マイ仏教 (新潮新書 421)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104213

作品紹介・あらすじ

人生は苦。世の中は諸行無常。でも、「そこがいいんじゃない!」と唱えれば、きっと明るい未来が見えてくる。住職を夢見ていた仏像少年時代、青春という名の「荒行」、大人になって再燃した仏像ブーム。辛いときや苦しいとき、いつもそこには仏教があった。グッとくる仏像、煩悩まみれの自分と付き合う方法、地獄ブームと後ろメタファー、ご機嫌な菩薩行…。その意外な魅力や面白さを伝える、M・J流仏教入門。

感想・レビュー・書評

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  • 1章 仏像少年、2章 青春という名の荒業、がとにかく馬鹿馬鹿しくて面白くて、笑いました。

    仏教の話を交えてるんだけど、中二病的な要素もいっぱいあって哲学的でもある。特に仏教中学の話がサイコー。

    全体通して造語のオンパレードは、必読。

    3章以降は仏教のお話により重きを置いて書かれてます。これも面白い。

    仏教の用語的に知っていることが多かったけれども、話し口、切り口が楽しいので、どんどん読めます。

    4章の地獄の話が、とても興味深かった。
    地獄がこんなにたくさんあって、何十何百兆年も苦しめられるところだったなんて!こわい!そしてやっぱり面白い。

    マイ仏教。
    自分だけの念仏を唱える。
    ぶつぶつ。

    これは突然実用的。

    マイ住職を自分の中に住まわせる発想。
    己との対話。自分無くしの対話。

    新書の最終ページの白黒のみうらじゅんから後光がさしてる気がしきた。

  • 図書館で借りてきた本だが、これはいつか買わねばならぬ本だった。
    みうらさんが語るマイ仏教は優しい。そして、気高い。それは、みうらさんが仏教の思想を通して培ってきた、いかに、生きることを光り輝くものとしようと修行してきたか、を示すものだと思う。
    後ろメタファー、僕滅運動、比較三原則などいかにもみうらさんらしい造語が入り乱れるのも、またたのし。世界平和は難しいけど、周囲の平和を目指してグレイト余生を生きていく。
    なんだろう、とても優しい気持ちになれる本だった。

  • 面白かったです。
    とてもとっつきやすくてそしてクスクス笑ってしまう、仏教について書かれた本です。
    人間みんな「接客行」、ポジティブに「あきらめる」、後ろメタファー、不安タスティック、「そこがいいんじゃない!」
    太宰治の「生まれて、すみません」という後ろメタファー、そして松本清張地獄。。
    「人生は苦である」…わたしも自分を無くしながら、グレイト余生を過ごそうと思いました。

    イマジンや般若心経、ディランのところを読んでいて、これは…!と思ったので、これを踏まえながら、小川洋子さんの「密やかな結晶」を再読しようと思いました。


  • ○オールシングスマストパス 
    全てことは移りゆく、諸行無常

    今たまたまそのように作られて現象しているにすぎない
    人間はどうやら死ぬらしい
    あきらめる→真理を明らかにする 
    覚悟した上で生きる 死ぬことを前提として

    ○自分らしさはいらない
    大人になると、本当はできるのに
    変わることを恐れて、できないと決めつけて変化を拒む。
    自分らしきものがあると思ってる。
    そして、それをキープしようとしている。
    自分らしさへの可能性については熱心なのですが、自分をなくす可能性には目を向けない

    自分をなくすことから
    自分なんて大したことないと認めること

    人間は弱いもので、常に自分を他人と比較して生きている。比較しないと自分が今どのような位置に立っているか自覚できない、そこから解放してあげる。楽になる


    そこが良いのよ
    苦しみからの解放する自分だけの念仏 
    少し楽になる

  • 実家の本棚より拝借。
    すぐに読める。
    みうら氏の仏教との関わりや、人生振り返りエッセイのほか、仏教の概念をみうら氏の言葉で噛み砕いた説明のある本。
    相変わらず、この人はネーミングがうまい。
    中高時代のエピソードが笑えた。
    わずかながら、松本清張にも触れてあった。
    みうら氏が40代になって、突如として、松本清張に開眼したのは最近別のところで知っていた。
    いわく、清張には、「後ろメタファー」がある、と。

  • 言葉で脳を惑わす。不安タスティックと、そこがいいんじゃない!困ったらそれを唱える。愉快になる。
    マイ住職が助けてくれる。

    自分なくし、僕滅運動。相手の機嫌を取る。

    次のマイブームはこれです、といって周りの人を楽しませる。自分が楽しいというよりは周りの人を楽しませるためにやってるマイブーム。

    自分なくしと、念仏作戦だな。

  • 面白かった。この人の行動原理というか、考え方の源みたいなのがわかって、それが面白く感じた。なんか変なことをしてる人だと思ってたけど、わざわざ変なことをしてる人と思われるためにいろいろしてるというのが、可愛い。それは、辛かろう。

    仏教の思想がわかりやすかった。また、その教えを自分なりに生かして生きやすくしているというのか、よい。悩んだとき、「いや、自分なんてなくていいんだ」「よし、周りのゴキゲン取ってやろうじゃないか」と考えるのは楽しそうだ。周りがゴキゲンなら、自分だって楽しい。本音の暗い話をするより、ちょっとくらいリップサービスでも面白い話をした方がいい。修行だから辛いかもしれないけど、どうしたって辛い人生を、周りを楽しくさせるというメリットに支えられながらやり過ごしていくことを、誰が否定できようか。

    仏教に興味を持つきっかけに、入り口になるような本だなあと思った。テレビでたまにみうらじゅんさんを見かけて面白いけど芯のある人だなと思ってたけど、本を読んでますます好きになった。

    不安なのは、自分にそこまでのめり込むものがないということだけど、それも今までセーブしてきたのかもしれない。修行だ、と思ってそういうのに溺れてみるのも面白いのかも。とにかく、宗教も、今を生きる人の役に立てたい方法で役立てられればいいのだと思うし、みうらさんもああせいこうせいとは言わないから、何か役に立つところがあれば、という姿勢なのが読みやすかった。よい本でした。

    みうらさんは分かりやすく覚えやすいように仏教用語をカスタマイズしていて、王道とされる仏教とは違うのかもしれないけど、そもそも仏教の目的が民を救うことなのだから、それをやろうとして、広めようとしている三浦さんは、お坊さんよりお坊さんなんじゃないか。むしろ批判する仏教関係者がいたら、それは、自分自身の権威(金)が落ちることをおそれている、煩悩に蝕まれた考えなんじゃないかと思う。

    心を砕いて、これだけ面白く仏教を語ってくれたみうさんはすごい。私もばんばん、周りのゴキゲン取りたいなと思った。

  • ・諸行無常(すべてのことは変化する)と諸法無我(この世に実体はない)
    ⇒「比較」するから苦しみが生まれる。苦しみは煩悩から生まれる。
    ・念仏戦法は、人間が言葉に洗脳されている状況を逆手にとって、少しでもポジティブになるという生きる知恵
    ・自分探しよりも「自分なくし」。若いころは変わることがポジティブなのに、年をとると変わることがネガティブになる。
    ・ご機嫌をとることの重要性

    仏教の教えを自分なりに消化して、生きる指針にしているあたりが、宗教というものをうまく利用していると思うとともに、そもそも人間の根本は2,000年以上前からほとんど変化してないのだとも感じた。念仏戦法はさっそく自分にも取り入れたい。

  • みうらじゅん氏の仏像好きは有名な話ではありますが、仏教について詳しく話しているのは読んだ事ありませんでした。確かに仏像ってかっこいいですよね。

  • 何か辛いことがあったら、「そこがいいんじゃない」と思う。たしかに前向きになれる。
    自分もかねてから辛い時や嫌なことがあったら「ちょうどいい」と思うようにしてた。
    新たな魔法の言葉を発見。

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著者プロフィール

作家・イラストレーター

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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