動乱のインテリジェンス (新潮新書 493)

  • 新潮社
3.78
  • (27)
  • (88)
  • (43)
  • (6)
  • (3)
本棚登録 : 549
感想 : 70
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106104930

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • やはり外交は表面を見ているだけではダメで、その裏や中について本質を理解して考えなければならないと再認識させれた
    また、着眼点や切り口が、これまでの書籍と大分違っているが、目からウロコ的な感心させられる点も多かった
    たとえば、アイヌ民族・琉球民族を日本における亜民族という捉え方も、確かにそう考えれば合点がいく部分もあるな〜と感心させられた。

  • インテリジェンスに詳しい二人が2012年民主党政権当時の世界情勢について語る。対談を文字に起こしているので、話題があちこちに飛ぶのはやや読みづらい。
    悪い二元外交の例として、鳩山元首相のイラン訪問を挙げている。イランのインテリジェンスが、鳩山氏の「NPTが不公平、ダブルスタンダードだ」という言葉を引き出している。

  • 民主党政権時代の国際情勢を、2人の独特なジャーナリストが分析した対話本です。
    5年前の著作ですが、現在に通じる話題が多く、原発事故、領土問題、中国、北朝鮮、イランなどのトピックに対して、報道されない細部や背景を分析されています。
    中国が初の空母を購入する際は、はじめにマカオのビジネスマンが洋上カジノを作るためと偽ったとか、鳩山元総理がイランを電撃訪問したのは、イランの諜報部門の成果だとか、興味深い情報が多く楽しめました。
    2人の著者は、この本で日本の政治力、外交力の低下を憂いていましたが、この本に書かれている民主党政権時代の施策と比較すると、安倍総理は随分挽回していると思いました。

  • 日本の周辺の安全保障関連トピック、中国のインテリジェンス、イランと鳩山由紀夫、イランと北朝鮮の核、アジアの政治経済について、インテリジェンス関係に造詣のある2人が対談。この2人の対談本は中身濃ゆいな。

  • 割愛。

  • 情報の裏を取る。世の動きの真相を探る。鳩山由紀夫を動かしたように、目的に基づき状況を操作する。インテリジェンス機能が世に無ければ、政治は独善的で、戦争は破滅型となり、外交上の衝突は頻発するだろう。水面下の根回し、対象の俯瞰的かつ正確な理解が出来なければ、全く的外れな判断が横行するからだ。近しい行為は、通常の社会生活や、ビジネスにおいても、当然存在する。勿論、国家間で生じる規模の利害得失には繋がらないのだが。この利害得失が、機密性を要し、尚、インテリジェンスは高度化する。

    この機能が日本に今要求されるのは、特に、領土問題、安全保障について。この問題を、佐藤優と手嶋龍一が語るのだから面白い。正鵠を射た洞察。確かな見たて。

    人間独自のこの機能が、人間関係において損なわれた際、それは、アスペルガー症候群のようになるだろうか。では、何故国家付き合いが上手くいかないのか。そこには、情緒的な建前がなく、剥き出しの利益追求しかないからだろうか。貸し借りも全て、記録に残る。会社では、どうか。情緒的な付き合いが少しはある。これは、仮初めの民主主義で、国の形を暫時選定するシステムと関係していやしないだろうか。

    カロリーやエネルギー交換の共通概念をお金とし、我々は自由を交換する。しかし、交換媒体はお金のみならず。情緒も媒体なり得る。国家間で情緒を媒体とし、アスペルガーにならぬシステム。そこには、有効な世界警察と、情緒的関係の成立が不可欠だ。

  • 最近では定期的となった、外務省のラスプーチンこと佐藤優氏とアメリカ勤務の長かった手嶋氏の対談本。2012年12月発行時点の国際情勢とその意味するところを対談形式でわかりやすくまとめている。

    内容は、日本周辺の領土・領海拡張としての沖縄の問題、中国・イラン・北朝鮮との日本外交等をまとめている。時事ネタが多いので、当時はこのような考えだったのかとしることや、全てが終わってから事後に検証するなど読み方はいろいろあるように感じた。

  • ニュースの裏側を知ることができる。

  • この二人の組み合わせは幻冬舎新書でもあった気がするけど、ニュースに描かれていない世界情勢の裏事情を教えてくれるという良書。
    2冊めになると前ほどのインパクトはなくなってしまうし、前回以上に喋れないことが多くあるような印象だけど、日本の対して勉強していない新聞記者やニュースキャスターの解説よりもよっぽどためになるのは間違いない。
    現場を知っている人だからこその重みもあるわな。

  • いろいろな観点から外交をはじめとするインテリジェンスの世界を語ってくれていて興味深かった。このようなことを知るとニュースもいろいろと考えさせられる。

著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤優の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×