- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106105821
作品紹介・あらすじ
なるほど。そう読めばいいのか! 池澤夏樹、内田樹、橋本治、吉本隆明など、すぐれた読み手たちの案内で「史上最大のベストセラー」の魅力に迫る。「何となく苦手」という人のためのぜいたくな聖書入門。
感想・レビュー・書評
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聖書の概観、土台にある大きなものが何となくわかって、これからトライするつもりです。
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第Ⅴ章 田川健三の項目は難しかった。不可知論 神を信じないクリスチャン
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聖書について、10人の研究者や作家たちの解説やインタヴュー記事をまとめた本です。
本書の中心になっているのは、新約聖書学者である田川建三へのインタヴューで、やく三分の一のページ数を占めています。インタヴュアーを務めるのは湯川豊で、主に田川の来歴について尋ねながら、彼がどのような経緯で聖書の研究にたずさわり、どのような同時代的な問題関心のもとで聖書を研究する新たな視角を見いだしてきたのかといった話を引き出しています。
田川のインタヴューにくらべると短いものですが、吉本隆明も本書のなかで聖書とのかかわりを語っています。こちらでは、軍国主義少年だった吉本が、敗戦に直面した日本人のすがたと、聖書にえがかれているイエスのことばとの対比によって、どのような問題をつかみ出したのかということが語られ、やがてその問題意識が『マチウ書試論』へとつながっていったことが回想されています。 -
本は脳を育てる:https://www.lib.hokudai.ac.jp/book/index_detail.php?SSID=5067
推薦者 : 中村 重穂 所属 : 国際連携機構国際教育研究センター
この本を推薦するのは、僕がキリスト教徒であるからでもなく、『聖書』にありがたみを感じているからでもない。どのような本にせよ、読み手の体験を通してその内面と響き合うものでなければそもそも本を読む意味はないということをこの本の中の第Ⅳ章「レヴィナスを通して読む『旧約聖書』」(内田樹)が慄然たる厳しさを持って教えてくれるからである。この本を手にした人は全部読まなくても良い(読めば読んだでそれなりに得るものはあろうけれども)が、上記の箇所だけはじっくりと読んで欲しい。その上で、関心があればレヴィナスの本に向かうこともお勧めする。わかりやすい本ではないが、人間について何かしら考えるきっかけとなると思う。 -
知識人たちによる聖書体験の紹介。こうして読むと聖書は決まり決まった読み方があるのではなく、解釈は個人個人で多少異なるように見える。それゆえ聖書学なんていう聖書を研究する学問があるのであろう。
個人的には田川建三氏の体験談が面白い。氏はヨーロッパに留学だけではなく、アフリカのコンゴで教壇に立っている。そこで見たのは宗教以前に白人支配層に対する根強い偏見。個人的解釈だが同じ宗教を信じてれいれば、出自を問わず皆仲間というわけではなさそうだ。 -
・最初に読むおすすめは、旧約聖書のいちばん初めの創世記。その次に新約聖書の福音書(池澤夏樹)
・必死になってはいい仕事にならない。むきにならずのんびり仕事をしろ。しかし、期限までに仕上げなければならない(田川健三)
・聖書を読むならまずはマルコ伝。いちばん衝撃的だったのはマタイ伝(吉本隆明)
・まず聖書を一冊ということであれば、日本聖書協会『新共同訳聖書/旧約聖書続編つき』(山本貴光) -
●聖書の入門書的な期待で読み始めたが、期待外れだった。作家や評論家が聖書をどう読んだのかといった本であり、「聖書とは何なのだ」という疑問には答えてくれなかった。
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事前の期待通り、「神を信じないクリスチャン」田川建三先生の話が良かった。まさに新約聖書研究にまい進し、日本の教会関係者に「読むな」といわれる程の研究書を出し続けている。