ラー油とハイボール: 時代の空気は「食」でつかむ (新潮新書 418)
- 新潮社 (2011年5月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104183
感想・レビュー・書評
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雑誌連載エッセイの新書版。食ビジネスの旬な話題を選び、その裏側や理屈について、専門性を排して解りやすく伝えてくれる。
ラー油もハイボールも、実際には1ページしか登場しないが、広い領域を柔らかい解釈でカバーしているので、「食」以外の分野でも応用できそうな示唆を多く感じる。
殊に「食」に関して言えば、産業としての効率主義からの脱却の是非が議論の種になりやすく、そんな視線から、時代の良い鑑が言及されている本だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
良い意味で、裏切られた。ラー油とハイボールの話はほんの少しで、飲食全般のヒット商品分析が面白い。コラーゲンの件はちょっとショック。プラシーボエフェクトということなのね。
著者は、元博報堂。 -
第4章の「思考停止しないために」は、ステレオタイプに陥らないようにということか。
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既定の組み合わせを「ずらす」ことで新しい価値、ポジショニングを見出すことを説いた本。内容は読み物として面白いので、出張帰りの新幹線の中などでちょっとリラックスして読むにはよい。
マーケティング本として読んでしまうと話自体はよいが、ロジックには昇華していないので物足りない。 -
ラー油とハイボールばかり書いているのではなく、食の基本的なマーケティングについて。カフェはプロダクトアウトがいいのかマーケットインがいいのか。考えさせられた。
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・狭めることで価値を出す。
・程よいニッチを狙う。トンテキとか。
・過剰生産の続く流通に終止符を!
・コーヒーと紅茶のようなアンバランスなペアを見つける。
・〜なのに!を大切に。
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「食べるラー油」やハイボール等が大人気となった背景を述べているが、著者自身の論理というよりは結果論をただ記述している印象が強かった。
しかし、後半部分にある、情報を鵜呑みにすることの危険性や、複数の視点・立場に立って物事を考えることの重要性を説いている点については、全く同感だ。食品だけに限らず、あらゆるシーンにおいて必要なスタンスだと思う。
「幅広く情報をキャッチすること、複数の背景・視点・価値観を考慮して物事の是非を判断すること。」
今の自分にまさに必要だと思った。