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- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104077
感想・レビュー・書評
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「葬式仏教」というレールの上でしか、社会的な役割を果たせなくなっている現代のお寺のあり方に対し、その延長線上で留まっていては、近い将来大多数のお寺が、たち行かなくなると警鐘を鳴らす。
それでは、お寺が目指すべき方向性は何か?
筆者は、自己の経験を紹介しつつ、「寺は社会的関係性を呼び込むプラットフォームの様な役割を果たすべき」と論ずる。
すなわち、「死」という契機から社会と関わるのではなく、人の生涯全般に渡って関与するもので無くてはならないとするのである。そこには、医療や看取り、介護、あるいは住まい、相続などの全般的な生活課題が含まれる。
仏教とは本来、生きにくく、苦に満ちた現世に於いて、どの様に折り合いを付けていく術を説いたものであったはず。現代日本の仏教は、本来の仏教の役割に立ち返り、今を生きる人々の苦悩に寄り添い、それにどの様に応えていくのかが今まさに問われているのである。詳細をみるコメント0件をすべて表示