復興の精神 (新潮新書 422)

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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104220

作品紹介・あらすじ

東日本大震災以降、私たちはどのように考え、どのように行動し、どのように生きていくべきなのか。すべての日本人が向き合わねばならないこの問いに、九人の著者が正面から答えた。「精神の復興需要が起きる」「変化を怖れるな」「私欲を捨てよ」「無用な不安はお捨てなさい」「どん底は続かない」…その言葉は時に優しく、時に厳しい。3・11以降を生きていくための杖となる一冊。

感想・レビュー・書評

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  • この本の企画がいいなと思った。
    有事のあとに、我々は何をするべきか、どう考えるか、、、ということを、新潮新書編集部が発したいというに対して著名人が正面から応えた…ものとなっています。

    養老孟司氏の著書は何冊か読んできていますが、この原稿だけでも氏の集大成のような感じさえしてしまうほど、明確で深みのある言葉だと感じました。

    また、普段のモヤモヤを南直哉さんの言葉によってスッキリできました。
    この両名が個人的にはとても面白かった。

    軽い気持ちで借りたけどすごく重みのある書だった。
    本当に、悩める学生たちに読んでほしい。

  • 武道の極意は先手を取ること。状況を自分がコントロールするようになること。
    何かあった時には最終的にプラスになると考えるしかない。
    変化を正面から受け止めて、未来が明るいと信じなければならない。
    原発事故は日本の文明の在り方に重大な問題を投げかけた。
    東北人は不言実行の辛抱強い体質である。一度心を許しあったら、決して裏切らない。

  • 震災について、様々な方が綴ったものを一冊にまとめた本。

    人生は答え。
    問いではない。


    今、変わらないで、
    いつ変わるのだろうか。

  • 東日本大震災以降に様々な人が震災やそれに関連した物事に対して思うところを書いた書籍である。
    個人的には南直哉氏と大井玄氏の文章を読んで考えさせられた。

  • 瀬戸内寂聴さんの無常ーどん底は続かないの中で、私たちはどんな不幸の中でも決して絶望してはならない。暗闇の空に希望の星を見出す力を人間は与えたれてこれまで生きてきた。被災者の皆様の御苦労と悲痛な体験を思うたび、いたたまれない。一年数ヶ月経ち、復興への思いやる気持ち、支援が薄くなっている状況に思われます。思いをこれからも被災地にもち続ける事が大切な一人一人の人生に繋がることだと思います。養老孟司さんの精神の復興需要の中では、生きていれば、さまざまな悪いことが起こる。悪いことがあると人は無理やりに色々なことを学べる。いいことというのは、その時点がピークで、そこから学ぶということはないと言っている。

  • 東日本大震災を受けて、課題と展望を養老孟司氏、茂木健一郎氏、橋本治氏など各界の著名人が各々の切り口で語っている。捉え方はそれぞれだが、共通しているのは、この未曾有の大震災を活かしていく必要がある、ということ。
    勉強になりました。

  • 東日本大震災から1年4ヶ月が経った。震災直後は、関東に住む人間も、東北の痛みを分かち合い、譲り合って生きているように見えた。しかし、いまその風潮はなくなり、震災前と同じような風潮になっているのではないか。そんな疑問からこの本を読んだ。
    この本は震災から3ヶ月後に出版された。茂木健一郎、養老孟司など9人が、当時の気持ちと復興に必要な精神性を述べている。
    共通しているのは、私たち日本人が今までの概念を変えなければならないと主張している点だ。今まで、私たちは利便性を求め、経済を最優先し、進んできた。その結果が福島原発の事故につながっている。
    未曾有の大震災を粛々と受け止め、譲り合い、分かち合う日本人の精神は素晴らしい。しかし、贅沢を望み、豊かな暮らしを望み続けてきた煩悩を転換することが求められている。

  • 養老孟司:もちろん一致団結は悪いコトではありません。しかしそれが言論統制になってはいけない 茂木健一郎:復興の精神は、日本人の変化への希望の中にこそ、見出されるのだ山内昌之:公欲のために私欲を捨てよう 瀬戸内寂聴:私たちはどんな不幸の中でも決して絶望してはならない。暗闇の空に希望の星を見出す力を人間は与えられてここまで生きてきた 

  • 著名な作家などがそれぞれの3・11をふりかえり、これからどうすればよいかそれぞれの視点から提言を述べる作品。
    この本で一番驚いたのは、病を患っていたため、この震災で不安や無力感を感じなかったといった著者がいたことだ。このことから、他人や未来への不安や自分の無力感はある程度自分に余裕がないと生じない感覚なのだと感じた。
    しかし、震災直後に起こった買いだめの現象から、今回日本人が感じた不安のベクトルは自分に向いていなかっただろうかと感じた。
    また、どん底はつづかないと励ましている著者がいるが、何もなくても、毎日が先の見えないどん底だと感じている人々である現代人に伝わる言葉なのだろうかと感じた。

  • ぜんぶは読まなかったなー
    面白いとこと面白くないとこ
    っていうと語弊があるか
    好きなとことあまり好きじゃない感じのとこがあって
    そりゃそうだけどいろんな人が書いてるから
    なんだかんだ結局養老先生が一番おもしろかったなあ。

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著者プロフィール

養老 孟司(ようろう・たけし):1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。

「2023年 『ヒトの幸福とはなにか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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