知的余生の方法 (新潮新書 393)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103933

作品紹介・あらすじ

知的な生活を心がければ、素晴らしい人生を取り戻せる。「知的余生」とは、年齢を重ねても頭脳を明晰化し、独自の発想にあふれた後半生のことである。健全な肉体を保ち、知恵や人徳を生む生活方式、終の住居の選択法、時間と財産の上手な使い方、先人の教えが身に付く読書法、恋愛や人間関係の実践的教訓など。あの名著『知的生活の方法』から三十四年後の今こそ、豊富な教養と体験から碩学が紡ぎ出す、人生の新しい極意。

感想・レビュー・書評

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  • 「はじめに」には、『知的生活の方法』(講談社現代新書)の現代版と書かれているので手にとりました。『知的生活の方法』は、スノビズムが若干鼻につくところはあるのですが、参考になることも多く、おおむねおもしろく読んだのですが、本書はほとんど著者自身の定年後の生活にかんする思いつきのような感想が書き連ねられているだけのように感じてしまいました。

    わたくし自身は、著者の思想にはほとんど共鳴しませんが、平明にして達意の著者の文章の巧みさには、つねづね敬意をいだいてきました。時評のような文章はもちろんですが、著者の専門である英語学という、門外漢にはまったくなんの興味も湧かないような地味な学問的話題でさえも、著者の文章を通すとおもしろさが生き生きと感じられ、驚かされることも一再ではありませんでした。しかし本書は、そうした著者らしい文章の冴えが見られず、がっかりしてしまいました。

  • 以下が自分の学びになった。
    ・読書家は長生き
    ・夫婦は組み合わせの妙
    ・リーダーは朗らか、大らか、寛容でなければならない

  • 知の巨人、渡部昇一先生による知的余生の過ごし方を指南する一冊です。私は現在47歳ですが、本書の内容はとても参考にできることが多々ありました。大好きな読書を年を重ねていっても仕事から引退してもつづけて、やがて大好きな本を開きながら息絶えて死ぬことが私の夢となりました。

  • ガリバー旅行記は不死の国への旅。不死=不老ではない。おいても死ねないのはむしろつらい。
    晩酌の習慣のある記者で本を書いた者はいない。
    最終講義ができない学者がいる。
    知的生活は、好きだけでなく、楽しくなければ続かない。好きだけだと定年退職したらやめてしまう。

    健康の秘訣は、毎日規則正しい生活。仕事と運動。脳も規則正しく活動させられる。
    正常なストレスは鍛えるために必要。脳も同じ。研究成果も芸術作品もストレスの結果。

    老人ホームは都会のほうが刺激があってよい。
    本田静六の方法は、収入の3/4で生活し、臨時収入はすべて貯金。利子は3/4は使ってよい。天引き貯金の威力。
    お金は使ってこそ集まる。

    脳ではホルモンが作られるから、脳を働かせることは全身の健康につながる。
    知を求めて生きる。どうせ死ぬと思ってあきらめない。
    「浜までは海女も蓑着る時雨かな」
    パスカル「パンセ」神は存在すると思って生きたほうが合理的。

    英語は漢文と韓国語の2面ある。読む英語と話す英語の違い。
    戦後の総理大臣は東大出が圧倒的に多かった。

  • f.2020/6/24
    p.2020/4/23

  • ・白川静 毎日規則正しく仕事をし、規則正しく散歩をする
    ・パンセ(大学135.25P26)をすすめる、人間 カレル 大学
    ・受験参考書の文法は正しい、教養ある人の文法

  • タイトル負け

  •  タイトルが示すとおり、35年前のミリオンセラー『知的生活の方法』の“余生版”だ。つまり、すでに傘寿を超えた渡部が、定年後・老後に知的生活を満喫するための心構えを説いたもの。

     「『知的生活の方法』を愛読していた」などと言ったら知的な印象を与えないだろうし(笑)、世のインテリ方からは馬鹿にされそうだ。呉智英が最初期の著作で、『知的生活の方法』を「チホー」と略しておちょくっていたのを思い出す。

     が、じつは私は少年時代に『知的生活の方法』を読んで、けっこう影響も受けたのだ。頼山陽が「汝草木と同じく朽ちんと欲するか」と書いた紙を机の前に貼って勉学に励んだ、という話を同書で読んで、真似して勉強机の前に貼ったりした。
     渡部昇一の思想的偏りはさておき、『知的生活の方法』は呉智英が言うほど悪書ではないと思う。

     ただ、本書には、昔『知的生活の方法』を読んだときに受けたような感銘はまったくなかった。私が読むには早すぎるということもあろうが、その点を差し引いても、かなり中身の薄い本だという印象。

     そもそも、著者が読者として想定しているのは勝ち組シニア層であるらしく、下々の者には別世界って感じの話がたくさん出てくる。
     たとえば、“「余生を田舎で優雅に暮らそう」と考える人は多いが、都会で不自由なく暮らしているなら、いまの住まいをもっと快適にリフォームすることを考えたほうがよい”と、著者は言う。だが、家一つ持てずにカツカツの年金生活をするしかない層の「知的余生」については、はなから眼中にないのである。

     第一章の「年齢を重ねて学ぶことについて」だけは、生涯学びつづけることの尊さを熱く説いて、一読の価値がある。しかしあとの章は、ありふれたアドバイスが多かったり、著者の思想的偏りがモロに出ていたりして、いただけない。たとえば――。

    《韓国のベストセラーには、日本人から見ると荒唐無稽の噴飯物が多いが、少なくとも韓国人が日本に深い怨念を持ち、日本を軍事占領したいという欲求をもっているくらいのことはわかる。》

     この手の記述に反発を感じ始めると、あとはもうまともに読む気が失せてしまう本。

  • 2018年27冊目
    読書会3Bの4月度テーマ本でした。
    知的な生活の方法で有名な渡部昇一さんが語る人生後半においても送る知的生活の方法について
    歳をとっても学ぶことについては、<b>自分が一番興味が湧くことをみつけ</b>ることが重要。
    健康と知恵については、<b>毎日の規則正しい生活が、脳も規則正しく活動</b>する
    余生を過ごす場所については、<b>田舎の別荘よりも今住んでいる場所を快適</b>にする
    などなど

    自分の人生が余生という段階に入った方向けと感じました。
    まだまだ、これからという方には先の話です。

  • やたらと語源の話が出てきて、話が脱線する感もなくはないが、
    ところどころに、とても参考になる話が出てくる。

    『パンセ』や『人間−この未知なるもの』は今から買っておこうかとも思うし、
    仏教などの宗教の研究にも興味が湧く。

    また、参謀の役目、リーダーの条件なども、さらっとしか出てこない割に印象に残る。

    何より、自分の倍以上生きている著者が、知的生活を続けているという姿勢というか覚悟に感銘を受けた。

    [more]
    (目次)
    第1章 年齢を重ねて学ぶことについて
    第2章 健康と知恵について
    第3章 余生を過ごす場所について
    第4章 時間と財産について
    第5章 読書法と英語力について
    第6章 恋愛と人間関係について
    第7章 余生を極める

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著者プロフィール

上智大学名誉教授。英語学、言語学専攻。1930年、山形県鶴岡市生まれ。1955年、上智大学大学院修士課程修了後、ドイツ・ミュンスター大学、イギリス・オックスフォード大学へ留学。ミュンスター大学における学位論文「英文法史」で発生期の英文法に関する研究を発表。ミュンスター大学より、1958年に哲学博士号(Dr.Phil.)、1994年に名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。文明、歴史批評の分野でも幅広い活動を行ない、ベストセラーとなった『知的生活の技術』をはじめ、『日本そして日本人』『日本史から見た日本人』『アメリカ史の真実(監修)』など多数の著作、監修がある。2017年4月、逝去。

「2022年 『60歳からの人生を楽しむ技術〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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