犯罪者はどこに目をつけているか (新潮新書 486)

  • 新潮社
3.44
  • (5)
  • (27)
  • (37)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 263
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104862

作品紹介・あらすじ

プロの犯罪者は恐るべき観察力を備えている。彼らに特有の物の見方、考え方、そして行動パターンを知ることが防犯の鉄則なのだ。わが身、わが家、わが町を守るために普段から何を心がけ、どうすればいいのか。「やられるヤツには油断なり死角がある。自分たちはそこを突く」と語る伝統的大泥棒の実践的レッスンをふんだんに盛り込んだ異色の防犯読本。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 犯罪者に「狙われやすい家の共通点」とは 下見の際にチェックする“意外な箇所” | デイリー新潮
    https://www.dailyshincho.jp/article/2023/02150611/?all=1

    伝説の泥棒たちが語る「こんな家は入りやすい!」 | ダ・ヴィンチWeb(2012/10/25)
    https://ddnavi.com/news/93543/a/

    出版物・著書 - NPO法人体験型安全教育支援機構
    https://bit.ly/3XOZWUV

    清永賢二、清永奈穂 『犯罪者はどこに目をつけているか』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/610486/

  • 著者の云いたいことは、
    「守りは薄れ、犯罪者の学習は進んでいる」ので警鐘を鳴らしたい・・・ということでしょうかね。

    なるほど・・・と思う点、多々有りました。たとえば、
    ・警備会社のステッカーは、この家には警備が必要なほどの、モノがある、と教えてくれる
    ・番犬を敷地の中で放し飼いにするのは良策だ。しかし、・・・(この続きは伏せておこう)

    また、なぜ犯罪が起きるのかについて、そういうことか・・・とも納得。

    つまり、古典的犯罪発生観(=犯罪は異質な物が起こす)であったのに対して、実は、現代的犯罪発生観(=割れ目が犯罪を生む)があり、
    さまざまなストレスで犯罪に手を染めざるを得なくなるので、異質な物を除去・隔離するような犯罪対策(警察強化)ではなく、防犯が重要だということでした。

    防犯の前に、割れ目のない社会を作ることが何よりも重要だと思ったんですけどね・・・

    店頭でタイトルに惹かれチェックしたんですが、Amazonで在庫切れだったので、久しぶりに店頭に戻って購入した1冊でした。


    (2012/11/27)

  • 犯罪と言っても殺人などではなく、自分も被害にあってもおかしくない侵入盗に焦点を当てて、その対策を実践的に述べている。自分の身は自分で守るという当たり前の結論ではあるが、では、どういうところに気をつけるべきかをプロレベルの犯罪者の言葉や目線で語るところに説得力がある。また、個人レベルではどうにもならない街としての必要な対策や隣近所との連携など生活していく上での別の視点も得ることができる。何も知らないよりは知っていたほうが防犯上、役に立つだろう。

  • 学問とは方法論である。自分なりの窓枠というか視線をもつことだといえる。他人の方法を批判する以上はそれに代わる視線をひねり出さなければならない。
    危機から体を守る基本は自分で守る。それ以外はない。警察はいつもいない。自分の体は自分で守る。それができないなら1人になってはいけない。

  • 犯罪者は~というタイトルだが、そのメインは侵入盗。
    ちょっと想像と内容が違ったかな。

  • 「近づきやすく」「逃げやすい」獲物を選ぶ。生活の割れ目が犯罪を生み出す。

    一人ひとりの意識を変える、そのためには子供のときからの教育。

  • 理論だけでなく、実際の元犯罪者の声に基づいた、より実践的な防犯に役立つ本。特に一人暮らしの人や女性(中でも独居の女性)は必携。

  • 素人の備えなぞプロにとっては無駄な努力らしい。
    犯罪で生きている人間は経験と理論を兼ね揃えており、我々が思っている賢い。
    本当に目の付け所が違うんだなぁと感心してしまった。

    空き家や強盗などは狙われたら最後、完全に防止することはできなさそうだ。
    被害に遭ってもダメージを小さくできるように努力しておくほうが精神衛生上楽なのかもしれない。

  •  第一章は犯罪予防の基礎知識である。
     犯行を行おうとする者は、標的から5メートル以内は「特殊行動原理」、それ以上離れると「一般行動原理」に則って行動し、さらにその行動も標的の20m付近になると確定的なものとなる。彼らを食い止める為には「遮断・威嚇・阻止・回避・隔離・強化:教育・矯正・環境改善」の8つに加え、地域の特性を踏まえた対策を行う必要があるという。
     不審者を見分けることが難しいという事例を、学校付近の道路を包丁を手に歩いていた人物を囲んでみたら、実はキャベツを採りに歩いていた現場一帯の大地主だった(大変憤慨していたそうな)、という例を挙げている。この地主には悪いが「あなたが悪い」と言ってやりたくなった。
     



    自分用キーワード
    忍びの弥三郎 猿の義ちゃん 「犯罪予防は現場の実務家が先行し、研究する学者が後を追う関係が続いている」 「都市同心円論」 2000年の地方自治法改正(「書くほ必要がないほど当然のことは書かない、災害・犯罪対策の主役は市民」) ロンブローゾ「生来性犯罪者説」 オスカー・ニューマン 埼玉・千葉連続通り魔事件(2011) 

  • 参考にならない。結局、犯罪者が犯罪をしようと思ったら、どうしても無駄という感じに書かれている。一方で、たった1人の犯罪者へのインタビューが多くのページを割いて、その部分は偏った情報になっていて、まとまりがない感じがした。

  • 目から鱗。
    窃盗を職業にしてる人の話だけあってとても興味深い。
    しかし、もっと込み入った話も聞きたかった。防衛術にしても然り。

  • 犯罪学の先生が、実際の犯罪者にヒアリングした結果から導きだした防犯の心得です。所帯持ちの方や女性はぜひ一読!独身男性は自分で頑張れ!

    詳細は読んでもらうとして、興味深かったのは

    ①窃盗、性犯罪者が目標を定めるのは20mの距離。5mまで近づいたら一気に襲いかかる、って肉食獣やな。。。
    ②犯罪を生業にしてる人の情報処理能力はジェイソン・ボーン並み
    ③ダークサイドに堕ちる犯罪学者はやっぱりおるらしい。ドクターレクターか w

    月並みなようやけど、最強の防犯は地域で取り組むことやそうで、近所付き合いってのはやっぱり大事ですな(-_-)

  • たとえば住む家を選ぶときに、日当たりや騒音は気にするけれど、防犯上はどうなんだろう、という視点はぽっかり落ちることがある。聞いたことのある話も多かったが、なるほどなあ、と思う話も多かった。たとえば袋小路は泥棒には敬遠される、みたいに。
    とはいえ、上手に自分を守るのは簡単ではない。著者の勧める「釣り糸センサー」も、留守中の誤動作のことを考えるとちょっと設置しづらいし・・・

  • 元プロ犯罪者との対話、行動調査から防犯の枠組みを考察。
    プロ犯罪者のインタビュー部分は大変興味深いが、結論や近年の犯罪情勢分析は結構凡庸。それができれば苦労しない的な話が多い。

  • 例えば殺人・・・
    例えば強盗・・・
    例えば窃盗・・・
    例えば性犯罪・・・
    世の中にはいろんな犯罪があるけれど・・・

    自分は大丈夫・・・
    何となくそう思ってはいるけれど・・・
    いつ何時巻き込まれるか分からない・・・
    自分の身に災厄が降りかかってくるか分からない・・・

    大事な自分の身を守るために・・・
    大事な自分の家を守るために・・・
    犯罪者が何を見て、どう考えて、どう行動をするか・・・
    著者が向き合ってきてたスーパープロ、プロ中のプロ、アマなどの多くの犯罪者を参考に・・・
    犯罪者の視点、目線から犯罪というもの、そして防犯を学ぶ本・・・
    路上での犯罪や住居での犯罪についてですね・・・
    怨恨でどうこう、という犯罪の話ではないです・・・

    こういうのカジったこともほとんどないので新鮮・・・
    というか自分があまりにも知らなくて怖くなるよね・・・
    ちゃんと意識せねばね・・・
    せめてイロハぐらいは、ということで読んでみて良かった・・・
    当たり前と言えば当たり前のことが書いてありますが・・・
    へー、そうなんだ、ということも多々・・・

    犯罪者は人物なり家なりの対象に対して20mの距離にいたって、『ここでやる、この獲物をやる、本気でやる』等、意思を固め、狙いを定めて隙を窺うんだそう・・・
    この20mという距離は大事・・・
    そして身を守る場合、5~6mの距離で一気に襲いかかってくるそうなので、間合いとしてはその距離を意識する必要がある・・・
    家の場合も防犯を考えるなら3~5mという距離感が大事・・・
    家(というか堀)から3~5mの範囲は自分の防犯上気をかけないといけない距離と心得る・・・
    などなど・・・
    防犯上知っておくべきこと・・・
    と、それへの結構具体的な対応策がつらつらと書いてある・・・

    自分の身と、自分の家を守るためには・・・
    自分で守るという意識と・・・
    同時に・・・
    いま住んでいる街全体で、つまりみんなで協力して、犯罪者から見て、とにかく『この街は、やりにくい街である』というイメージをつくりあげることが大事である・・・
    まとめは超ザックリでこんな感じだけども、詳しくはゼーヒーで読んでみて・・・
    サッと読めるし・・・
    オススメちゃん

  • コンピュータのセキュリティに元ハッカーを雇うことがあるのだから、窃盗・空き巣についても同じ発想を適用する時代がきたのではないのだろうか。

  • ≪目次≫
    第1章  犯罪予防の基礎知識
    第2章  体の守り
    第3章  家の守り
    第4章  近隣の守り
    第5章  都市の守り
    第6章  明日の犯罪予防へ、八つの提案

    ≪内容≫
    こういうタイプの本は新書にありそうでなかった。研究者が少ないということか、購読者が少ないということか…。犯罪予防、特に空き巣などに対する家の守りや町の守り(近隣との協力)など、知っているようで知らないことが書かれている。また、予防策も具体的。元空き巣などへの取材も多く、ただの学者の空論とは違うと感じた。

  • ふつうでした。
    「賊」の方の手記のほうを読んでみたくなりますね。

    目をつけられたら最後、気をつけても無駄
    ということはよくわかった。

  • この本を読んで一番印象に残ったのは、人間の身体能力。犯罪者は想像以上に狭いところも通れて、高い階でも侵入できる。
    一方で体格的に劣る女性子どもでも、たとえば噛みつくなど可能な対抗手段はあるということ。

    また、犯罪者が嫌がる環境について。
    時間がかかると諦めることも多く、また音を嫌がるので、侵入しにくく、侵入時に音が出る対策をしておくこと。
    そして、逃げやすいかどうかも犯罪場所を選ぶ際に考慮され、たとえば住宅街の奥より、大通りに近いところの方が逃げやすいので好まれるということ。

    さらに地域の力。
    人目を恐れるので、通りで声をかけあったり、乱雑な場所をつくらないなど地域の環境は大切。
    残酷な話だが、防犯力の高い地域があると、その周辺の地域に犯罪が流れるとのこと。国全体で防犯力を高められるのが理想だが、まずはそれぞれが自分の町からはじめるしかない。

    備えあれば憂いなし。
    犯罪を100%防ぐことはできないが、犯罪者の心理を知ることで、犯罪が起こりにくい環境を作り、犯罪に遭いにくい自分になることはできる。誰もが一度は読んでおくといい本だ。

  • 三葛館新書 368.6||KI

    テレビ番組で、タレントの自宅に泥棒役の人間が入り、通帳を探すという企画がありました。本人は工夫して隠しているつもりでも、泥棒はいとも簡単に見つけてしまいます。
    本書は実際の犯罪者が残した記録や、犯罪者から聴取した事実をもとに、犯罪者はどこを見ているか、から、ではどこに気をつけるかが書かれています。犯罪者の観察力、行動力には驚くばかりですが、被害に遭わないために注意すべき点がわかります。

    和医大OPAC → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=64353

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。
    通常の配架場所は、1階文庫本コーナー 請求記号:317.78//Ki88

全28件中 1 - 28件を表示

清永賢二の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×