間抜けの構造 (新潮新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104909

感想・レビュー・書評

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  • ビートたけし (著)
    “間”の取り方で世界は変わる…。芸人、映画監督として、これまでずっと“間”について考え格闘してきたビートたけしが、貴重な芸談に破天荒な人生論を交えて語る、この世で一番大事な“間”の話。

  • 間抜けとは「間が悪いやつ」のこと。

  • 遠慮とか空気を読むとかの日本人的な感覚意識って、最適な間をみすみす逃してしまわせてるところあるなあと。逆に失礼にあたってしまってるというか。間、の方が大事。

  • 今のところ、今年最も面白かった。

  • 間が抜けてる
    間に合う
    間が悪い
    間をはずす
    ・・・

    本書はビートたけし氏が、様々な立場で、”間”を観察し、体感し、理解し、果ては使いこなそうと努めて生きてきた・・・そこから得た”人生の気づき”をまとめた本である。そもそも”間”とはなにか? どんな”間”があるのか?  時間(タイミング)的な概念なのか、空間的な概念なのか? ”間”とは意識して使いこなせるものなのか? 使いこなせるとどんな得があるのか? なぜ、日本語にしかないのか? 著者が、思うところを、ごくごく自然体で語っている。

    本書最大の特徴は、言うまでもなく”間”というものが、ビートたけし氏本人の豊富な経験に照らし合わせて、語られていることにある。やるべきことが見えずぶらぶらしていた一大学生として、お笑いタレントとして、たけし軍団団長として、司会者として、映画監督として、俳優として、芸術家として・・・”間”を観察する視点は、ビートたけし氏ならではで、とてつもなく広範囲だ。

    ”ま”、”MA”、”マ”、”間”・・・わたしたちをとりまく”間”。”間”を侮ることなかれ。その言葉自体に重みがあり、深みがあり・・・新しい発見がある。普段気にもとめない・・・当たり前の”間”。”間”の取り方をちょっと意識してみると、人とのコミュニケーションがちょっとうまくなった気分になる。笑いをとろうと、”間”のはずしかたをちょっと意識してみる自分がいる。”間がいいこともあれば、間が悪いこともあるさ・・・それはたまたま間が悪かったんだよ・・・”と言い聞かせる自分がいる。

    ”間”をちょこっと意識してみることで、人生ちょっぴり豊かになるのかも・・・そんなことを考えさせられた一冊でござんした。

    (書評全文はこちら→ http://ryosuke-katsumata.blogspot.jp/2013/03/blog-post_29.html

  • 題名は『間抜けの構造』ではあるが、「間」についてのたけしの哲学についての本。

    「間」とは「魔」とも書く。彼にとって「間」は「あいだ」であり、「魔性のもの」でもある。そのくらい、大切だということだろう。

    漫才で出発したころのツービートの話も面白い。最初はきよしがボケで、たけしがつっこみだったらしいが、客が笑わないから、そのうち、たけしがボケをやり始めて、最後にはどちらもやっていたという。(笑) たけしも結構、言うねぇ。

    たけしの「間」に対する考えが端的に出ている部分は「映画の間」についての箇所だと思う。
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    観ている人には、もっと想像してほしいからね。それを不親切とか、それこそ意味が分からないとか、最初のころはよく言われたけど、そんなの自分で考えろよ、と言いたい。そこまでバカなやつに付き合う気はないんだ。(中略)ギチギチに説明するばかりで、”間”のない映画はつくりたくない。それは観ている方の想像力を限定してしまう。
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    スキマがない方向に進むばかりの世の中だから、「間」を大切にしたい。「間」があるからこそ、何かが生まれるのだ。

  • 身近な間抜けの話から、笑い、スポーツ、映画、社会、色んな意味での“間”の大事さ。「人生は、生と死の“間”である」って、こんな深い話まで。履歴書の空欄を許さず、どんどん“間”をなくしていく今の時代、それでいいのか?“間”とは何か…。身につまされた。

  • 傾聴の研修を受講する中で、「間」の取り方が大切だなと思い何か良い本がないかと探して見つけた本です。

    でも、読んでみたら、たくさんの間抜けの話がとても面白く書かれているのですが、間抜けにならないための理論的考察はほとんどなく、アートの世界だねということになってしまっていて私の知りたいテクニカルな何かがあるのかについては、書かれていませんでした。

    たとえば、

      >  日本語というのは、強弱のアクセントがなくて、高低のニュアンスだけ
      > なんだってね。ひとつひとつの言葉に強弱がないからリズムが生まれにくい。
      >
      >  --- Snip ---
      >
      >  じゃあどうやってリズムをつけるかというと、強弱がないなら、
      > どこかで“間”を置いて区切るしかないわけ。
      > それによって、日本語のリズムは変わってくる。
      >
      >  それを昔の日本人は直感的に考えたんじゃないかな。
      > そのひとつの典型が「古池や 蛙飛び込む 水の音」つまり「五・七・五」
      > なんだけど、このあたりは理にかなっている。

    と、ここまでは、すごい期待してしまうわけです。でも、

      >  なんで「四・七・三」はダメで、「五・七・五」のリズムが気持ちいいのか、
      > というのは考えると難しい。
      > それは日本人のDNAに埋め込まれたもの、としか言いようがない。

    えー、ここで、DNAと言われたら、、、という調子で私の知りたいことの周辺をぐるぐる何週もまわっている感じの本でした。

  • 独特の主張で、間の大切さへの色んな考えを綴ったエッセイ。政治家から芸能人まで、間抜けさ加減を一刀両断にばっさりと切っているのが面白かった。自分の生きざま(は大袈裟か;)によほど自信がないと、ここまで書けないんだろうな。

  • ”間”に関する定義は難しいところがある。「距離的な”間”」もあれば、「心理的な”間”」もある。いずれにせよ、間抜けって何ですかって話なんだけど、要は「自分を客観視する力にかけている人」っていうふうに定義してみよう。

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著者プロフィール

1947年東京都足立区生まれ。浅草フランス座で芸人としてデビュー後、1972年に漫才コンビ「ツービート」を結成、人間の「建前と本音」「理想と現実」との落差を舌鋒鋭く突きまくる芸風で漫才ブームの牽引役となる。テレビに進出後、『オレたちひょうきん族』『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』などの人気番組を次々と手掛ける。映画監督としても『その男、凶暴につき』『ソナチネ』『HANA-BI』などの話題作を多数世に送り出す。2016年にレジオン・ドヌール勲章、2018年には旭日小綬章を受章。近年は小説執筆にも力を入れている。著書に『弔辞』(講談社)、『不良』(集英社)、『浅草迄』(河出書房新社)など。

「2022年 『浅草キッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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