日教組 (新潮新書)

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著者 : 森口朗
  • 新潮社 (2010年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106103971

日教組 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 一気に読み終わった!
    日本の誇りを教えようとして、わけのわからない言いがかりをつけて呼び出しをくらった。
    怖い!日教組。

  • 日教組の成り立ちから今までの経緯を著者の視点から描いている。
    教育行政に携わる著者は、中立的な立場とはいえないが、根拠を示しているので、説得力はある。

  • 面白い。
    謎の悪の組織「日教組」は物心ついたころに知った。この組織が戦後日本をおかしくしたとか、国旗や国歌を踏みにじる教員がいるとか。
    ただ、本当に日教組に所属する教員がみんな共産主義者なのかというとさにあらず。実態に切り込んだ上で、現在もある程度の力を持つ日教組に対する処方箋を提示する。

  • 日教組というイデオロギーを知ろう!アンチ寄りな本です。ただ内容はちゃんと広く浅くだと思う。無理に中性的よりもこのくらい偏見を素直に出している方が読みやすいです。

    ただ流されやすい人は読むのに注意は必要。右に流れる。


    _____
    p3 学力テスト
     1964年に日教組が潰した。階級意識を生み出す学テは社会主義の敵を生み出すしくみ。

    p53 日教組はGHQの出した法に従っていただけ
     戦後の文部省は戦前の日本を完全否定する教育をする姿勢を見せなければいけなかった。「新教育指針」に則って日教組は教育活動をしただけ。
     聖職者である教師を労働者と考えるのは間違っているというのも、文部省が労働協約を結んで労働者としたんだから。
     政治活動をする日教組は政教分離を知らない。というのも当初政治活動は許されていた、それを文部省が後だしジャンケンで封じた。
     色々ある。悪いのは日教組だけではない。当然教育の柱を決める文部省と政権に一番の責任があるはずだ。

    p60 日教組の組織率減少
     1958年から減少し始めた。勤務評定の闘争でストライキを起こしたりして、世間からの見られ方も変わった。子供をないがしろにして自分たちの賃金闘争を繰り広げる教員への不信が広がった。

    p62 学力テスト②
     詳しく書いてある節

    p76 教育の神性
     教師が聖職者だったのは天皇が神様扱いされていたから。天皇の勅令(教育勅語)という神のお言葉を臣民に伝道する聖職者ということだったのだろう。戦後手のひら返しをします。
     丸山眞男は教師という疑似インテリゲンチャが日本にファシズム(全体主義)を蔓延させたという。

    p79 敗戦
     聖職者である教師にとって、敗戦は神の死であった。一億総手のひらを返しです。教師には新たに「民主主義」という唯物史観的絶対原理が与えられ、日教組という「教団」の代わりを作ることを認められたのである。
     新たなる…光!

    p80 平和教育
     教員は戦後平和教育に熱心だった。というのも、戦時中、若者を戦地に後押ししたのは教師たちであった。p84のデータでは青少年の義勇軍訓練所への入所動機は教員の勧めが一番だったとある。
     その罪滅ぼしである。反省しているのだから良いじゃない。もう二度と子供たちを戦地に送ってはいけない。
     …自衛隊も??

    p91 ピューリタンの体罰
     アメリカにおける体罰容認の根拠はピューリタンの宗教観である。「人は本来的に弱く、罪を背負っており、真の道徳的・自律的行為は成しえない」だから愚かな人間を成長させるには人格者である教師の愛のむちがあるくらいでないとダメなのである。という理論。

    p92 日本の体罰
     明治時代1879年の教育令の時代から体罰は禁止と法律にある。昔は体罰なんて当たり前だったというのは、「昔は法律なんかあってないようなものだった、それがよかった」というようなものである。おさるさんだね。
     日教組のせいで体罰がなくなったというのも微妙らしい。時期的に1970年代から減少するが、日教組の組織率が下がり始める時期と呼応する。単に戦前の体罰教師がやめていったからである。

    p98  人権は神なくしてはありえない
     人々に人権があるのはなぜか。それは神が与える絶対的な権利だからである。だから何人たりともこれを冒せない。というのが天賦人権論である。
     社会主義者が人権を言うが、唯物史観で言えば神なんてないのだから神家という用語を使うのは変だよね。
     1952年に日教組が作った「教師の倫理綱領」には人権について書かれていない。代わりに科学という言葉が多用されている。

    p112 八分の一理論
     田中角栄の権力理論。国政選挙で過半数をとる、... 続きを読む

  • 分かりやすく説明されてる。

  • 私には難しい本でした。思想背景や政党との関係を歴史を追って知ることはとても骨が折れます…一回読んだだけではよく分からなかったので、いつかまた読み返したいです。

    いくつか気になった点を羅列。
    ・幹部は密教信者
    ・保守政党である自民が日教組を非難しないのは、政治の道具だから。選挙前、両者はプロレスの関係に。また、日本型リベラリズムは共産主義に寛容だから。

  • 常に批判の矢面に立たされる印象の強い「日教組」ですが,私自身はその実態をあまりよく知らないので,大変参考になりました.日教組ばかりではないのですが,現在の日本の教育に,極めて深刻な問題が残されているのは事実だと思います.とは言え,この書が出されたのは民主党政権時代であり,現在は自民党政権に逆戻りしているため,冷静な目で見守っていけばよいと考えられます.

  • <印象に残った内容>

    戦前の教師=国家神道の教えを布教する聖職者
    →戦後、役割がなくなり、アイデンテティを失う。そこで出て来た考えが、「民主主義」
    戦後の教師=民主主義の教えを布教する聖職者(※ここで言う民主主義の内容が極端に左に偏っていると筆者は主張)

    <分かったこと>
    ・強い思想性を持った団体であったということ。
    規模が小さくなっているとは言え、
    ・民主党とのつながりが現在もとても強いということ。
    ・教育委員会がコントロールするのが難しいということ。

  •  日教組の結成から現代に至るまでの歴史を記述した本書は、共産党・社会党との関わりや政治に関するその影響力を詳しく説明してくれる。
     戦後、教職員組合を造ったのは、文部省である。文部省が発表した「新日本建設ノ教育方針」に納得しなかったGHQは「新教育指針」という日本の戦後教育のあり方を決定づける指針を出す。文部省は、これはGHQの意図に沿っているが、日本を民主的平和的な国家にするためとし、「押し付け」られた文書ではないとしている。その中で、①教育制度を民主化とすること ②教育の内容に民主主義を取り入れること ③生徒の人格を平等に尊重し、個性に応じる教育を行うこと ④自主的・協同的な生活および学習を訓練すること ⑤教師自身が民主的な修養を積むこととしている。そして、⑤の中に教員組合が勢力を増していくことが健全な発達としている。こうした流れを受けて、共産党系・非共産党系の組合に加入する教員が爆発的に増えていく。
     当初は戦後民主教育の信者として邁進していくが、敗戦から数年後、戦後民主主義者とは別の過激な日教組幹部が力を持つようになる。そして、1952年、日教組は教職員組合自らが決めた教師の指針「教師の倫理綱領」を発表する。一見、「新教育指針」と矛盾のないように思えるが、「科学的真理」「労働者」という部分が当時、科学的社会主義と自称していた共産主義を指していた。つまり、「教師の倫理綱領」の制定により、日教組は共産主義団体であると明確に規定することとなる。
     とはいうものの、日教組には共産党支持グループや内部対立はあるが政治理念が一致する多数の社会党グループが存在していた。そして、教師聖職論を中心に、主流派と非主流派に分岐していく。常識論に歩み寄る非主流派、暴走する主流派、そして60年代後半からは新左翼が流入してくる。なので、日教組を考える際、一枚岩で考えてはならない。
     そして、政治的にも自民党の55年体制が自社対立構造を擬した自社なれあい構造であったことにより、自民党も日教組となれあいになっていた事実がある。「日教組のが日本の教育をダメにした」という話があるが、それを助長させた政治的責任も大きいと思う。
     

  • 評価に値しない。

  • 部落差別をはじめとするあらゆる差別問題に真正面から向き合った経験のない保守の学者が書いた本を、日教組組合員である私がひととおり一読したということを前提に感想を述べると、納得できる部分、納得できない部分、自分の認識と異なる部分が出てきて、私にとっては波の激しい展開で構成されているなというのが率直な感想である。

    この著者が部落差別問題や在日朝鮮人差別問題に真正面から向き合ったときに、自分自身が綴ったこの文章をどうふり返るのかが非常に興味深い。
    もし自身が「教育評論家」と称するならば、ぜひとも上記の差別問題に真正面から向き合っていただきたい。
    そしてまたもう一度、日教組について論を展開してほしい。
    それが、日教組組合員である私からの提言である。

  • 積読している間に政権が自民党に戻ってきてしまった。
    この間、結局教員免許更新制は継続しているし、全国学力調査は悉皆に戻ったし、あまり大きな変化はなかった(ようだ)。「心のノート」は復活しそう。

  • 以前読んだ『創価学会』と同じように、なるべく中立的なスタンスからこの本は書かれています。

    日教組とはどのような組織なのか。
    ステレオタイプ化されている日教組の印象を分析しながら、誤りは誤りとして反証を示し、正しきは正しきとして実証をしていきます。

    また、民主党がなぜ日教組の言いなりなのか、日教組の現在はどうなのか、日教組をここまで存続させてきた存在は何なのか、という点もしっかり分析しています。

    それに、誤植も少ないです。

    悪印象を与えがちなのが、(僕の読解力の低さもあるでしょうが)ところどころ出てくる引用です。

    引用はふつう論議の裏付けに使うと思うのですが、この作者はちょっと違うようです。

    「このような主張をしている人たちがいます。 (引用を連ねる) しかし・・・」

    という風に、長々とした引用を読ませたうえで、それを逆接でつなげてくるので、少し混乱しました。

    ただ、日教組について、精通できる点はよかったですし、作者個人の意見は小さい字で書いてくれているので、整理はついていました。

    ”飲み屋的論法”で批判するだけでは何も変わらない。
    しっかりと実態を見つめて、事実をきちんと把握した上での批判が重要ですね。

    ★★★☆☆

  • わかりやすかった。
    何も知らない一般人に伝わるように書こうという心意気を感じた。

    前半の構成が特によい。
    まず「教師の倫理綱領」を紹介し、次に共産主義について詳しく説明した後で再度「倫理綱領」を提示すると、
    「なんということでしょう?!」となる部分は単純に面白い。

    国旗国歌のことでなぜあんなに大騒ぎしてニュースになるのか全然理解していなかったが、
    共産主義者にとって資本主義国家は打倒すべき存在なので、
    国家の象徴である国旗や国歌も当然憎悪の対象となる、ということだそうだ。
    軍国主義を思い出させるからかなーとなんとなく思っていたけれど、これって常識だったら恥ずかしい…

    しかし、日教組の人が全員共産主義者なわけはなく、一部の人が熱心に活動し、権力を握っているだけらしい。(顕教と密教)
    地域によっては100パーセント近い加入率の所もまだあるが、ほとんどの地域では組織率は
    低下し弱体化しているとのこと。

    民主党は日教組の言いなりらしいが、その理由が献金ではなく「選挙運動を手伝ってくれるから」というのは驚いた。
    選挙運動員にバイト代を出すことは公職選挙法で禁じられているので、
    運動員のボランティアをどう集めるかは大変な問題らしい。

    だいたいからして選挙運動に意味があると思えない。
    ビラを配っていても受け取らないし読まない。
    ホームページで政策を分かりやすく説明し、演説したければYouTubeにUPすれば、見たい人は見るでしょう。

    私の知らないところには選挙カーで連呼されていた名前についつい投票する人が沢山いるのか?
    むしろうるさくて頭にきて、絶対に投票せん!という人の方が多いと思うのに。

    組合費は先生達のお給料から天引きされているので、それを禁止すれば弱体化は容易だそうだ。
    それを放置した自民党も悪い、というお話でした。

  • 内容が本当なら何故この組織がこんなに注目されるんだろうか。史実をちゃんと教える意味でも文教施策は大事だね。隣国を見てると特につくづく感じる。

  • お勉強に本棚に眠っていた本を再読。
    うーん。社会主義とか共産主義のしっかりとした
    勉強が必要だなー。。

    と実感。個別の本よむとこれらの主義って
    納得しちゃうから怖いけど。w

  • 概略をさらうのには良書。現場にいた過去がありながら極力客観的に努めていることには好感が持てる。

    戦後の教育行政はある種の敗戦からの反動で、過去の全否定。

    それを現代に至るまで愚直にまで追及しているのがこの組織。

    過程において完全に手段が目的化してしまっているのには笑える。

  • 本書は、日本教職員組合-略称「日教組」-の設立から今日に至るまでの歴史と思想を追ったものである。ただし、巷のいわゆる「飲み屋論壇」とは異なり、長年批判されてきたにも関わらず、なぜ組織は存続できたのか、あるいは、なぜ今なお三〇万人近くの教員が所属し続けているのかといった「謎」を史料に基づいて分析している。

    例えば、文部省(文科省)と日教組は長年対立関係にあったと思われがちである。だが、元をたどれば、日教組は「文部省から手渡された「新教育指針」という手引書によって誕生し、その手引書の教えを愚直に守ってきた」(p.52)だけであり、むしろ協力関係にあったと指摘する。また、最近では自民党が民主党批判のネタとして日教組を取り上げることが多い。しかし、これについても、両者(日教組と文部省)の対立が表面化した後、五五年体制で政権を握ってきた自民党は「自社なれあい構造」(p.186)を文教部門にも持ち込み、日教組を(弱体化は図りつつも)存続させてきた過去を明らかにし、今日まで選挙時の「浮動票獲得のネタ」(p.199)に利用してきたに過ぎないとして、自民党の責任を追及している。

    著者は、教育正常化のためには日教組の弱体化が不可欠であると述べているように、日教組には批判的な立場を採る。しかし、巷の「何でも日教組が悪い」という議論には与しない。むしろ、本書が最も批判の対象としているのは、そうした無責任な日教組批判-例えば、自称“保守”政治家による批判など-であると言えよう。批判する以上は、まずは敵の正体を正しく理解してから・・・という著者の姿勢には見習うべきものがある。

  • 読み進めていくと、確かにその通りとうなずくところ多々あり。日教組について知りたいのであれば、一読の価値あり。わかりやすかったです。

  • 日教組というと、現代教育の諸悪の根元のような言われ方をしている先生の組合というようにしか知識がなく、本当のところ一体何なんだろうと思い、本書を手にした。

    私の認識それ自体はまさにその通りだったのだが、果たして実態は必ずしもそうではないらしい。ということはわかったが、どうもなんとなくピンとこない…。

    著者いわく、本来はたいした力もない弱体団体だったのが、民主党政権になったことで俄然権力を手にし、今後の政治的動きに要注意、ということなのだが…。
    こんな旧態然とした団体が幅を利かせていることに、限りなく違和感を覚えたことだけは確か。

  •  公立学校の教職員の労働組合である日本教職員組合、略して日教組について一般向けに解説した入門書的な本。

     日教組というと、反日的な歴史教育、組合員たる教員の政治活動の参加、子供への過保護(体罰禁止など)といった事柄で悪名高いが、思えば自分は日教組について詳しいことは知らないので、参考のために読んでみることに。

     著者は多くの日教組批判はデタラメであると述べた上で、日教組に関係する事件を取り上げつつ「戦後民主主義の申し子」と形容する。どういうことかと言えば、反日的教育=自虐史観は1947年5月15日、文部省(現・文部科学省)発表の「新教育方針」に従ったカリキュラムに基づくものに過ぎないし、政治活動についても文部省との労働協約で保障されたものだし、体罰禁止も既に1879年の「学校令」で定められていたもので、戦後になって初めて決まった方針ではない、といったことである。

     日教組と文部省(+自民党)は文教政策を巡って対立関係にあることが認知されているが、それはプロレスショーに過ぎず、共犯関係にあったのだと言う。そうすることで日教組と文部省はそれぞれ自分に向けられた批判の矛先を相手に逸らすことができるし、自民党は日教組を叩くことで保守票を取り込める。

     著者は日教組を一種の宗教組織に準える。戦後民主主義を布教するムラ社会的な組織だと。日教組が基本的人権の尊重を掲げる戦後民主主義と、人権を認めない共産主義という、相容れない思想を同時に標榜していたのは、インテリ層を取り込むためだったそうな。そう言えば日本のリベラル派はどこか共産主義的なイメージがある。

     私も日教組に所属する教員の中に、「尊敬する人は金日成主席」と言う人や、自衛隊員を父に持つ小学生に対して「○○くんのお父さんの仕事は人殺しです」と言う人のような極端な思想の持ち主がいることを聞いたことから、悪い意味で左翼的な組織だとは思っていた。

     だが、「日教組が日本を堕落させた元凶」といったような感情的、短絡的批判にも賛同できなかった。有力とはいえ、たかが一労働組合が1億人以上の人口を抱える国全体を左右すると考えるのは、過大評価が甚だしいと思っていたから。著者の主張に従えば、教育現場の現状や、文教政策について日教組だけを批判するのは片手落ちである。日教組を生かしてきた文部省(文科省)も視野に入れて批判するべきだと言う。

     戦後の政治や社会にも密接に関わる話なので、結構勉強になった。

  •  日教組の歴史が要領よくまとめてある。社会党,共産党との関係や,新左翼による加入戦術なども。
     昔通っていた小学校に,ギターで「戦争を知らない子供たち」を弾き語る先生がいた。他にも学校って色々と不思議な違和感あったけど,戦後教育とはこんなものだったのかーというのは大人になってから本を読んで知った。
     成人してから膝ポンすることって他にもいろいろある。成長するって過去を体系づけていくこと。脳の記憶容量は人生でそんな変わんない。情報は,大人になるほど効率よく圧縮されてしまってある。

  • (推薦者コメント)
    日教組についての解説。批判的観点に偏り過ぎずに問題点を指摘する。日教組が子供に及ぼす影響とは何か。

  • わかりやすい。全盛期の日教組なんかが知れて満足。
    満足度7

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