- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106104534
感想・レビュー・書評
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この人はテーラワーダブームに批判的だが一方で日本仏教のダメなところもこの本に書いてあるようによく分かっていて、スピリチュアル体験もしているのにハードな文献学やっていて変わった方だ。
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うーん、思った程ではなかった。
特に、尼さんになる迄の過程がちょっと長いかな。
もう少し、ゴシップ的なものを期待してました。 -
尼さんだってつらいけど、庶民だってつらいよ。っていうか、尼さんも庶民だったんだなとわかる本。少数の学究者と稀な信仰者を除けば、あらかたは身過ぎ世過ぎの生業として尼をしているだけという、ある意味タイトルから予想通りの内容でした。
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著者は一般的にイメージしている尼さんとは違い、僧籍をもった研究者。実際、寺に住んで坊主らしい生活をしている「尼さん」は人数的に多くないらしい。男性でも同様に「なんちゃって」な人が多くいる。僧籍もどちらかというと「資格」に近く、司法試験に受かった人が一生を検事や弁護士として生きるのではないのと同様に、僧侶もいろいろな事情でやめてしまうことがあるというのが、少し意外だった。その中で、僧籍にあっても僧侶としての活動ではなく、著者のような研究者としての活動をメインとする人も出てきている。著者自身はお布施で生活しているわけではなく、公演や出版から生活の糧を得ているのであろう。それで儲けを出そうとしているわけではないけれど、一般の経済活動の中で生きているわけだから、やっぱりアウトローではある。■尼さんについては、「世をはかなんで」出家すると、世俗以上に生きづらい業界なので基本的にはオススメしないというスタンス。人を救いたい人は尼さんに、救われたい人は在家のまま寺に通うなどしたほうが幸せになれるとのこと。寺の嫁(著者が批判している何もしない嫁)も幸せそうだが。
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(2012/3/5読了)尼寺の実態とか、なかなか知りえないエピソード満載である。この本で一番重要なところは多分、P142~。現実逃避で「尼さんにでもなれば・・・!」は120%勘違い、そういう動機で尼になるのはやめましょう、というススメ。そう思います。
ちなみに日本の伝統仏教は僧侶になるまでの道のりとか必要事項が各宗派ごとにかなり違う。浄土真宗だと「尼僧」っていう何か特別なシステムはないですぞ。 -
尼僧の、ほぼすべての現実がここにある。決して逃げ道として尼になるなんて考えちゃいけない。
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いかにも新書らしい興味をそそるタイトル。ところが、その中身は尼僧の実態が著者の体験に基づいてしっかりと記されており、期待は見事に裏切られる。現実と一般的な固定観念とのギャップが面白く、楽しく読み終えた後は軽すぎるタイトルがあざとく思われる。
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仏教関係の本が、最近増えている。世の中が停滞している証拠なんだろう。救いを求める人が多いということは、由々しき問題かもしれない。でも、仏教という救いがあるなら、それはそれで構わないじゃないか。
ただ、仏教が救いにならないとしたら・・・?
仏教ブームの一つ、尼さんブームに警鐘を鳴らす一冊。
尼さんは、清廉潔白なイメージと、男と一悶着起こしたようなイメージの両方を持つ。どちらも当たらずとも遠からずのようである。
そんな尼さんを定義しながらも、自身の経験から暴く。
衝撃なのは、筆者が入った寺の尼さん。その尼さんは猫を大量に飼いながら、寺に飼い犬を連れてくる人がいると猛烈に怒る。また、ある時は、筆者と職員の外での会話を中のインターホンで聞いていたそうだ。
通常の人以下、いや未満だね。
そんな暴露話もありつつも、下世話な感じがしないのは、筆者の人徳の成せる技か。
尼さん、そして仏教界にツッコミを入れつつも自ら尼さんであることや仏教のあるべき姿勢を求め、期待していることが読み取れる。
僕は、仏教に興味はあるが、特に熱心な仏教徒ではない。が、本著は自分の知らない世界の体験談としても十分に面白い。オススメです。 -
尼という特殊かつ知られざる世界について、著者の実体験という狭い世界のことかもしれないが、垣間見ることができる。
読後は、正直、物足りない感じもするが、一体験記と割り切って読むべきで、そう思えば、十分な内容と言えなくもないかな。