ラー油とハイボール: 時代の空気は「食」でつかむ (新潮新書 418)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104183

感想・レビュー・書評

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  • 雑誌連載エッセイの新書版。食ビジネスの旬な話題を選び、その裏側や理屈について、専門性を排して解りやすく伝えてくれる。
    ラー油もハイボールも、実際には1ページしか登場しないが、広い領域を柔らかい解釈でカバーしているので、「食」以外の分野でも応用できそうな示唆を多く感じる。
    殊に「食」に関して言えば、産業としての効率主義からの脱却の是非が議論の種になりやすく、そんな視線から、時代の良い鑑が言及されている本だった。

  • 良い意味で、裏切られた。ラー油とハイボールの話はほんの少しで、飲食全般のヒット商品分析が面白い。コラーゲンの件はちょっとショック。プラシーボエフェクトということなのね。
    著者は、元博報堂。

  • ・居酒屋アルバイトの注意の仕方だが、
     言葉遣いを重点的に注意することで
     他の言動がよくなる。 なるへそ

    ・焼酎系の方がビールより儲かるのね....
     

  • 「食を通じて時代の心理的変化を見る」というテーマのもと、こまごまとしたトピックスが展開される。

    店舗にもドラマチックさ(ストーリー)を求められる。※AKBなどと同様に。

    共感>ウンチク。

    限定することにより拡大するものもある。※モーニングショット、ビルズ。

    ニッチ(マニアック)によるキャラクターの打ち出し。北海道、沖縄、京都は名産品がギュッと訴えてくる。千葉はたくさん名産品はあるが拡散してぼやけている。

    ゼロから作らない。既存のものを組み合わせたり、軸をずらしたり。軸とは時間や人間や相性など。

    以下、心構え。

    (1)飲食店では家庭にはないものをつくる。食材(ネットにより家庭で楽しめる食材の流通の幅は広がった)、調理法(炭火焼や秘伝のタレなど)、技術。昔と逆を張ってさといもの煮転がしなど。

    (2)サードプレイスとしての役割。飲食店はその街の試算でなければならない。

  • 第4章の「思考停止しないために」は、ステレオタイプに陥らないようにということか。

  • ビールに対するハイボールのポジションは「そうだよなぁ~」と思えます。ラー油に関しても「そうかなぁ」と思えます。

    ちょっと物足りなさを感じたのは、ビジネスに関する考察について。原価や人件費や店舗の家賃などもうちょっと突っ込んで書かれていると嬉しかった。

  • 既定の組み合わせを「ずらす」ことで新しい価値、ポジショニングを見出すことを説いた本。内容は読み物として面白いので、出張帰りの新幹線の中などでちょっとリラックスして読むにはよい。
    マーケティング本として読んでしまうと話自体はよいが、ロジックには昇華していないので物足りない。

  • ラー油とハイボールばかり書いているのではなく、食の基本的なマーケティングについて。カフェはプロダクトアウトがいいのかマーケットインがいいのか。考えさせられた。

  • ・狭めることで価値を出す。
    ・程よいニッチを狙う。トンテキとか。
    ・過剰生産の続く流通に終止符を!
    ・コーヒーと紅茶のようなアンバランスなペアを見つける。
    ・〜なのに!を大切に。

  • 「食べるラー油」やハイボール等が大人気となった背景を述べているが、著者自身の論理というよりは結果論をただ記述している印象が強かった。
    しかし、後半部分にある、情報を鵜呑みにすることの危険性や、複数の視点・立場に立って物事を考えることの重要性を説いている点については、全く同感だ。食品だけに限らず、あらゆるシーンにおいて必要なスタンスだと思う。

    「幅広く情報をキャッチすること、複数の背景・視点・価値観を考慮して物事の是非を判断すること。」
    今の自分にまさに必要だと思った。

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