仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)

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著者 : 春日太一
  • 新潮社 (2012年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104596

仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • むかしむかし映画黄金期のことでした。

    映画館の扉が閉まらないほどお客が詰めかけ、面白いように儲かった時代があったんだそうな。
    映画会社はそんな状況にあぐらをかいて大した企業努力もせず、わが世の春を謳歌していました。

    とにかく頭数だけはそろえようとザクのように同じような映画をぽこぽこ量産していたのです。
    似たようなタイトル、変わりばえしないストーリー…
    なにしろ作ってる当人たちもどれがどれだかわからなくなるほどの有り様だったと申します。

    そんな状況にお客はとうとう飽きてみんな映画館に来なくなっちまいましたとさ。ちゃん♪ちゃん♪

    とはいえ、最近の「誰が観るねん⁈」みたいなロクでもない映画よりよっぽどマシですけどね。

  • 東宝vs東映というふたつの映画会社の興亡史というより、時代vs映画だったり、ビジネスvs文化だったり、都会vs地方だったり、製作vs興行だったり、質vs量だったり、巨匠vs新人だったり、さまざまな対立が目まぐるしく攻守を変えながら展開する産業史。一方の強みが、アッと言う間に弱点となり、追いつめられた方の開き直りがアッと言うような逆転を生む、章が移るたびに状況が変化し、そして徐々に徐々に衰退していく映画産業の戦後史を一気に駆け抜ける本です。ふたつの会社、ひとつの業界の浮き沈みがこんなにも激しいのは、やはり、扱っているものがエンターテイメントであり、アートだからでしょうか?1973年公開のそれぞれのヒット作をもじった題名「仁義なき日本沈没」は「血で血を洗う抗争が、やがて日本映画を深く沈めた」という意味を表しているようにも思え、意外にピッタリ!

  • 2013年3月20日、初、並、帯無

  • 戦後の映画会をドキュメンタリータッチで描いています。知っている俳優や監督、映画のタイトルが出てきて親近感があります。

  • 東宝と東映を比較すると、いまや、
    東宝が圧倒的な強さを誇っているが、
    どうしてそのような存在に至ったのか、
    戦後映画史を辿りながら、知ることができる。

  • 戦後日本の映画界を牽引していた東宝と東映のクロニクル。
    1970年代は映画の公開本数も、観客動員数も、映画館の数も全盛期をとっくに過ぎた斜陽期のようです。これをテレビ台頭のせいだよと一言では片付けられません。戦後の何もない時代から配給の確保、労働問題、世代交代、観客層の変化と諸問題に取り組んできた配給・制作チームの奮闘があったんですねえ。春日さんのわかりやすくてドラマチックな語り口でぐいぐい引き込んでしまう熱い本でした。
    あと、製造と流通では流通が圧倒的に強いということが泣けるくらいによくわかります。

  • 1971年の東映「仁義なき闘い」が日本映画の「昔の終わり」であり、東宝「日本沈没」がいまの始まりだとする。「あかんやつら」が東映の実録ものであったのに対し、本書は新書らしく日本映画史やビジネスにも置き換えられるものをふくんでいた。いまの東映のすこしさびれた感じと東宝が制覇している感じは、東宝が製作まで担うブロックブッキングから配給のみを行うフリーブッキングにシフトしたことに起因している。製作部門のアウトソーシングという点は、あらゆる業種にも考えさせられる問題だろう。「日本沈没」へのリアリティのこだわりも面白く、映画を見てみたくなった。

  • 興行を母体とする東宝と、製作から始まった東映という二大映画会社に焦点を絞った日本映画会社の盛衰記で、戦後日本の映画史の入門書としてもお薦め。戦後国民の娯楽として隆盛し、50年代にその黄金期を迎えるやいなや、60年代には早くも斜陽期を迎え、廃れながらも決してなくならず、今もなお娯楽の一角を担っているという、その紆余曲折のスピードに驚く。他の芸術娯楽メディアに比べると、自らの成功体験に引きずられての失敗が目立つように思うのは、映画が多額の資金と大勢の人間によって作られるものであり、常にリクープを命題とせざるを得なかったからのように思う。

  • マンションで読む。再読です。題名と中身は異なります。本来、戦後日本映画史だと思います。でも、面白いです。

  • 東映と東宝の歴史・制作方針の違いだけでなく,興業の考え方の違いもよく分り,非常におもしろかった。

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仁義なき日本沈没―東宝VS.東映の戦後サバイバル (新潮新書)の作品紹介

境界線は一九七三年。その年に公開された『仁義なき戦い』と『日本沈没』の大ヒットによって、日本映画の"戦後"は葬られ、新たな時代の幕が開いた。東宝・東映の両社は、いかにして斜陽期をサバイブしたのか。なぜ昔の日本映画にはギラギラとした活気がみちあふれていたのか-。エリートVS.梁山泊、偉大な才能の衝突、経営と現場の軋轢など、撮影所の人間模様を中心に描く、繁栄と衰亡に躍った映画人たちの熱きドラマ。

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