本はそうないと思う。
    お茶に興味のある外国人にもわかりやすいのではないだろうか。

    内田樹氏との対談は、いやいやこんな考え方があったとは、と面白く読んだ。

    この本でお茶に興味をもたれた方(特に女性の方)は森下典子さんの「日日是好日」もオススメ。
    お茶をすることの意味を森下さんが自分の体験から書かれていて、具体的かつ納得の一冊だ。

  • アニメ「へうげもの」から興味を持って手に取った本.
    茶道の入り口として広く浅く書かれてあるので,自分のようにあまりよく知らないけど興味を持ってる人にはちょうどいい一冊.
    研究者のような理論的な考え方と,丁寧な書き方もとても良い.堅苦しいわけじゃないけど,なぜか論文を読んでいるような気になった.

    もう一回読みたい.(20120802)

  • 何を隠そう私は薄茶の平手前くらいならば心得がある、いや昔は有った。学生時代に裏千家の同好会に所属していたからである。本書は、表千家の後嗣(次の家元)である千宗屋氏が、岡倉天心「茶の本」とまではいかないが平易な入門書を、という意気込みで著したもの。正確には、千氏語り下ろした内容を、美術ライターの橋本麻里氏がまとめ、さらにそれに手を入れたという。内容は、茶の湯の歴史、手前の心得、茶道具、茶室、そして正式な茶事と、一通り分かるようになっている。千氏は本書で「茶事では濃茶がクライマックスの真剣勝負」ということを特に強調しており、その点が印象に残る。全編を通じて千氏のスマートに整理された思考が読み取れる良書である。

  • 自分をもてなす、『独服』のあり方。自分と向き合う機会を作るのが、茶の湯の原点であり、禅と共通する部分。

    自分をもてなす事で、他者を慮り、客人をおもてなしする心が生まれる。

    自分が出来る精一杯のもてなしにも、物理的な限りがある。
    『侘び』とは、その「お詫び」の気持ちの現れである。

    数奇者
    道具に執着し、収集「数を寄せる」=「数奇」、「好き」の当て字。

  • 先日、TV番組『情熱大陸』で拝見した千宗屋さんの著書。
    「お茶」って一般的には堅苦しいモノという雰囲気を、番組では身近なものとして、またグローバルな視点で日本の文化を知って頂こうという彼のお茶への向き合い方に興味を持った。
    この本では、茶道の歴史を始め、三千家やソレ以外のこれまでに受け継がれてきた所作・作法・流派について述べられている。
    お茶を実際に習っていれば、もう少し共感できる部分が多いのかも知れないが、全くの未経験者では想像も出来ない部分が多くあった。
    茶道に決められた中にある一連の動作やルールは、亭主と客のお互いが生みなす「もてなしの心」が生みなすものであり、例えば茶碗を回す動作なども、そうした観点からという説明は興味深かった。
    また、内田樹氏との対談に於いて、同座する者達の一体感や連帯感、人間らしさを感じながら茶道を語り合う部分も面白かった。
    お茶とはコミュニケーションである!

  • 茶会に出たことがないので、本を読んだだけで何がわかったわけでもないのだけど、でもなるほどそういうものなのかと納得するものがあった。文章が非常に読みやすく、それでいて肝の部分を明解に伝えてくれるのがすばらしい。
    引用した千利休についての考察は、そういうことか、とちょっと目うろこ。
    推薦されていた『へうげもの』を今読んでいるところ。
    次は実際の茶会も体験してみたいな。

  • 読むと茶道を俯瞰して理解できるような本。
    千家側の都合を開示しつつ、理屈を説明しているので、
    因果関係や理由等が分かりやすい。

  • お茶の成り立ちからお点前のことまで、お茶って何なのかがわかる。
    かなり飛ばし読みしてしまった。歴史でつまずきました。また機会がきたら読みなおそう。

  • 情熱大陸きっかけで読み始めた。

    テレビでの印象どおり、まじめできちんとした内容やた。茶の湯は詳しくないので、全体的に難しかた…とくに歴史とか道具とかの章あたり。

    茶席での心の持ち方や過ごし方についての章がおもしろかた。
    みじかいけど内田樹氏との対談も載ってました。ほかの部分が読み慣れない話ばかりやたせいか、内田節がなんだか妙にわかりやすかた。笑

  • 仕事を始める前、日常の雑事を終え本や音楽に手を伸ばす時、そこにお茶が差し挟まれることにより、心の仕切り直しが出来る。とさ、そうだね、確かに。

  • 筋金入りのお茶オタク。すばらしい。お茶をもっと知りたくなったし、体験したくなってきた。

  • これいい。茶道やってて良かった!って思える。初心者向けに書いてあるけど、内容はけっこう細かくて深いので、茶道を初めて色々なことに興味が向いてきた人にお勧め。武家の流派がもともとの千利休のお点前に一番近い(あぐらをかいて点ててた!)とか、炉の切り方が8種類あるとか知らなんだ。

  • 茶道というと、どうしてもハードルが高いように思うが、家元にならんとする人が、このような入門書を書いてくれるととても助かる。
    意外と茶道のお手前に接する機会はあるので、特に。

  • 茶のメンタリティを学ぶには最適な本。
    茶の湯の歴史、茶道具の基本、動作といった基礎の説明を分かり易く、
    さらに茶を通して目指される「直心の交わり」というものはどういうものか、
    丁寧に美しい日本語を介して表されていて、
    茶や茶人である著者の奥ゆかしさを感じさせる一冊だった。
    茶とは、非日常を演出し、その茶会でのテーマにそって
    主人が意匠を凝らして様々な道具やら部屋の演出を整え、
    客と体感を共有し、それを楽しむことを目指すもの。
    茶道を学ぶ学生が卒業の記念に開いた茶会のエピソードが印象的だった。
    またお茶の席に臨むことがあれば絶対読んでおくべき心構え。

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茶―利休と今をつなぐ (新潮新書)の作品紹介

茶を「礼儀作法を学ぶもの」「花嫁修業のため」で片付けるのはもったいない。本来の茶の湯は、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の全領域を駆使する生活文化の総合芸術なのだ。なぜ戦国武将たちが茶に熱狂したのか。なぜ千利休は豊臣秀吉に睨まれたのか。なぜ茶碗を回さなくてはいけないのか。死屍累々の歴史、作法のロジック、道具の愉しみ-利休の末裔、武者小路千家の若き異才の茶人が語る。新しい茶の湯論がここに。

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