アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)

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  • 新潮社 (2011年2月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104091

アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 急速に経済発展を遂げているアフリカについて書かれた本.新興国市場としては中国やインドが取り上げられることが多いが,これらの国はすでにかなり発展してしまった感が強い.アフリカはまさにこれから発展しようとしている途中であり,なかなかおもしろい市場だと思えるようになった.気になったトピックをいくつか.

    ・携帯マサイ(ケニア、ウガンダ)
    最近のマサイ族は携帯電話を使用しているらしい.固定電話回線を敷くよりもアンテナを立てる方が安上がりなのだとか.先進国では固定電話から携帯電話という発展の歴史があったが,そういった固定観念を捨てることが新興国市場を攻める上では必要かもしれない.

    ・移民の受け入れと歪み(南アフリカ、ジンバブエ)
    ジンバブエでの歴史的インフレは周知の事実だが,その後経済状態の芳しくないジンバブエ人は仕事を求めて南アフリカへと移民している.そして安価な労働力としてのジンバブエ人と現地で職を探す南アフリカ人との間で敵対感情が生まれている.ドイツなどで起きた移民問題が新興国の間でも起きており,新興国の間にも格差による問題が起きている.

    ・中国の対アフリカ政策(エチオピア、ザンビア)
    中国が国を挙げてアフリカ攻略を狙っているようだ.中国とアフリカがくっついてしまうと,世界の天然資源の大部分を中国に押さえられてしまうだろう.しかし成功しているところもあれば,無理な展開で労働災害からデモ活動が起きるなど歪みも生まれている.個人的な考察になるが,他の国に進出するときは安価な労働力や資源にすぐに目がいってしまうが,フェアな条件でその国と協調関係を築きその関係を維持していくことが重要になるのではないかと思う.

  • 「先進国の食い物にされる大陸」

    アフリカのイメージはこうだったし、本書を読んでも変わらなかった。

    そしてアフリカが自立するにはまだまだ時間がかかるとも感じた。

    仕方ないことかも知れないが、他国の資本や知識を流入させ基礎を築いてからでなければ、「アフリカ独自の発展」は望めない。

    そんな伸び盛りな国故にビジネスチャンスは多い。

    しかし、「今の日本」はイメージ先行で大きく進出できず仕舞いなことがもったいない(不毛地帯のような時代の日本なら絶対進出していたはず)。

    逆に中国は政府の意向も汲みつつ私企業がどんどん進出している。

    そんな中で中国のアフリカでの強さは資金力ではなく、私企業であっても「国益とは?」という当事者意識を持って、ある意味で政府と連携して(チームワークを持って)事業展開している点にあると思った。

    どんな分野でも一人でできることよりチームプレイの方ができることは増えることの実例。

  • 2010年に3回シリーズで放映されたNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材をベースに執筆された本。東アフリカの現状をを、ケニア、ウガンダ、ルワンダ、エチオピア、ザンビア、タンザニア、ボツアナ、ジンバブエ、南アフリカの順で紹介している。
    民族紛争など様々な問題を抱えつつも豊富な鉱物資源をベースに発展し続けているアフリカの状況が理解できた。本書から7年、更に発展しているんだろうなあ。それにしてもアフリカに投資し続ける中国の動きが不気味。

  • これから有望な世界での市場はとなると、アジア、アフリカとなるが、アジアについてはかろうじて語れるものの、アフリカについては無知であった。

    したがって、本書を借りてきた。題名が「アフリカ 資本主義最後のフロンティア」NHKスペシャル取材班である。

    では早速内容を紹介していこう。

    アフリカにとって1960年は記念すべき年だった。ナイジェリア、カメルーン、コンゴなど17もの国がヨーロッパの宗主国から独立を果たし、「アフリカの年」と呼ばれた。

    しかし、アフリカの希望を謳った言葉に反して、独立を果たした国々の現実は過酷なものだった。待ち受けていたのは、紛争、貧困、エイズ、汚職、さらには新植民地主義とも呼ばれる先進国による支配と収奪にも振り回されてきた。

    アフリカには必ずしも、「希望」、「友愛」、「尊厳」をもたらさなかった。

    ところが、今、アフリカにはこれまでない新しい風が吹き始めている。21世紀に入ってグローバリゼーションが加速度的に進み、これまでなかった、人材・情報・マネーの流れが生まれ、アフリカを動かしているのだ。

    1994年に民族の対立で100万人が虐殺されたルワンダでは「アフリカの奇跡」と呼ばれるほど目覚ましい復興を続けている。

    その復興を支えているのが、ルワンダの発展を見越して海外から祖国に帰国してきた“ディアスポラ”と呼ばれる優秀な人材だ。

    9億人の巨大市場に期待を寄せる世界のマネーは、伝統的な生活を送ってきたマサイ族の伝統も変えつつある。携帯電話の売り込みは熾烈を極め、マサイ族のほとんどが携帯電話を駆使した生活を送るようになったのだ。

    資源の現場でも、新しい現象が起きている。二エレンが初代大統領になったタンザニアは「21世紀のゴールドラッシュ」とも呼ばれる金採掘ブームに沸いているが、そこでは資源メジャーと地元の採掘業者との力関係が変わりつつある。

    これまで資源メジャーの支配に甘んじていた地元の業者が、インターネットを駆使して金の世界市場での相場をチェックして、もっとも高く金を買ってくれる所に販売するようになった。

    インターネットのお陰で小さいながらも自立できるようなったのだ。タンザニア政府もこのような地元の業者を育成することが国の将来につながると考え始めている。

    ボツワナでは、巨大企業デビアスに対して、国が主導権を持って交渉できるようになった。交渉の材料としたのは、ダイアモンド原石の残り少ない埋蔵量と世界市場の動向という情報だった。

    世界に張り巡らされたネットワークから得られる情報を武器にすることができれば、弱者も強者と対抗する力を持つことができるようなる。

    グローバリゼーションは、これまで先進国がアフリカから資源などの富を収奪するためのものだった。しかし知恵を使って、新たな人材・情報・マネーを活かせばグローバリゼーションを順風に変え、自立への追い風に変えることができる。

    そうしたことに気づき、実現した人々をアフリカの各地で見られるようになった。もちろんアフリカから、貧困、紛争、汚職などが消え去ったわけではないが、今、確実に新しい時代への胎動が始まっている。

    エチオピアでは、今携帯電話元年を迎えている。(注・この本が刊行されたのは2010年)
    2年前まで携帯電話を使えたのは、人口の1%以下にすぎなかったが、2010年のはじめには10倍に急増。国内で使われている携帯電話端末も600万台を超えている。

    この急ピッチの通信インフラの整備の立役者が中国でも有数の通信機器メーカーZTEである。鉄塔の建設から、アンテナや通信機器の設置、調整、メンテナンスまで、通信ネットワークの整備のすべて一社独占で請け負っている。

    都市部から3000メートルを超える山間部の農村にいたるまで、日本の3倍の広さの国土全域に通信ネットワークを完成させようとする巨大プロジェクトだ。

    ZTEの寥永康副社長は言う。「独占的に一国の通信ネットワークを建設するのは世界初の挑戦です。大きな困難をともなう巨大な事業ですが、中国とアフリカの将来を占うプロジェクトですから、失敗は絶対に許されません」

    南部の山間部を整備を担当する荊恒揮さんはこういう。「ZTEはどんな環境のきびしいところでも一級の技術者を大量におくりこんでいます。それが現地との信頼関係につながっているのです」

    給料が2倍になるエチオピアで3年がんばれば、中国でマイホームを買うときの頭金が貯まるという。

    荊さん曰く「妻にいい暮らしをさせるため頑張りますよ。自分だけなら中国で稼げばいいけどね」

    彼らにはどんなに厳しくともアフリカにこなければいけない理由がある。2010年中国の大卒者は670万人。既卒者も含めると800万人になる。これらが労働市場に流れ込んでくる。彼らのうち定職に就けるのは、その半分だという。

    アフリカでは、欧米の現場とは違って、車両の整備や、鉄塔の建設工事もすべて自力でカバーしなければならない。一方のアフリカ諸国にとって一流の技術者が大量に現場レベルにまできて仕事をしてくれることは、自国の人材育成、ひいては技術移転につながるというメリットもある。

    このように携帯電話の普及でアフリカ人の生活が一変したと前半で述べたが、携帯電話が使えない国でも、それを実現するために国家を挙げて海外から投資を呼び込んでいて、アフリカと投資国がWin-winの関係になるのだ。

    ここに書いたことは、本書のほんの触りにしか過ぎない。アフリカの経済情勢を知りたい方は是非本書を読んでほしい。

  • 久しぶりのアフリカ!
    移民のパワーに関して良く考えてたよねー。ということを思い出す。

  • アフリカの現実を、現地の人々のそれぞれの視点から語られていて面白かった。
    また、非常に読みやすく、ざっくりとした歴史の概要もわかり、読みやすい。

    「開発」する主体が旧植民地国からアフリカのそれぞれの国に移ってきていることが強調されていたが、結局それぞれの国の上流の、資本を持ち、人脈を持ち、海外で教育を受けた人たちの話が中心に思えた。
    これはかつて南米で起きたことにも似ているような気がする。
    つまり、ナオミクラインが「ショックドクトリン」で描いたような、新自由主義的な政府が主体となって、公共物を私物化していく。その利益は「国益」とされるが、国民には還元されない。テクノクラートと呼ばれる、アメリカの有名大学帰りのエリートたちやその人脈に通じる人々のみがその恩恵を受ける。
    そして彼らが主張することは、規制を緩和して海外の投資を呼び込むということ、そしてその海外の投資案件を自分の持っている会社の利益としていくということ。
    これらの要素が非常に似ているように思えた。
    結局、大資本を持つ、政権中枢部に近い人々が高級ショッピングモールを建てたり、高級ホテルを建てたりする話が主なモノだったように思える。
    このことは本書での取材先のアフリカの多くの国に共通なことのように思え、それを発展として捉えていいものかと思った。
    ただ、本書の素晴らしい点は、しっかりとそこに住んでいる、すむしかない人たちのひたむきな経済活動、そこから生まれる地場産業を捉えていたことだ。
    特に素晴らしいと思ったのは、タンザニアの金鉱山の話だ。
    金は「みんなのもの」として、多くの雇用者に対する安全への配慮や投資、そして利益を病院や井戸の建設へ還元する姿勢。
    こうしたその地の資源がその場で還元されること、この循環がうまくいくことこそが「経済発展」と呼べるのではないだろうか。
    この本はアフリカの小さな、しかし大きな意味を待つ循環を捉えている。
    その一点だけでもこの本は素晴らしい。

  • 2009年GDPの280%に及ぶ債務残高でワースト1の財政赤字国だったジンバブエ。白人の農園を黒人に強制的に再分配したムガベ大統領。 反発した欧米が経済制裁を課し、財政赤字が膨らんだ。赤字補填のために通過を大量発行したためインフレが起きた。 人々が食品を買い占めたためにモノが不足し、さらに物価が急上昇。紙幣がどんどん発行されるなかで、物価コントロールができなくなった。ジンバブエの通過は消滅し、アメリカドルが使われている。

    戦後、世界に例のない猛烈なインフレの中でも、財産を築いた人たちがいた。ワニを飼育して革をグッチやプラダなど欧米の高級ブランドに売り、ワニ肉を中国に売って外貨を稼いだ企業。 超インフレで地価が暴落したときに、倒産した会社などから破格の値段で大量に土地を買い占めた企業など。

    日本もこれから大きくインフレになると、海外から外貨を稼げる人たちが強くなるのでしょう。

  • 中国人は大学を卒業してもアフリカに来なければ仕事がないから、勇んでくる。
    アフリカの人々はとにかくたくましい。

  • アフリカの各国の特色、問題、歴史がざっくりとわかる。
    曖昧に、アフリカに対して興味を持っている人の好奇心を満たす一冊

  • アフリカと言っても、アフリカの中には多くの国や文化が存在し、多くの人が暮らしている。まだまだ知らないことばかりだけど、もっと多くのことを知りたいと思った!
    野うさぎが輝く日がきっと近いうちに来るのだと思う!

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アフリカ―資本主義最後のフロンティア (新潮新書)の作品紹介

いまアフリカに、世界中の熱い視線が注がれている。「大虐殺の地」ルワンダは「アフリカのシンガポール」を目標に急成長。マサイ族の生活も携帯電話の普及で一変した。タンザニアやボツワナは、資源をテコに「中進国」への戦略を描く。不幸な歴史に苦しめられてきた豊かなる大地で何が起きているのか。大反響を呼んだNHKスペシャル「アフリカンドリーム」の取材チームが深層に迫る。

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