恐怖の環境テロリスト (新潮新書 460)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104602

作品紹介・あらすじ

環境のためなら人でも殺す。調査捕鯨船に高速艇で体当たり、イルカ漁師に暴言連発、製薬会社に放火攻撃-奴らは「お騒がせ集団」なんかじゃない。カルト的思想と違法手段で武装した環境テロリストだ。背後には彼らを英雄扱いして稼ぐ世界的TVチャンネル、ショーン・ペンらハリウッドの大御所達。巨額のカネで繋がった"動物愛護業界"とは何なのか?なぜ今日本を狙うのか?黒い活動家の正体を暴く貴重な一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 反捕鯨問題における立ち回りは、数ある外交案件の中でも、平和な島国暮らしでスポイルされた日本人の弱さが如実に出てしまった分野だと考えている。
    それだけに、このような本が出版されたのは非常に喜ばしく、また頼もしいことである。

    タイトルこそやや煽情的だが、内容は非常に公正で冷静、そして何より的確だ。その公正さ・冷静さがあらばこそ——それらにまるであぶり出されるように、エコ・テロリストたちの欺瞞と異常さが、くっきりと浮き彫りにされるのである。
    日本人だし日本を贔屓したいから…とかいうのではない、ニュートラルな目から見た彼らの「ヤバさ」を知ることができる。

    この手の本にありがちな「日本は、日本人は、日本政府は、だからダメ!」といったこきおろしに終わらぬ、未来への希望を感じさせる結びもすばらしい。
    著者は大手新聞社の外信部所属とのことだが、この種の肩書を持つ人物に好感が持てるとは、昨今稀有なことである。さらなる活躍を祈りたい。

    2012/6/13読了

  • 産経新聞記者による環境活動家の実態。対シー・シェパードを中心に記述され、実況中継のように書かれている場面が多く、引き込まれる。
    少し思想が偏っていると思うところもあるが、巻末に参考文献リストがあり内容は信頼できると思う。


    以下、本書から知ったこと。

    環境保護活動 → 富と名誉が得られる。
    活動団体の活動内容 → 「非暴力的直接行動」
    「非暴力的直接行動」 → よく知られる抗議活動やパフォーマンスの他、標的の企業や従業員、自説に反対する人物への下記の行為も含む。
    企業施設や自宅への放火・深夜の街宣活動。家族・近隣住人への嫌がらせ。個人情報の流出。
    反捕鯨団体の保護対象 → 魚介類などを含む海洋動物全般。近年はクロマグロ漁妨害も。
    エコテロリストの典型例 → 白人。ミドルクラス。高学歴。
    シー・シェパード代表の主張の一部 → 人口増加の最も大きな要因である移民をなくす。

  • 産經記者の書いた本ということで警戒しつつ読んだけど,内容はまとも。シーシェパードに代表される過激な環境保護団体の成り立ちから現状まで。その思想的系譜を簡潔に表す「緑は新しい赤」という格言に納得。タイトルで若干煽りすぎてるけど。
    エコテロリストの特徴は,白人・中流・高学歴と言われる。 彼らは権利意識が高いわりに自らの権利について闘う必要がない。人類の所業を呪い"地球生命のため"という高尚な理想に燃えて突き進む。 こういう成分は大なり小なり誰しも持ってる。原発事故後の日本でも道を踏み外す人が増えてるのかも知れないと思うとちょっと怖い。
    欧米では結構賛同者を得ていて,下のような悪趣味デモも行われてるらしい。日本でも反原発関連でこっちの方向行っちゃったのが散見されてたような…。
    【閲覧注意】スーパーの精肉パックになりきって食肉の残酷さを訴えるデモとか引くわ…。横たわる模擬血糊べったりの活動家たち。こんなんでビーガン仲間が増えるとは。 Meat Is Murder meat pack - Google 検索 https://t.co/KpsQxKDPM4

  • テロと言っても中東の国々、或いは宗教がらみの組織では無く、環境保全という一見テロリストとはかけ離れた物。現代ならではの現象だと思う。

  • 感想未記入

  • 著者も書いているが、環境テロは21世紀の流行病。
    和歌山県太地町の現状を見ると、日本人にも多くの予備軍が
    いることがわかる。
    いずれ世間を騒がす環境テロが起こる事が筆者の懸念だが
    大惨事にならないことをいのるばかり

    環境問題やNPO活動を考える上で必読書と言えるだろう。

  • 原理主義者、怖い。

  • 環境テロリストとは、いったいどういう人たちなのか? そんな疑問を持っている人には、おすすめの1冊。
    動物愛護団体や環境保護団体という名のもとに、犯罪行為をしてまで自らの主張を社会にアピールする、異常とも思える抗議行動の数々が紹介されている。落書きや脅迫電話、暴力などの個人攻撃や、社屋および関連施設などへの放火、窃盗行為、船舶に対する運航妨害、異物の投げ入れ、はては沈没といった、まさに手段を選ばない彼らの「正義」の源はどこにあるのか。また、これらの常識を超えた過激な抗議活動を支える潤沢な資金は、どこから出るのか。そうした部分にも、丹念な取材が行われている。
    和歌山県太地町のイルカ漁を盗撮し、別の映像をつなぎ合わせて編集された映画「ザ・コーヴ」が、第82回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門で受賞してしまうような奇妙な感覚のブレが、世界と日本の間にはあるが、この本は、そうした、単に文化の違いというだけでは済まないギャップの方程式を解く一助にもなるのではないだろうか。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:480.9//Sa75

  • 環境テロリスト(特にシーシェパード)について、誕生から現在の構成員などの状況まで詳しく書かれている。
    アカデミー賞を受賞した「ザ・コーヴ」の撮影・編集の問題点も書かれており、日本が環境テロリストを撃退するために必要とされることも言及されている。

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著者プロフィール

ジャーナリスト・大和大学教授

「2022年 『「動物の権利」運動の正体』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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