- Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104282
感想・レビュー・書評
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ディズニーランドのこのアトラクション(建物)はアメリカのいつの時代のこういう人たちが親しんだ〇〇様式の建築物で〜、といった説明がたくさん載っている本を求めているのだが、本書は50%程が求めている感じ。アメリカ人のノスタルジアを喚起させる造りになっているらしい。用地の関係でビッグサンダー・マウンテンのモデルがパークによって違うのだとか。トゥモローランドはトゥデイランドと言われるように、常にアップデートし続けるパークは素晴らしいけれど、私は地味にシンデレラ城ミステリーツアーが怖いけど好きだった。
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メモ
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・スペースマウンテンはウォルト生前の時はあり得ない乗り物
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・ビッグサンダーマウンテンはモニュメントバレーがモデル
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・スプラッシュマウンテンは黒人差別の映画が背景?!
→『南部の唄』(現在廃盤)
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「ディズニーランド」に対して、今まで少なからず思っていたことがあります。
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「ディズニー映画には関係ないアトラクションもパーク内にたくさんあるのは何故だろう?」と。
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もっとパークについて詳しくなりたい、そんな気持ちで手に取ったこちらの一冊
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大まかに著書には「ウォルトの生前」「死後」の二つのピリオドで
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「ディズニーランド」がどのように変化してきたのかが描かれていました。
その変革の中で私が驚いたのは
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「三代マウンテンはウォルトの死後出来た案であり、彼が生きていたら反対する可能性もあった」という点。
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ウォルトはゲストに「ストーリー」を伝えることを一番に重要視していたためです。
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ジェットコースタが与えるのは「スリル」であり、そこに「ストーリー」の重要性は薄れてしまうと彼は考えたのです。
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時代が変われば「ディズニーランド」もそれに呼応するように変化します
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様々な人々の価値観を吸収して成長し続ける「ディズニーランド」をもっと好きになりました
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想像の何倍ものバックグラウンドが彼らにはあったのです -
"To all who come to this happy place; welcome. Disneyland is your land. Here age relives fond memories of the past...and here youth may savor the challenge and promise of the future."
1955年にオリジナルディズニーランドがオープンした際のウォルトが行ったスピーチの一部です。
本著にはウォルトがディズニーランドに込めたこれらの想いが解説されています。
東京、パリ、香港と文化の違う土地において根付いていくであろうディズニーランドは永遠に未完成であり
カリフォルニアやフロリダにあるディズニーテーマパークとは関連性はあるものの、コピーではない。
米国の歴史、現在、未来を家族全員で共有し楽しめるテーマパークは、東京ディズニーランドでは完成に近づくこともできない気がする。
ぜひオリジナルディズニーランドを体感したいと思わせられた。 -
ディズニーランドは,ウォルトが人生の最後を賭けてつくった。古き良きアメリカの交通機関とそれに付随する街並みを再現し,アメリカ人にノスタルジーを感じてもらうためのテーマパークだった。日本やパリや香港にディズニーランドが作られようとは,ウォルトにとってはまったく想定外。コンセプトからして,外国人向けではなかった。
ウォルトは祖父がアイルランドからの移民で,祖父の代,父の代とアメリカ中を転々と流浪してきた。その生活には蒸気船と汽車がいつもそばにいた。ディズニー家に限らず,多くのアメリカ人は,19世紀後半から20世紀初頭にかけて,仕事を求めて各地をまわった家族の記憶を持つ。つらいことも多いが,夢もあった。鉄道と船で新天地を求めて旅をした。その思い出を,皆で共有したい,というのがディズニーランドのコンセプトだった。
ウォルトの死後に作られたアトラクションも,その思想を受け継いでいる。ホーンテッドマンションはニューオリンズの街並みをモデルにした,フランス風の建築。ニューオリンズは元はフランスの植民地で,蒸気船による河川交通の要衝だった。
トゥモローランドに代表されるように,ディズニーランドには未来や科学技術もテーマにしている。初期には,軍事産業との結びつきも隠されることなく,前面に出ていた。サブマリンヴォヤッジは原子力潜水艦,ムーンライナーは月へのロケットすなわちミサイル技術の展示だった。
長いパークの歴史では,その「未来」を現実が追い越すこともあった。1957年10月にはソ連がスプートニクを打ち上げる。大陸間弾道弾を先に持たれてしまい,アメリカはミサイルギャップにおののいた。その後アメリカもICBMを配備,1969年にはアポロ11号が月に人類を運ぶ。
スプラッシュマウンテンに関する蘊蓄も興味深い。これは日本ではほとんど知られていないアメリカ民話『リーマスおじさん』にちなんだアトラクション。ディズニーはこの民話を『南部の唄』として映画にリメイクしたのだが人種描写が政治的に正しくなくて,それほど広まらなかった。『南部の唄』は日本でもスプラッシュマウンテンの導入に際してビデオ販売されたが,その後絶版。多くの日本人が,単なるコースターとして楽しむしかなくなっている。著者は,知識とストーリーによって,テーマパークの理解と受容も多層的で豊かになると言う。少々エリート臭がするが…。 -
ディズニーリゾートのストーリー性を探究出来る書籍です。「知識とストーリーによって、理解と受容が多層的で豊かになるのです。」という著者の考えに、とても共感します。震災後、ゲストが減っていることを心配していますが、やはり永遠に「Where dreams come true ~夢がかなう場所」であり続けて欲しいと思います。
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大きく分けると、
ウォルトが作り出した最初のディズニーランドを「第一世代」とし、ウォルトの生涯や考え方などからディズニーランドをどのような想いで生み出して行ったかを解説する前半と、
ウォルト死後にイマジニアたちによって生み出された「第二世代」のディズニーランドがどのような環境変化などで生まれ、拡大していったかを解説する後半に分けて紹介。
東京ディズニーランドで日本人が感じる想いと、当時の米国人が第一世代ディズニーランドに感じていた想いには、大きな違いがあると言うことが、良くわかる一冊です。