国の死に方 (新潮新書 500)

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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106105005

作品紹介・あらすじ

そんなに国を死なせたいのか?歴史はやはり繰り返すのか?リーダー不在と官僚組織の弊害、出口の見えない不況、未曾有の震災と東北の苦境…鬱積する国民の不満を受けとめられない政治は、相次ぐ国難にも右往左往を繰り返すばかり。近年、この国の有り様は、あの戦争前後の混迷に驚くほど通底している。国家が自壊してゆくプロセスを精察し、暗雲漂う現代の「この国のかたち」を浮き彫りにする。

感想・レビュー・書評

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  • 国の死に方 (新潮新書)
    (和書)2013年07月27日 23:24
    片山 杜秀 新潮社 2012年12月15日


    地震 津波 原発事故 の三重苦の日本において

    大日本帝国が滅び、そして日本国が滅ぼうとしているのではないか!ということが書かれている。

    僕は、国が滅んでも人間は残ると思っている。「国破れて山河あり、城春にして草木深し」---そして人間が残るのだ。

  • 社会
    歴史
    哲学

  • 逆説の日本史?世界史?読んだことはないが苦笑 ヒトラーは独裁ではなかった。戦争中の日本は軍国主義ではなかった。文体のテンポがよく、すいすい読めた。本書と未完のファシズムは大学時代のゼミの先生に貸してもらった本。さぁ、未完のファシズムを読もう。

  • ヒトラー、スターリン、大日本帝国。
    特定の人間が出でこないのが日本の特徴かとも思う。

  • 切り口斬新で、初めて知る話も多く面白かった。

  • 国の中から共産主義者やユダヤ人を選別し排除することは平時の理屈では不可能。共産主義者もユダヤ人もドイツ国民に違いない。国内を例外非常の事態におき、特殊な立法や超法規的措置を友わせなければ不可能。
    ヒトラー自らが国家の仕組みを一生懸命に壊している。

    ゴルバチョフは書記長に選ばれたとはいえ多くの反対派に囲まれていた。
    チェルノブイリ事故を機に、今まで明るみに出てこなかったソ連の本当の姿をどんどん情報公開していく。グラスノスチはゴルバチョフの想定を超えた。

  • 著者曰く、日本という国は死につつあるらしい。3・11、福島原発を取り上げるまでもなく、明治時代から現在までリーダー不在の日本は迷走し続けている。

    そんな日本という国を、時にナチスドイツやソ連、ゴジラなどと比較しながら、新書らしからぬ軽妙な文体で描写する。述べていることはヘビーだが、短編歴史小説のような読みやすさ。

    映画「ゴジラ」で、日本政府は放射能まみれのゴジラに為す術がなかった。結局、ゴジラから日本を救ったのは、身を犠牲にした一人の民間科学者だった。今の日本にはそんな科学者が登場するような国ではない。じゃあ、原子力発電所については誰が責任を?

  • 国の安定のために、使われる火災保険、地震保険のくだりは面白かった。
    普通選挙の章を読み、政治リテラシーのない日本が終わる時の形がほんのり見えた気がした。

  • 特に、第2章「国家をわざと麻痺させる」と、第9章「舌先三寸と気分の衆愚選挙」を興味深く読んだ。
    歴史から学ぶべきことはたくさんある。そうあらためて実感させられた。

  • ゴジラの音楽を作った伊福部の話がいきなり出てきたので驚いた。
    たしかに、伊福部の暗い音楽って、原子爆弾や、放射能や、戦争や、機械や、民族主義や、神話や、・・・・そういったものを全部含んでいて、まさにゴジラの映画音楽にぴったりすぎるくらいピッタリだ。

    ヒトラーは意図的に国家を麻痺させたのだ。p.41

    スターリンがソ連に作り出した仕掛けは、上意下達で、上から下にノルマと思想を浴びせて、逆らうものは片っ端から粛清してゆく。
    フルシチョフは、指導者の個人崇拝は否定したが、スターリンの作った上意下達の仕掛けには手をつけずむしろ積極的に利用した。ブレジネフも、アンドロポフも、チェルネンコも、基本的には同じだった。 p85参照


    でも、ヒトラーのことも、スターリンのことも、後から言えば、何でも言えるぞ。片山の言う通りだとは思えない。そこまで単純化できないと思う。

    原発事故と、原爆投下には、いくつか重なる部分があることに気づかされた。

    この本は週刊誌とかに載せた軽い文章の寄せ集め。

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著者プロフィール

1963年生まれ。政治思想史研究者、音楽評論家。慶應義塾大学法学部教授。著書に『音盤考現学』『音盤博物誌』(いずれもアルテスパブリッシング、吉田秀和賞およびサントリー学芸賞)、『未完のファシズム』(新潮選書、司馬遼太郎賞)、『鬼子の歌』(講談社)、『尊皇攘夷』(新潮選書)ほかがある。

「2023年 『日本の作曲2010-2019』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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