精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)

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著者 : 澤昭裕
  • 新潮社 (2012年8月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104831

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精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • エネルギー政策の考え方は、個々人の頭がカチカチに固まっていると思うので、取り上げてもあまり意味がないかなぁ。だけど、説得されそうな文章の一例として読んでみてもいいかもしれない。※数字等の精査はしておりません。

  • いやほんと、まったくの正論だと思うんだけど、ではなぜ今の日本でこういった議論ができないんだろうなあとちょっと悲しくもなる。

  • 電力について、感情論を排し、現状を知り、問題点をきちんと把握したうえで、地に足の着いた冷静な議論を進め、現実的かつ具体的な構想を導くことが必要という著者の問題意識はもっともだし、電力問題では「多様化」が重要というメッセージはよく理解できるのだが、著者の議論にはやはり、原発ありき、再生可能エネルギーの過小評価というバイアスを感じてしまった。それは、例えば、原発について、その致命的欠陥である放射性廃棄物の問題にほとんど触れていないことなどに表れている。自分も、原発の即時撤廃は求めないが、中長期的には原発の稼働はゼロにし、再生可能エネルギーの技術革新を進めるような電力政策が必要であると考える。

  • 元経産省の官僚であった澤氏による日本の電力問題について述べた本。原発が悪、再生可能エネルギーが善のような現代の風潮に疑問を持つ自分にとっては頭を整理するのに役立った。

  •  経済学者が語る電力をどうするべきか。

     自然エネルギーの普及や電気自由化の問題点は確かに参考になるが、原発について放射性廃棄物の問題にふれなかったりと、中立をうたいながら原子力よりに思える。
     今の電力会社から発電と小売の機能を切り離した東日本卸売電力はなかなかいい案だと思った。
     電力問題はあっちを立てれはこっちが立たず。一筋縄ではいかないことが伝わってくる。

  • 題名が胡散臭いので、印象として損してる感じ。
    ページの割に内容盛り沢山でお得な感じ。

    電力問題全体をザッと俯瞰するにはかなり良い。
    このレベルの入門書が増えると良い。

  • 著者の立場ははっきりしていて「資源に乏しい日本はやはり原子力をエネルギー源の1つとして保有すべきであり、現下の経済情勢を考えれば再稼働も行うべし」。で、その根拠が縷々と語られる。主張は整然としているし、説得力もある。もっともだと思うことも多い。別の本で読んだヨーロッパの再生可能エネルギーも、必ずしもうまく行っていないという論拠が数字をあげて示される。勉強になった。
    にもかかわらず釈然としないのは、この人のいう「精神論」と「意志」の境目がはっきりしないからだ。経済的にも、エネルギー安全保障上も、代替手段が現実的には見つからないという点からも、原子力を保有した方がいいに決まっている。そんなことはわかっている。わかっているから、われわれは原発の建設を許したんだから。事故が起きないという前提の上で。
    でも事故は起き、日本のどてっぱらに大きな穴が空いた。震災の前に「原子力ってちょっと不気味だけど、安いらしいし安全ならまあしょうがないよな」と思っていたぼくみたいな読者が知りたいのは、そういうことではないのだ。天秤に載せるべきは経済や安全保障や代替手段の困難さだけじゃない。事故の被害が必要だ。故郷を失ったひとたちの痛みは数値化のしようがないが、経済を語るなら、現在と将来に渡る原発事故の被害総額を、環境を語るなら、事故によって失われた環境を天秤に乗せるべきだ。事故はもう起こらない、というのならその根拠こそ論じるべきだ。そうしないと、「感情論抜きで」判断することができない。
    感情的に反原発を叫ぶ人は、感情的に原発推進を叫ぶ人と同じように多い。でも原発事故に肝を潰して「怖いからもうやめて」と叫ぶ人のひとの声は、精神論なのだろうか? それは「意志」とはどのように違うのだろう?
    会社などで、「こういう風にしたい」という社長に対して、それが困難な理由を整然と説明する幹部、という図式がよくあるが、そういう議論を読んでいるようだった。会社をよくする幹部は、多くの場合そういう人ではない。

  • 感情的にならずに原発の是非や再生可能エネルギーについて論ずる必要がある、とはいえ、被曝者のことを考えると無条件で廃絶させないといけないと思います。
    …っていうのをもっと調べたり自分で考えてから言えってことなんですかね。

    大都市から離れたところに原発を造るっていうのもねえ。
    大局的に考えると、事故があったときに全体としては被害が少なくて済むんでしょうけど、そこに居住している人も、離れた都市で安全に暮らす人も同じ人間です。

  • 日本の電力政策がどうあるべきかを、元通産官僚が親書にまとめたもの。
    福島以前の原子力50%目標は行き過ぎだったが、各種電源はそれぞれ長所と短所を持っており、分散する必要がある。また、再生可能エネルギーは、安定性と経済性から予備にしかならず、原子力は少なくとも当面はポートフォリオに残す必要があるとする、全う勝つ普通な主張。特に面白いデータや目新しい点もない。

  • 和図書 540.93/Sa93
    資料ID 2012200163

  • 巷に溢れる根拠のない「脱原発」とかいい加減なエネルギー政策について語った本とは一線を画す,非常にまともでちゃんとした本。識者?文化人?がいかにデタラメかが分かるから,国民必読の書といえる。

    2012/10/27図書館から借用;11/01出張の新幹線で読了

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:540.93//Sa93

  • 先日お会いした澤さんの本。8月以前に書かれているので、最近のゼロシナリオにはフィットしていないのだが、それでも電力をとりまく日本の状況についてわかりやすく書かれている。反対派が主張する「命をまもれ」というスローガンは抽象的すぎるというあたりがメディアには載せられない表現なので面白かった。

  • 元通産省の著者が、電力問題を論じる。
    全体的に原発事故を踏まえての論調。

    原発、再生可能エネルギー推進賛成反対問わず、「命を守る」「既得権益へのNO」などといった、曖昧な論点ではなく、根拠、理論を述べるべきだというのは納得。
    同時に、世論がいかに昔から日和見的な意見しか持っていないかも実感した。

    いたずらに原発反対を叫ぶ前に、エネルギー安保、安定供給の程度、長期的なスパンでの電力政策をしっかり考えたい。
    半世紀ぐらいかけて原発ゼロ、変換効率8割ぐらいの太陽光パネルの開発とかにしたらいいんでなかろうか。

  •  FB友達のどなたかが推薦していたので、読んでみた。

     まじめに電力事情を分析していて好感が持てる。

     彼の提案する政策スキーム。

    (1)東日本と西日本にわけて大規模卸売り電気会社をつくる。

    (2)小売りは自由化する。

    (3)原発は、国と民間出資の会社がまとめて所有し管理する。

    (4)電気事業者の監督は公益事業委員会が行う。

     その他、自然再生エネルギーについて固定価格で高めに買い取る方法は、技術革新を阻害するのでよくあいという指摘もそのとおりだと思う。現状で通常の電力より高い分を利用者が強制的に支払わされるのは理屈にあわない。

     先日、NHKのワールドWAVEでもやっていたが、ドイツでは利用者の価格負担が増えてきて、風力発電の買電を抑えるとか、価格を下げるという議論をしている。

     自然再生エネルギーが大事なことだが、市場で戦っていけるよう、もっと技術革新を進めるべきだし、技術革新をした企業が生き残れる仕組みに転換すべきだろう。

     いずれにしても、反原発の人も含めて電力事情に関心のある人にお勧め。

  • 領土問題が燃焼中で最近やや下火な気がしないでもない脱原発運動・・・
    でも国民の意思は2030年代に原発ゼロなのだとか・・・
    7割だっけ?
    もちろんタダで・・・
    何の制約も無く、何の負担も無くゼロに出来るのであれば、そりゃ誰だって原発ゼロを希望すると思います・・・
    でもさでもさ・・・
    原発ゼロにしたら、それこそいろんな負担がボクらに降りかかりますよね・・・
    どんな負担が降りかかるのか・・・
    それを知らずして、考えずして脱原発なんて言っちゃあいけないよね・・・
    命が最優先じゃねーか、って言うけど・・・
    原発ゼロにして例えば経済的にさらにさらに苦境に立たされて・・・
    ただでさえ不景気でみんな苦しんでいるのに・・・
    さらに自分たちを追い込める?
    我慢できる?気合で頑張って何とか乗り切れる?ずーっとずっとだよ?
    それこそ自殺者が増えたら・・・
    それって命を最優先していることになるのだろうか?
    脱原発によって得られるものがあると思うけど、失うものもあるよね・・・
    それでも原発ゼロ?

    ということで・・・
    そんなことを考える上での基本的な土台を学べるはずです・・・
    原発ゼロにすることによってどんな損失があるのか・・・
    そもそも何で原発がここまで増えたのか・・・
    原発を含めエネルギー政策を考える上で基本的なこと・・・
    原発無くても太陽光発電や風力発電などがこれからはガンガン増えてくからヨッユー!と思いきや、まだまだ、そして将来的にも当面当てにならなそうな再生可能エネルギーの実態だとか・・・
    電力自由化に対しての誤解と言うか無知と言うか・・・
    そんなんが書いてあります・・・
    ごく簡単に読めます・・・
    小難しくない・・・
    まさに入門・・・
    スッゲー入門・・・

    著者は通産省(経産省)の元・役人様・・・
    ですが、敬遠せずに・・・
    精神論で乗り越えられる問題では決してないはずなので・・・
    大事なことなはずなので・・・
    ゼーヒー

  • 脱原発・再生可能エネルギーの話が、なぜいかがわしく感じるのかが、これを読んでその理由がわかった。
    意図的に自分側に都合のいいことしか言っていないからだということを。

  •  法的な根拠もないまま原発を止め続け、毎年3兆円もの国富を垂れ流している日本。反原発派は、原発をゼロにすることだけが至上命題なようですが、今後のエネルギー政策について何か考えとかあるんですかね。放射能が原因で死んだ人は一人もいないのに、このまま原発を止め続ける理由が分からない。リスクを考えるんだったら、車も飛行機も電車も全てやめろ、という話になる。
     で、澤さんの「東日本卸電力」構想は、今の現状を考えると非常に合理的な案でしょう。反原発派の「原子力ムラ・地域独占・利権構造」のような考え方を、分かりやすいロジックで一蹴し、うまくまとめられています。すぐ読めるので、ぜひ一読を。

  • 即時の脱原発は非現実的だという論旨には賛成。ただ、「再生可能エネルギーに技術革新は起きない」と断言していいのだろうか。確かに買い取り価格は固定されているが、発電効率が上昇する可能性をなぜ完全に排除するのだろう。確かに現時点ではその発電量は原子力の数十分の一であり、生活基盤を維持するのには如何にも心許ないが、100年後を見据えて技術革新に賭けても良いのではと思う。それまで原発には十分に稼動してもらえば良いのだ。

    なお、「全部の卵を一つのカゴに・・・」の喩えには次のようなアンチテーゼもある。

    …見よ、愚者は「全部の卵を一つの籠に入れるな」と言うが、それは「あちこちに投資して、注意を散漫にせよ」と言うに等しい。一方、賢者は次のように言う。「全部の卵を一つの籠に入れて、その籠を見張れ」と。 …マーク・トウェイン「ノータリン・ウィルソンの悲劇」より

  • 本書の内容は、3.11以前のエネルギー事情のベース。いわば常識。これを前提に日本のエネルギー政策は遂行されてきた。
    3.11以降もこの常識は正論となりうるか。私は現在でもこれが正論であると思う。
    極論はびこるエネルギー論が多々あるが、議論する際は、本書の内容を前提としなければならない。
    果たして、多々ある極論の仮説は、本書を論破できるのであろうか。
    クルマの存在を否定する現代が成り立たないのと同様に、今すぐ原発をゼロにすることはできない。
    人類は原子力なしでは成り立たないところまできてしまった。

  • *寄付
    全部の卵を同じカゴにいれてはならない 多様化
    原子力:LNG火力:石炭火力:残りを石油火力、水力その他 3:3:3:1 原子力がストップしてもその他でなんとかなった
    LNG 液化天然ガス 調達先が分散 CO2排出量が比較的すくない 供給安定 燃料輸送費が高い 価格高め(石油価格と連動するように契約)備蓄2−3週
    石炭 安価、調達先分散、埋蔵量豊富 CO2排出量が多い 大気汚染関連設備必要 備蓄1ヶ月
    石油火力 今は8.3% エネルギー密度が高い 運搬貯蔵が容易 中東に偏在 価格高め、変動 備蓄 民間とあわせて200日
    *寄付
    原子力 ウランが政情安定地域にある CO2排出ない 事故の被害が大きい
    再生可能エネルギー CO2排出ない 経済性ない 出力不安定 エネルギー密度低い 量、コストいづれも未熟
    2011 日本に導入可能な再生可能エネルギーの大半は洋上風力
    再生可能エネルギーは環境にやさしいが、周辺環境にやさしいわけではない
    原子力にみあった太陽光発電にしようとすると、千葉県に匹敵する面積が必要、コスト高
    再生可能エネルギーは原発に代わる基幹エネルギーにはなりえず、補完的な電源になるのが精一杯

  • 日本の電力に関するこれまでの歴史、他国の現状、各エネルギーのメリット/デメリットが分かりやすく書かれています。この問題を考える上での大事な情報源の1つになると思いました。

  • 電力、じゃなくてエネルギー、で考えなきゃいかんのじゃないのかな。

    ソフトウェアの節電にこれ以上期待していない(生活エネルギーは今後も膨れ上がる、と考えている)点で、やはり「電力側」の書き方だなあ。おっと、こういうくくりをしてはダメですよ、という本なんですよね。市民・文化人は経済的視点を持たずに脱原発を唱えますが、そんなのは当たり前です。みな自分の都合を言い、それを調整するのが政治であり、実施するのが行政ではないですか。では解決策は。電力卸売会社を作るのだと。みんなが不満なものはいい政策だと。
    そうかなあ。俺、感情的だ。

  • 至って現実的な内容だと思います。この話は現実的ではない話が非常に多いので,この本の内容で現実的な状況を把握したいと思います。

  • 自分の頭で主体的に考えよ、と。

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精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)の作品紹介

震災後、国民的関心事となった電力問題。しかし議論がこじれる一方なのは、「理想」と「現実」が混同されているからではないか。再生可能エネルギーの将来性は楽観できないし、電力自由化や発送電分離がユーザーのメリットになるとは限らない。さらに世界の資源争奪戦は熾烈を極める一方だ。現実的で妥当な選択肢はどこにあるのか。電力問題のウラオモテを知り尽くした元政策担当者が客観的データをもとに徹底解説する。

精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)はこんな本です

精神論ぬきの電力入門 (新潮新書)のKindle版

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