新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)

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著者 : 石原慎太郎
  • 新潮社 (2011年7月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104268

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新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 会社の先輩からお借りした、初めて石原新太郎の本を読んだ。
    著者の確たる考え方・正義感がストレートに表現されており、歯に衣着せぬ一部、過激な内容もあり、刺激的で歯切れの良い内容。

    各論には賛否両論あろうが、これくらいはっきり物事の良し悪しをいえる人はそうそういないだろうと思った。

    著者の思考軸や評価軸がぶれない背景には、それなりのレベルに達するまでの知識や情報収集等の努力の積み重ねがあろうと垣間見れる。

    それにしても、内容は過激で刺激的だが、文章がうまいというか表現が奇麗というか、さすが物書き。頭も良いんだろうし、感受性も高いんだろう。レベルの高い人って、難しいことを簡単に表現してくれる。

    同著書もものすごく読みやすかった。石原さんという人に興味が出た。時間があったら同著者の小説などにもトライしてみたい。

  • 『文芸春秋』2010年12月号の「日本堕落論 このままでは日本は沈む」と同2005年5月号「仮想と虚妄の時代 援助交際と純愛」を、大幅に加筆、改稿してまとめたものだそうだ。2011年7月の発行であるから、改稿時はおそらく震災後数ヶ月の民主党政権。

    印象だけで嫌うのはバランスが悪かろうと借りて読んだ一冊。
    日米関係における政府のふがいない対応への批判や、性犯罪の氾濫への嘆き節には肯けても、続く意見があまりにも極端すぎて、前の主張もそれらを正当化するためのツールのように見えてしまう。
    終戦時の体験から培われた発想や考え方は、彼にとっては必然だったのかもしれないが、私は共感できない。ここに記されている物事への考え方、捉え方を見ると彼の知事時代の過激な発言も、まんざらスタンドプレーを狙っただけのものでもなかったように思える。

    いろんなことが自由に言える社会であってほしいと思う。
    たとえ、私から見て極論と思えるものであっても、である。

    でも、ペンを以て劍を持てと説くような人に政治的な力を持ってほしいとは、私は思わない。彼についてはもう、今更、ではあるけれど、、、やっぱり、ちゃんと理解して選挙に行かないとネ。

  • 私が抱いていた違和感が文章に表現されていて、心がすっとした。これからの日本を、世界を良くしていきたいと思った。

  • この著作を読んで、益々、石原新太郎という人間が好きになった。3.11の震災を機に「我欲」という言葉で日本人全体に警鐘を鳴らすものの、言葉の意味を理解するにはこの著書なくして語れないと思う。

    やはり戦争を境に日本人が日本人でなくなり、アメリカの妾同然の所業に鉄槌を喰らわせたいと思う同輩にとっては、何度でも読み返したいものである。

    核保有については肯定的な持論を展開する石原氏、日本人への自我の目覚めを強く訴える石原氏。更に、本当の男女間の(命がけの)恋愛というものを説く石原氏。

    この人亡き後の事を思うと、果たして誰がその思想と行動を継ぐ事ができるのだろうか?

  • 僕らのように「戦争は間違っていた」と教え込まれてきた世代は、戦前にプライドを持っていた石原慎太郎さんのような人間の意見は、本を読まない限りほとんど知ることができない。公共性の高いメディアでさえ、産経を除いて左に傾倒しているからだ。
    自身で憲法を作ることをドイツは許されたけど、日本は許されなかった。黄色人種だったからだ。規制緩和の強要にも見られるように、いまだに日本はアメリカに指図されている。安保理。バカにされていることに気づいてすらいないのは、本当に悲しいことだと思う。
    自制心とプライドを持とう。民家に絨毯爆撃してきた米軍機と戦った日本兵を、石原さんは目の当たりにした。

  • 今の日本の現状について語った本。

    若い人の悪口「だけ」でなんら生産性がなかった。
    よくいう「我々が若い頃は」「今の若い人は」の話。

    そんなことを言ったところで何も変わらないと思う。
    一体この本を読んだ人に何を伝えたいんだろうかと思う。

    うーん。やはり、「今の若い人は」ここが素晴らしい、
    などということも言って欲しい。大人に褒めて欲しい。

    そうじゃなきゃ若い人だって、
    「ふざけんなよ!こっちも好きでこんな時代に
    生まれたわけじゃねえよ!」って言うだろうし。


    若い人の悪口をガンガン言うのは、老けた証拠だから、
    気をつけようと思う。

  • 前半部分は日本の問題の根本に言及されていて、歴史認識を要因とする堕落という点が深く胸に刻まれた。長老様はやっぱはんぱねえ。

    ただ、後半はじいさまの時代の羨望と今の時代への愚痴にしか読めなかった。
    グローバルやITの時代への変化をただの否定としてしか見ないのではあまり役に立たない。
    大事なのは自己認識に加えて、変化にどう対応していくかだと思う。そのへんはお前らが考えろってことか。
    賛否両方ある本だけど読んで良かった。

  • これは、石原慎太郎氏が遺書として書いた本だ。石原氏が、時には世間に批判されるくらい過激な?発言のルーツ(根拠)が書かれている。氏は、自分の気分、権力関係etcつまり、”我欲"で行動する人々が近年の日本に多いことを憂いている。私は、この本を通して第二次大戦を通して日本のために命を懸けた先人、戦後の経済成長に寄与した先人たちが創ってきた日本を守り、よりよくしたいという筆者の意思表示であると感じた。
    時間がかからないことが善であるというような風潮のせいか、人々(自分も含めて)の視点も現状だけしかみていることはないだろうか。そんなことを考えさせられた。

  • 石原慎太郎 著「新・堕落論」2011.7発行、「2011.3.11」の後の著者の存念が書かれています。平和の毒、仮想と虚妄の2つの章立てです。ルース・ベネディクト「菊と刀」にある「恥を嫌い、清廉を好み、日本刀に表象される自己犠牲による献身を美徳として奉じた日本人の姿」は殆ど消滅したと書かれてますが、残っているし、また、残したいと思っています! 最近、築地の豊洲移転問題でまた政治の場・マスコミに登場の石原慎太郎氏、自ら、「菊と刀」の精神、恥ずかしくない態度で処していただきたいです。

  • 玉砕するする言うといて、あっさり降伏した日本のダサさ
    それに卑屈になることなく、開き直って生きようぜ
    ってのがまあ安吾の「堕落論」の要諦だが
    それを言うたら戦後日本の平和愛仰
    平和のためならだまって殺されるもやむなしとすら思えるそれは
    まさしく現代の玉砕願望なんである
    そいつを断固否定する意志の力こそ、まったく現代の堕落論であろう

    ただし、石原慎太郎の「新堕落論」はそういう本ではまったくない
    玉砕コンプレックスどころか
    アメリカからの自立心と、承認欲求が錯綜して
    ちょっとご都合主義にはまってすらいる
    現実論としては、うなずける部分もありますけど

  • 石原慎太郎節が炸裂しまくり。
    日本人の堕落は、我欲によりもたらされている。平和の毒とは、良く言ったものだ。
    戦中には私欲を求めず、お国のためであったものが、戦後は日本復興というお題目を掲げて、資本主義という勝者と敗者が明確となるシステムに変わった。それが何時からか物欲、金銭欲、性欲の追求へと向かい、筆者の憂う日本の今の姿が構成された。
    資本主義の本質は我欲である気がするが、それだけでは導く先に光はない。道徳と言う少しくすぐったい価値観こそが、国民性と言うかそれぞれの国を体現するものだと思う。きっと誰もが現状を良しとしないが、変革は望まない。それが今の日本であり他国も何ら変わりない。戦争を知る世代には、がむしゃらに走ってきた先にあった未来が、今日の姿であることが許せないのであろう。個々が自分の判断で動き、それが周りにも良い結果を招くようになるには。価値観は違えど、根幹は同じになるには?と考えながら今夜くらいは眠ってみよう。

  • 日本人はアメリカにあてがわれた平和の中で情報に埋もれて生への質感を麻痺させ、ぬくぬく暮らしている豚のようなものかもしれない。モノが溢れ返り技術の発達で生活の利便性が高まった現代において彼らの「我欲」は留まるところを知らず膨張し、政治がそのブーブーに応えなくてはならない現状。増税への反対然り。確かに「堕落」だと気付かされた。権利ばかり主張して体も張らずに毎日を無難にこなすことは真に「生きる」ということではないのだろう。個人個人がタフに、ストイックにならないといけない。そこからでないと国は変わっていかないのか

  • 初めて読んだ石原慎太郎の本。私が読みやすい本しか読まないのか、はたまた私の知的レベルが低いのか非常に読みにくい本だった。言い回しがいちいち回りくどい感じがして、日本語をいちいち日本語訳するような感覚で読んだような感じである。言っていることは、まさにそのとおりであるというものが多く、現代人というのは安易に物欲や金銭欲を満たすことができるようになったため、我慢をすることを忘れ、他人対する配慮を欠き、みんな自分勝手になっていることを憂いているといった内容だった。繰り返すが内容は悪くなかったが読みにくかった。

  • その主張思想などの是非は別として、まずとてつもなく読みづらい。おなじみの「です・ます」「だ・である」さらには砕けた口語体のアトランダムな混在は言わずもがな、形容の重曹や論旨の飛躍は年を追う(老う)ごとに酷くなり、この書にて集体し極まった。かねてから「三島もそうなんだよな・・」と感じていたが、ついにあることに思い至った。石原慎太郎の三島由紀夫エピゴーネン願望説だ。文体が同じなのではなく、当初は文士としての憧憬であったものが、その文体、続きその主義思想までをもコピーしたとしたら。そう考えた瞬間石原の言説、行動が瞬時に理解できてしまった。たぶんに感覚的ではあるが、その物言いから漂うなんとなくのホモセクシャル感、その臭いもこの説の証左たりと確信してしまうほどに。

  • 著者の遺書的な書籍だそうだ。坂口安吾の同名書籍の新版ということか。ところどころ著者独特の名調子で語られていて期待通りだ。映画とか小説の引用が出てきて懐かしい感じだった。ちょっと中盤以降ダラけたが、ところどころいいことを言っているだけに気が抜けない。1回読んだらもういいかな。

  • 前半はおもしろかったけど、後半は微妙だった。

  • 書いてある内容に関しては、ほぼ異論はないのだが、本のテーマとして、何か足りない。週刊誌の状態。201406

  • この書は3・11の際に著者が発した『この災害は天罰だ』との言葉の意味や背景を丁寧に説明したものとも読めるし、書名の通り、坂口安吾が終戦後間も無く発表した『堕落論』の続編とも読める。二つの著書に共通しているのは『歴史的敗戦』と『歴史的大災害』に直面した日本人が従来の生活感覚の大幅な変容を迫られている事を認識せよと訴えている点にあると思う。明らかに一種の文明論だろう。よって冒頭の『この災害は天罰だ』との言葉はこの現在の日本の文明状況に向かって発せられた言葉であり、3・11直後に言われたが為に顰蹙をかったが、本意は全く別のところにある事は本書によって良く分かった。ただその際に使われている人間の『堕落』と言う言葉の意味、内実は随分と違っている。坂口安吾は、戦前・戦中に謳われたうわべだけの『欲しがりません勝までは』『忠君愛国』『武士道精神』等に非人間性を見ていて、戦後の世相が簡単にその反対に流れてゆく様を見て、それを『堕落』と捉えるが、その堕落を正しく徹底的に堕落しきる事(うわべだけの道徳の仮面を剥ぎ取る事)によって却って、真の自分自身の『道徳』や『価値観』を獲得出来るであろうと見ている。世相は人間の表面的な現れでしかなく、人間の根本はそれ程変わるものではないと言う事で、敢て付け足せば、『人間の本質はそれ程ご立派なものではない』と言っているように思える。反対に石原は人間の本質-ご立派なものでもないかもしれない-が世相の変化などでは説明出来ない、本質的な劣化を来たしてしまっていると言う意味あいで『堕落』と言う言葉をこの書では使用している。この堕落の結果何が起きているか?『政治の体たらく』中でも『卑屈な外交』『米国への一方的な追従姿勢』、一般国民においては『物欲の肥大化』それから来る『家族の崩壊』『子供達への虐待』『子供自体の変質』等々の現状が詳しく述べられている。それではこの原因は何か?著者の以前からの主張である米国からの『おしきせ憲法』と『おしきせ教育』が根本原因で、それから派生する『平和ボケ』『エゴイズムの肥大化』、そして究極的な『価値の喪失感』が人間性の根本を腐敗させてしまっているとの認識である。ゆえに解決策として簡単に纏めると、政治的には『憲法改正』『本格的な道徳教育の推進』『核武装の議論開始』などをあげ、個人的には『我欲を抑えて忍耐すること』『真剣な恋愛をする事』等をあげ『個人として自立する』事の大切さを切々として訴えている。
    核武装の議論開始が必要との主張にはもう少し丁寧な説明が必要だと思うが、そこを除くと石原氏の現状認識と処方箋について全面的に賛成したいと思った。

  • 核武装から集団自殺、恋愛まで・・・
    著者の今の日本を憂う気持ちが伝わった。

  • 著者は坂口安吾の堕落論を読んでいない。
    ということしか分からなかった。
    ぜんっぜん面白くない。

  • 『BQ』(林野宏著)ビジネスパーソンに必須の23冊
    10国難とは何か

  • 共感できる部分もあるし、そうでない部分もある。

  • 日本の戦争、敗戦、その後の発展と昨今の不況。あらゆる日本を見てきた石原慎太郎氏が語る現代の日本とは?
    戦後65年余り。その間に得た平和が日本人にもたらしたものとは?本書では今日本で見られる問題を氏独自の視点から指摘、問題提起している。日本を愛するからこそ書ける本ではないだろうか。
    少し偏った意見もある気がして人によっては読みにくいかもしれません。

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新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)の作品紹介

列島を揺るがせた未曾有の震災と、終わりの見えない原発事故への不安。今、この国が立ち直れるか否かは、国民一人ひとりが、人間としてまっとうな物の考え方を取り戻せるかどうかにかかっている。アメリカに追従し、あてがい扶持の平和に甘えつづけた戦後六十五年余、今こそ「平和の毒」と「仮想と虚妄」から脱する時である-深い人間洞察を湛えた痛烈なる「遺書」。

新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)はこんな本です

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