いいエリート、わるいエリート (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106293

感想・レビュー・書評

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  • 才色兼備なコメンテーターとして活躍されている方の著書を図書館で手に取り、読んでみた。
    努力する動機がコンプレックスから始まっているとのこと。共感する点もあったが、これで生き続けるのはしんどいのでは…、と思った。
    内容と題名に親和性がないと感じたのは私だけだろうか?

  • できないのが嫌だからできるようにがんばった私も、中学生や高校生でこの筆者のような明確な考えをもっていたら人生違ったものになっていただろうなと思う
    前を向いて努力しようと思えた

  • 東大法学部主席卒業、国家公務員Ⅰ種に学生時代に合格、財務省キャリア、司法試験合格、ハーバード大学留学という素晴らしいキャリアを持った、女性が書かれた本です。

    なかなか外観も良いので、同じ内容を「男」が書いたら本にならなかったかもしれませんが、お世話になっている図書館で目についたので読んでみました。

    彼女が実際に体験した、東大や財務省の実情はどうなっているのかが綴れていて、自分ではけして体験することができない世界の最新情報に触れることができた点では、貴重な読書だったと思います。あんな状態をいまだに続けている財務省を始めとした各省庁に、今後とも優秀な人材が集まるのか、心配してしまいました。あれが事実としたら、30年は遅れていることになりますからね。

    本の中で、彼女が再三強調しているように、彼女の実績は、努力の賜物であり、その努力とは、それを得るのに費やした時間量であると述べています。効率よく勉強をする、とか、短時間で結果の出る方法でやろう、という本に書いてある内容は、それを真似ても効果の出ないことが多いというのが私の経験でもあります。

    彼女は、司法試験の直前は一日17時間以上勉強したそうです。一定以上の結果を出すには、最低限の時間を投資しなければ難しいというのは、どの世界でも同じだと思っていた私は納得のいく内容でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・勉強は、頑張ればそれに見合うリターンが期待できる。それぞれの努力に応じた評価が得られて職業の選択も増える。年齢を重ねるごとに、成果が上がる。人生の後半を充実させる職種を自分の意思で選択できる(p19)

    ・東大医学部を目指していた場合、東大に入れなくても、他の国立大学の医学部・私立の医学部も選択できる。東大医学部卒でも、ほかの医学部を出ても、医師は医師である(p19)

    ・7回読みとは、助走読み3回(漢字・カタカナ中心)、本走読み2回(キーワード理解、要旨を把握)、完走読み(脳に定着)(p21)

    ・自分にあった勉強法は、変えてはいけない(p24)

    ・信念とは、最初は漠然としていても、徐々に輪郭がはっきりしてくるもの。理想から始まり、少しずつ中身も伴ってくる(p50)

    ・詰め込み教育があったからこそ、努力が報われるシステムができあがり、みんなが勉強したとも考えられる(p61)

    ・学習塾とは、成績の悪い、その他大勢が、成績のイイ子たちに搾取されるシステムとなっている(p70)

    ・東大の卒業生は、二十代前半までずっと勝ち続けている、だから評価されなかった時、自分を立て直す術を持っていない。立て直す必要のないキャリアを歩んできたので(p81)

    ・女性から見た「理想の男性」に変化がないならば、男性の側の「理想の女性」に変化がなくても男性だけに文句を言うことができない(p84)

    ・高圧的でも部下は耐える理由として、部下のせいで、自分が上から怒られても、絶対に部下のせいにしない。上司のところで止めてくれる(p120)

    ・人には必ず「波に乗れない時期」がある、その波に乗れていない時にどこまで我慢できるか、どう振舞うか、が人生を分ける(p136)

    ・弁護士や医師が、顧客や患者との間で結ぶ契約は、売買契約ではなく、委任契約である。これは特殊な契約で、受任するほうは、委任する方と比べて、圧倒的な知識があることが前提になっている。だから、受任する方には幅広い最良が認められる。無報酬が原則で、簡単に終わらせられる。(p151)

    ・世の中には2つのタイプがいる、1つめは、投資によってリターンを得る人、もう1つは、労働によって対価を得る人。前者は金融所得、校舎は勤労所得。前者の場合には、投資がゼロになることもある反面、何倍にもなる可能性がある。後者は時間に限界がある(p163)

    ・ファーストキャリアに弁護士を選ぶか否かはとても重要である、そうでない限り、「根っからの弁護士」になれない(p165)

    ・負けた時のふるまいに人の本質が表れる(p180)

    ・マイナスのエネルギーを、自分自身を前に進める力に変えることができた(p182)

    2016年1月24日作成

  • いや、先に言うとくとこのひとの本これからも読むんやろうけど、なーんかやっぱりどれ読んでもいやなかんじを受ける。本人の努力はすさまじいものがあるんやろうけど、まだひとに対するドロドロした感情があると思うのです。文章読んでて、感じてしまうのです。

  • 東大在学中に司法試験、国家公務員Ⅰ種に合格し、全科目「優」の成績で東大を首席で卒業。財務省を経て弁護士という著者のプロフィールが目をひいて読んでみた。天才というよりは超人的な努力をする人で、私には真似できないと思った。また彼女のモチベーションがコンプレックスが原動力で、社会は投資される側と支える側に分かれるとか、自分は投資される側だとか、端々の発言に嫌悪感を覚えた。そんな彼女も社会に出てからは少しは人間的になったのがせめてもの救い。

著者プロフィール

1983年、札幌市出身。2006年3月、東京大学法学部を卒業。同年4月に財務省に入省。08年に退官し、15年まで弁護士として法律事務所に勤務。15年9月~16年8月、米ハーバード大学ロースクールに留学し、卒業。17年4月、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程に入学。17年6月、米ニューヨーク州弁護士登録。20年3月、東大大学院を修了。20年4月から信州大学特任准教授となり、翌年、特任教授に就任。

「2023年 『挫折からのキャリア論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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