財務省 (新潮新書)

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著者 : 榊原英資
  • 新潮社 (2012年6月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104756

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財務省 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 「日本を牛耳る悪い奴ら」か、「日本最良のエリート集団」か。「財務省支配」の実態、消費税論議のポイント、職員たちの私生活まで「ミスター円」が大公開!

    「省庁のなかの省庁」として、霞が関に君臨する財務省。歴代の政権をコントロールしてきたとも言われる彼らは、「日本を牛耳る巨悪」なのか、はたまた「日本の最後の砦」なのか。「ミスター円」と呼ばれた元大蔵官僚が、豊富なエピソードも交えて古巣の姿を詳述。「財務省支配」の実態、消費税増税論議のポイント、永田町との関係、職員たちの私生活まで、これ一冊で財務省のすべてが分かる!(2012年刊)
     まえがき
     第一章 省庁のなかの省庁
     第二章 財務省の組織
     第三章 財務官僚とはどんな人達か
     第四章 「大物次官」達の肖像
     第五章 財務省は悪役でいい
     第六章 財務省支配の功罪

    うーん当たり前すぎて、さほど目新しさはありません。内容も浅く元大蔵官僚ならではという部分はあまり感じられませんでした。類書である「大蔵省―官僚機構の頂点 (講談社現代新書 川北 隆雄)」とか「 財務官僚の出世と人事 (文春新書 岸 宣仁著)」を超えるものとは言えません。
    本書の価値は、元大蔵官僚が実体験に基づいて古巣の事を書いているという点にあります。その善し悪しは別として、三権の一翼を担う行政の官僚がどの様な考えを持っているのかが窺えます。例えば、
    「国家公務員は事実上「政治家」である。(役人が根回しなどの政治的準備を行って法律をつくっているから)」とか「日本の国会議員達は「立法者」というより、アメリカでのロビイストの役割に近い存在。実際には「立法者」とは言えない国会議員達が偉くなりすぎたと感じる。(政治家の歳費をカットしろ)」という発言はなるほどと思いました。
    これを、大蔵官僚の奢りであると断罪することは簡単ですが、なぜ政治主導が行われないのかを理解する一助ではあります。政治家も官僚を使いこなす力量を持つことが重要です。

    私としては、裏を取るつもりで古本を買ったのでその意味で損はなかったですが、読みやすいので、財務省(大蔵省)について知りたい方には一読の価値はあります。

  • 確かに、この本を読む限りにおいては、財務省の大バッシングというのは、少しかわいそうにも思えた。

    ただ、おそらく、財務省に大きな問題ははらんでいなかったとしても、他の省には問題があるというのは古賀茂明氏の「官僚の責任」で見受けられたので、是非合わせて読んで欲しいと思う。

    この両者の本では、政治主導の大切さとともに、官僚の必要性、つまり脱官僚ではなく、協力していく姿勢が重要であるという意見で一致している。

  • 財務省陰謀論が多いので、中和に丁度いいかと。ミスター円だからエリート中のエリートかと思ってたけど、変わり種の経歴。大蔵省は法律職がほとんどなのに著者の期だけは経済職が多いということで同期全体が変種なところもあるようだ。女性主計官は人望なかった記述はどう考えても話題のあの人?

  • エリート意識「ノブレス・オブリージュ(高貴なるものの義務)」は必要。そしてエリートとは、学歴、職位ではなく、「常に世界情勢に通じ、幅広い人脈を維持し、最先端の情報や知識を身につけていること。」そしてそのエリートである官僚は、エリートとしての誇りを持ち、エリートとしての責任を果たし(必ずしも能力、労力に見合うほどの報酬ではないかもしれない)、政治家は官僚をもっと「使って」ほしい。
    筆者の考えは非常に勉強になる。

  • 元財務省のキャリア官僚による、財務省、その中でもエリートたるキャリアの財務官僚の役割などを解説。
    著者の語る、財務省、金融庁と分離した財政機能と金融機能を再びひとつに、という主張の妥当性は、この分野に詳しくないので判断しかねるが、MOFや官僚の意義などは、さすがキャリア官僚、論理性をもって語られている。
    これを読んで、財務省という官庁について、ぼんやりとだが見えてきたかな。
    主査は課長補佐級だが、他官庁は〇〇級が応対するだとか、他官庁にとっては敵でもあり味方でもあるだとか、こういう話が載ってるのも良かった。

  • 榊原英資"財務省"を読む。

    99年に財務官を最後に退官した国際派(すなわち傍流)の「ミスター円」による財務省インサイドガイド。

    退官後も濃厚なつながりを保っておられたようで、興味深い事実が述べられています。法案づくりに深く関与する官僚はかなりの程度「政治家」である、フランスなどでは公務員が政治家となるための期間は休職し戻ることができる、などなど。

    今後の楽しみのためとして新規入省者の名前・母校・出身地を並べてみたり、明治維新以降の歴代次官と出身母体を比較してみたりと、豊富な名簿資料を活用するとともに、随所で岸宣仁『財務官僚の出世と人事』に言及しており、著者なりの見解を示したかったようにも思われます。知識人の魂が感じられます。

    ◯「二重の駒型」昇進モデル
    キャリア→係長26歳、補佐32歳、課長40歳
    ノンキャリア→係長32歳、補佐44歳

    ノンキャリアのパターンが我が社の昇進モデルに近いようです。中部地方政令市、昇任試験制度あり→31歳係長、45歳課長(補佐級は制度なし)

    【引用】
    ◯日本の国会議員達は「立法者」というより、アメリカでのロビイストの役割に近い存在です。選挙区や業界団体の要望等を背景に、立法についてのロビイングを行うわけです。

  • ぼくは大蔵省にいたんだもんね!だから色々知ってるんだもん。てな感じ。読む必要なかった。

  • 図書館でなんとなく。日本の公務員の総人件費は対GDP比で6%。イギリスやフランスの半分程度でOECD主要国中最低(OECD2007)
    公務員の数は人口1000人あたり42.2人、国家公務員の数は4人というデータを持ちだして、まず削るべきは議員歳費という主張を展開している。

    榊原氏が主計局の主査以上はまったく経験していないという話がおどろき。

  • ミスター円の財務省解説本。「官僚」というと悪いイメージが先行してしまうが、彼らは紛れもないエリートであり、諸外国に比べ圧倒的に少数で国を動かしている。
    「黒衣に徹するというのは、実は強い自信とプライドがあるからこそできることです。」これが官僚の美学であり、そうでなければ国、政治は回らないということ。また、悪者にされがちだけど、昔に出世した官僚はみんなワルだったというのも興味深い。ワルで回りにどう思われようが、自分の仕事を貫けるのが官僚力ということでしょうか。

    政治主導とは何なのか、ただ官僚をたたくのは違うのではないか?と思った。

  •  かつて「ミスター円」と呼ばれた財務省OBが古巣の姿をあますところなく書いている。大学院の講義で財務省がよく登場するので読んでみた。財務省がなぜ強大な権力を有しているのか、なぜ悪者扱いされるのかがよく分かった。講義で先生が言っていた「MOF担」という言葉も出てきた。
     若干財務省を援護する主張が目立つけど、自身が官僚寄りであることをあらかじめ述べている著者は誠実だと思う。「政治家は官僚を毛嫌いするのではなく、その道のプロフェッショナルである官僚を使いこなすべき」だという著者の主張には共感した。
     

  • ミスター円、財務省を語る。
    財務省に特別の関心があるため面白く読んだが、
    反感を感じる人も多いと思う。

  • 財務省、旧大蔵省がいかに素晴らしい役所で大事な役所で、僕ら財務官僚・大蔵官僚がいかにすごい人達か、をこれでもかこれでもかと自画自賛する一冊。わかってて読んだんでいいんですけど。
    他人事として読むぶんには笑えるけど、内部は笑えない話がたくさんありそうだし、外務省とはまた違った意味でのおどろおどろしさがありそうな気もしないでもない。
    ただ、高橋洋一が言っていることが全てではないということを知るために読んでおくことは必要かも。

  • 財務官僚がどうゆう考えを持ってるかとかってのがわかっていい。改めて財務省と他の省庁の違いみたいのがおおまかにわかった。
    それと社会保障制度の改革がなくては歳出の削減はムリで、公務員の削減なんかは、日本は他国と比べて数も少なくもらってないほうだから意味ないってのはなるほどって感じ。国会議員から削ろう。
    国会議員の役割は、自分のバックのために官僚の立法や予算編成に注文をつけることで、立法者とゆうよりは米国のロビイストだって指摘は納得。

  • 財務事務次官の条件を描く『ワルの三原則』は他の世界でも通用する内容だろう。
    『センスと、バランス感覚と、度胸』
    センスの良さはあらゆる人物評価の根本にある基準、これに国家のグランドデザインを描き切る、スケールの大きな発想。バランス感覚は単に足して二で割る手法を指しているわけではなく、全体の均衡点というか、釣り合う部分をどう見定めていくか、それを見定める能力。加えて、人を見る目の公平無私さも、このバランス感覚に含まれる。
    度胸は胆力。度量の大きさや懐の深さに通じるもの。

    『次官の器』も、他の組織で通用する話。
    ひとつは、あいつがそこまで言ってるんじゃしょうがない、と相手を納得させる器量、次に、相手を最後まで追い込まない、ハンドルの遊びを持つ人柄、そして、あいつなら危急存亡の時でも安心して組織の舵取りを任せられるという安心感。

  • 江田氏の「財務省のマインドコントロール」をはじめとして巷には財務省バッシングの書籍が溢れ返っている。このような中、本書は数少ない財務省、公務員擁護の冊子。向かい風をものともせず蛮勇をふるい一石が投じられている。親財務省のバイアスがあり意見は公務員寄りかもしれないと前置きしながらも財務省の驕りを率直に認め、公平公正まことに真摯に書かれている。大蔵省での生の経験がふんだんに盛り込まれた回顧は説得力があり懐深く真の実態に迫っている。

  • 元財務官が書いた本。

    立場を明らかにしている以上、財務省よりになってしまうのは仕方が無いと思いつつ、財務省の役割や功罪、その中の公務員像がオープンに書かれていて、興味引かれる内容となっている。

    公務員への就職を控えている人や、そもそも公的機関に興味のある人はどうぞ。新書だからそんなにパワーを裂かなくても読める。

  • 竹島一彦・公正取引委員会委員長と同期なのか・・・。
    しかも、浜田卓二郎まで・・・。
    入省年次によって、人材の特色というものは出るものなのか。

    元大蔵官僚だからといって、財務省を擁護するわけではないのだろうし、
    民主党の政治主導批判は、こうなった結果からすると、その通りなのだろう。

  • なるほどねえ、そう云う考えでやってるんだねえ、一流官僚さん達は

    エリートかどうかはともかく優秀な人達だとは認めるし、これまでの日本を作ってきた功績は大だと思いますが、だからと云って、これまでのやり方が今後も正しいって論理になるのはおかしいよなあ

    頭のいい人なんだから、それくらい分かると思うんだけどなあ・・・

  • てめえが世の中動かしてるんやねえぞ。

  • 前半は旧大蔵省・財務省の組織構成や歴史の説明、中盤に大物次官らのエピソード紹介を経て、後半は政策漫談。あまりも薄っぺらい議論に基づく天下り容認、増税容認、接待容認、財政・金融分離批判は、読んでいて情けなくなるほど。榊原英資ほどの優秀な人物がこれほど稚拙な論理構成しかできないというのも信じがたいので、ゴーストライターが悪いか、編集者が悪いかなのだろう。あるいは、前半の冗長な財務省紹介ページを削って、政策論議に終始する構成にすれば、もう少しまともな議論が展開できたのかもしれない。

    昔は「本は財産」と思って読んだ本はほとんど全てとってあったのだが、最近は家が狭くなってきて、不要な本はどんどん捨てるようにしている。この本もゴミ箱へ直行。

  • 日本の高等教育政策を学ぶ上で、政治過程のアクターとして財務省は大きな役割を果たしているだろうという視点から本書を手に取ってみた。

    政治過程についての学修を深める目的を充足しようとしていたが、本書は財務省の歴史、特に人物史に集中しておりほとんど参考にならなかった。

    読者として批判的に読み進めたうえで、エリート組織としての財務省を賛美し、これまでの財務省を中心とした官僚制システムの継続を筆者が望んでいることに深く疑問を感じた。しかし、民主党が掲げる脱官僚も現実性は乏しい。どのような仕組みがこれからの日本にとって最適なのか深く考えさせられた。

  • とにかく人名がたくさん出てくる。
    それを差し置いても、民主党の「脱官僚」は現実味に欠けるということだけはよくわかった。実際の仕切りは全部官僚(特に金に関しては財務省)なのだから、もっとうまく官僚を使う側に考えをシフトするほうがずっと合理的だと思うのだが。

  • やはり官僚は偉大だ。敬意を表したい。天下り、結構じゃないですか。本気でなくすんなら給料もあげないと。優秀な人材を確保できなくなりますよ。ただ、年下の上司くらいは受け入れないとね。

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