動乱のインテリジェンス (新潮新書)

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  • 新潮社 (2012年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104930

動乱のインテリジェンス (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 佐藤優さんと手嶋龍一さんの、袈裟の下に鎧を隠した感じの対談集、でしょうか。

    いや、非常に読み応えがありました、まさしく今の世界状況を読み解く道標かと。
    少なくとも年内から来年夏くらいまでの状況は対応できる気に、なりました。

     「国家を真剣に守ろうと思えば、情報収集の手段は自前で構築する必要がある。」

    これをベースに、自分なりの肌感と軸となる価値観を交えて、意見を確立しておきたいところ。
    同じくお二人の対談である『インテリジェンス 武器なき戦争』も読み返してみようかな。

    言われてみれば、なんだか妙に違和感を感じる昨今のTPP反対論ですが、
    お二人の仰る「経済ではなく安全保障の視座での検討が肝要」とは納得です。

     「アメリカは「日本なきTPP」などあり得ないと考えています。
      ですから「日米豪」枢軸の安全保障・経済同盟に育てようと構想している」

    地政学的にも、海洋国家と大陸国家の衝突はある意味宿命的だと思います。
    それが故に、大陸国家が海洋権益を求めて外に出てきているのは、危険な兆候かと。

     「帝国主義の本質は、「搾取」と「収奪」にあります。」

    ここ数年で「ゲームのルール」がガラリと変わっている(回帰している?)とも思います。
    ホント、70年前の第二次大戦前夜に似てきたなぁ、、と改めて感じてしまいました。

     「国家の根幹が揺らいでいるいまこそ、近未来を見通して国益を守ることができる指導者に
      この国の外交と安全保障を委ねる時だと考えます。」

    このタイミングでの〆のこの言葉、さて両氏が示している「指導者」とは、、気になります。

    安倍政権の時の日豪安保共同宣言や、麻生さんの「自由と繁栄の弧」を鑑みると、
    どう読み解いていくのかが、非常に鮮明に思い浮かべることができました、なんて。

    あと個人的には、既存メディアの色眼鏡を通した内容ではなく、
    真っ直ぐな視点からの、沖縄と北海道の現況を知りたいですが、うーん。

    ん、来月の選挙を前にもう一度読み返しておくべきかと、感じました。

  • ☆2(付箋3枚/P221→割合1.36)※文字加算+1(付箋平均340字)

    ・佐藤:仮にウクライナがNATO・北大西洋条約機構に加盟することが決定したとしましょう。ロシアは必ず軍事侵攻します。もしくは内部からクーデターを起こさせます。理由は簡単、ロシアの宇宙産業、兵器産業はいまだにウクライナと一体化したままなのです。
    兵器の秘密が全部NATOに握られたら、ロシアは軍事関連のマーケットを失うことになる。NATOもそこは分かっているから、常にウクライナへの歩留まりはつけている。

    ・手嶋:イラン当局が発表した会見の写真ですが、アフマディネジャド大統領がいて、鳩山さんがいて、通訳がひとり真ん中にいる。あの写真がすべてを物語っています。ちょっと見には当たり前の構図に見えるかもしれませんが。
    佐藤:ふつうは誰が写っているかに注目しますよね。
    手嶋:でも佐藤さんのようなプロフェッショナルはそうじゃない。
    佐藤:そう、誰が写っていないか。それが非常に重要なんですよ。
    手嶋:大切な外交交渉では、たとえば、佐藤栄作とリチャード・ニクソン会談では、日米の双方からの通訳がいます。
    外交交渉で相手側が用意した通訳に頼ってしまえば、正確さもさることながら、相手のペースになってしまう。ですから、英語が母国語と同じほどに出来る日本の外交官も対米交渉では英語は使わない。自前の通訳を用意するんです。相手の言葉を使えば不利な交渉になりますから。
    …佐藤:悪い二元外交とは何か、それは相手側の眼で見ればいいのです。これを学ぶには、鳩山イラン訪問を振り返れば論より証拠、すべてが分かる。
    手嶋:悪い二元外交の問題点は、交渉の相手国が日本を容易く操れる、その一点に尽きます。

    ・手嶋:日本は戦後長く、牙は持たない戦略できた。ウサギはオオカミのように牙はないわけですけれども、長い耳という武器がある。しかしその耳も、GPSがない現状では長いとは言えないわけですね。
    佐藤:ウサギほど耳が長くなくてもいいと思うのですよ。ただし準天頂衛星ぐらいは欲しい。牙に関しては、オオカミの牙を持つ必要はないんですけれでも、猫ぐらいの耳と牙は持った方がいいと思うんですよね。それから、いろいろなパイプをもって、鼻を利かせる必要もある。ただこれも、犬ほどよくなくていいと思うんです。
    つまるところ、猫ぐらいのインテリジェンス・モードは持った方がいいということです。猫ぐらいの牙と耳と鼻を持つ。日本の場合は、それぐらいのサイズでいいと思うんですよ。

  • 日本が抱える種々の近隣各国との問題を、日本が誇る二人のインテリジェンスが鋭い切り口で語った一冊。
    スパイや、サードパーティールール、情報の大切さなど面白い話盛りだくさんだった。
    情報と接したときにそこから何を紐解くか。その行動に隠された意図は、目的は、関係性は、裏は、歴史にどう位置づけられるか。この著者二人と新聞を読んだりニュースを見られたらさぞ面白かろう。

    帝国は異質なるものを内に包み込む力が必要。

  • 2012/10/27 Amazonより届く。
    2012/11/11~11/14

    当代名うてのインテリジェンスの大家二人の対談本。現在の日本を取り巻く状況は非常に厳しく、後の歴史家によって、日本の大きな節目であったと総括されるかもしれないこの時期、平和ボケした日本人が最も日本の状況を把握していないというこの恐ろしい状況。読めば背筋が寒くなること必至。

  • 民主党政権時代の国際情勢を、2人の独特なジャーナリストが分析した対話本です。
    5年前の著作ですが、現在に通じる話題が多く、原発事故、領土問題、中国、北朝鮮、イランなどのトピックに対して、報道されない細部や背景を分析されています。
    中国が初の空母を購入する際は、はじめにマカオのビジネスマンが洋上カジノを作るためと偽ったとか、鳩山元総理がイランを電撃訪問したのは、イランの諜報部門の成果だとか、興味深い情報が多く楽しめました。
    2人の著者は、この本で日本の政治力、外交力の低下を憂いていましたが、この本に書かれている民主党政権時代の施策と比較すると、安倍総理は随分挽回していると思いました。

  • この二人の対談集は2冊目ですが、今回も面白い内容盛り沢山です。
    いま衆議院選挙真っ盛りですが、TPP参加の是非に関しては、このような安全保障からの切り口があるのかと、あらためて思い知らされました。
    近視眼になりがちですが、戦略的思考で長いスパンでみることの重要性を感じる一冊です。

  • 「インテリジェンス」
    自分まで客観視できるくらい考え抜いて答えを出さないとこのレベルに至ることは無いのだと思います。
    民主党政権時に書かれてるのですが鳩菅がいかに無能な政権やったかがわかります。
    さすがに野田さんはかなりマシやったようですがσ^_^;
    あの頃の悪夢に戻るのは嫌ですが現政権で再現されるのももっと嫌です。
    まあネットの監視が効く時代ですからあそこまで酷いことにはならないのでしょうがσ^_^;

  • 日本の周辺の安全保障関連トピック、中国のインテリジェンス、イランと鳩山由紀夫、イランと北朝鮮の核、アジアの政治経済について、インテリジェンス関係に造詣のある2人が対談。この2人の対談本は中身濃ゆいな。

  • 理解が進んだ

  • 佐藤氏、手嶋氏の対談本第2弾。議題は領土問題、沖縄基地問題、中国、イラン、TPPなどについて。

    ギリシャ危機についてのP204『税金逃れをしたり、契約を軽んじたりといったギリシャの国民性には、それなりの歴史的背景がちゃんとある』のところの内容には驚き、納得しました。
    「ギリシャ・ローマ神話」のくくりやバチカンから近距離のキリスト教国ということでイタリアに近い文化なのかと思い込んでいたら、東ローマ帝国ルーツでロシア寄り、西欧人とはものの考え方が違う、とは知りませんでした。

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動乱のインテリジェンス (新潮新書)の作品紹介

著者の預言どおり、世界はにわかに動乱の季節を迎えた。日本周辺海域の波はことさら高い。「北」のミサイル、空母を持った中国、混迷の中東、通貨危機とTPP、そして黄昏れゆく日米同盟-。報道レベルを数段超えたインテリジェンスで「今そこにある危機」を分析しつつ、縮みゆく日本を毅然として回復させる道筋を示す黙示録的一冊。日本最強の外交的知性がぶつかり合った、高カロリー対談。

動乱のインテリジェンス (新潮新書)のKindle版

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