自衛する老後: 介護崩壊を防げるか (新潮新書 470)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104701

作品紹介・あらすじ

精神論やお上頼みでは、もう乗り切れない。「される側」「する側」の双方にとって理想とはほど遠い介護の現実、特養入所待機者42万人の長い列、ガダルカナル戦にも喩えられる財政運営…二〇〇〇年にスタートした介護保険は超高齢化社会を迎え、医療、年金に続く「第三の崩壊」の危機にある。先進的リハビリと介護、認知症と看取りへの取り組みまで、介護と医療の現場から見えてくる、人生最終章を守るための選択肢とは-。

感想・レビュー・書評

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  • この頃考えることなのですが「国の政策が悪い」とか「国が悪い」と割と簡単に言いがちな自分ですがふと国ってなんだ?と思ったりしました。結局回りまわると「国」とは自分たちが選んできた「自分」のことなんだよなあと思うようになりました。

    原発問題もですが介護問題も問題が多く、宿題ばかりが溜まって行き次の世代に多大なる借金、ツケを負わせて行くことになりそうです。これで良いのか?いや良くない。じゃあどうすればいいのか?やはり国が悪いのか、となってしまいそうですが一番悪いのは今まで関心を持たず、他人任せにして破綻しそうな現状に目をそむけてきた、無知な自身なのではないか。そう思うようになりました。

    自分老後を考えてみたりもしますがまだ先のことだろうと高をくくって一日伸ばしに問題を先送りにしていたりもします。でも、漠然とした不安などと言うものは放っておいてもお国任せにしても解決しないものであり、やはり自分で正しい情報を仕入れ、考えて対策を取ると言うことが一番の正しいやり方だと思うのです。

    まさに「自衛する老後」ですね。最終的に自分で自分を守らなければ国や社会は出来うる範囲でしか人を救うことが出来ないのですからそのためにもきちんと勉強をしなくてはイカンなあと思いました。

    個人的には戦争に負けた軍は半世紀、国民の信用を取り戻せない、と言うナポレオンのセリフになるほどと思いました。

  • 文字通り、老後について老人がどうするべきかを説いた一冊。

    トイレの介助などの介護の赤裸々な話がメインなので、金銭面などの話を期待すると期待外れとなるが、実態を描いてたので非常に勉強になった。

  • 介護を必要とする側、される側になった時のための準備本。さらなる高齢化社会への移行は間違いなく、親のことも我がこととして感じられるなか、身につまされる内容も多かった。いざというときに困らないよう、今のうちから準備をしておかないとって感じ。

  • この本に出てくる施設のやっているこどが制度内で評価されて、もっと数が増えたらこれからの日本の超高齢社会にも希望がもてるのに。

  • チェック項目12箇所。実際に行われているのは、「与える側」の許容範囲内でのサービス提供なのだ。本書は、今日の介護現場で何が起きているか、そのルポを中心に構成している、すべての問題は現場にあり、答えもそこに埋まっている、と私は信じるからだ。「人にできない技術を持って初めてプロの介護職になる、プロを目指してくれ」(竹内孝仁)。介護を受ける際、「最低限、自力でしたいこと」の1位は排泄で92%に上ったという、当然だろう。「まずは介護する側の都合を排することから、まともな介護が始まる」。人が代わるとケアプランを執行できないということは、個人と言うより、管理・業務執行体制の不備だからである。単純化すると、在宅介護は「家庭教師型」であり、施設介護は「塾型」と言える、どちらがコスト高であるかは子供でも分かる。あふれる愛情があっても、いや、あるからこそ家族は認知症の肉親者に、疲れや情けなさが絡んだ感情的な対応をしてしまう。いま、社会福祉法人に求められているのは、「営利法人との違い」を国民、被保険者に示して理解を得ることである。20~25年後には、インドネシアに少子高齢化の時代がきます、アジアの国々にとって日本から介護を学ぶのは重要だと思います。介護職員は本人の立場に立ってどのような対応策を取ればいいのか、それを考えてゆく謎解きゲームのようなものだ。認知症介護の3原則・・・「いつも暖かい愛情と優しいいたわりを持って」、「決して叱らず、制止せず、いつも自由に」、「今、できることでまわりに役立つ働きをしていただく。」

  • 制度としての介護保険は、これを読む限り明らかに制度的な問題が大きい。このままの制度が続くのであれば、年を取るのはまったくもっていいことではないとしか思えない。

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著者プロフィール

ジャーナリスト

「2015年 『ジャーナリズムの「新地平」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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