いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)

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著者 : 橋本治
  • 新潮社 (2015年10月16日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106392

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 老いる準備をしようと読み始めたが,橋本治の人生が波瀾万丈すぎて全く参考にならない.

  • なんだかとりとめのない語りだなあと思って気乗りせずに読んでいたら、第六章「老いの貧苦」が驚きの内容。「余は如何にして貧となりしか」と題して億単位の借金を抱えることになった経緯が記されている。これだけでもすごいのだが、さらに、第七章「病気になる」では、免疫系の難病を発症し、それでもなお借金返済のために入退院を繰り返しながら働いていることが綴られていて、なんともまあ壮絶である。あるのだが、しかし、そこが橋本治であって、あっけらかんと、というか、飄々と、というか、形容に困るのだけれど独特の語り口なので、あらまあそうなの?という感じで読まされてしまう。

    自分より十歳ほど年上の、いわゆる団塊の世代の方たちが、「高齢者」の仲間入りをしつつある。従来の「年寄り」という概念が崩れている今、どう年をとっていくか、参考にしたくて注目している方たちがいるのだが、著者もその一人だ。「老・病・貧・孤」という状況を抱えつつこの境地。とてもじゃないが自分には無理だけれど、どこか気持ちを楽にしてくれるのは確かだ。

  • これは、若い女性に向かって言った言葉ではなく、老いに向かっていく自分に対しての言葉。
    体は確実に老いていくのに、そして体は何度もその信号を送っているのに、脳がそれを認めない。

    人間というのは幼いころから成長曲線が右肩上がりで、いざ下り始めると、新しい出来事を記憶しにくくなってしまう。
    だから、若かったころの、できたときの自分の感覚で考えるから、齟齬を生じるらしい。
    子どもの運動会に参加して転ぶのは、若いころにスポーツをしていたお父さんが多いのもそのせいだと聞いたことがある。
    頭は若い時の感覚で指令を出すけれど、体は全然追いつかないのだそうだ。

    “「自分」とは、アクのようなものだ。
    アクが溜まって大人になる。大人になるということは、そのように「自分」が蓄積していくことで、「自分」が溜まってしまうと、そう簡単に身動きが出来なくなる。体が重くなるし、思考もまた重くなる。”

    “年寄りは意図的にならなければならない。一々脳の指示を仰がなければヘマを仕出かしがちになる。だから動きがノタノタと遅くなる。”

    若いころは反射神経でいけたことが、年を取ると脳の判断を仰ぎながらじゃないとできない。
    あれ?それって、なんかちょっとかっこよくない?
    だって、脳が働いているってことだよ。

    記憶力が衰えるっていうのは、付箋紙の接着力が劣化するのと同じことだと橋本治は言う。
    劣化していることを意識して、きちんと貼ればいいのだと。
    それを、今までどおりにテキトーにペタッと貼っつけるから、付箋紙はひら~っとはがれてどこかに落ちてしまうのだと。

    「栄耀(えよう)に餅の皮を剥く」という言葉をこの本で知りました。
    金持ちは表面が固くなった餅の皮を剥いて、中の柔らかいところだけを食べる。
    だけど古くからの金持ちなら、餅の皮なんか剥かずに「新しく餅を搗け」と命令すればいい。
    急に豊かになって働く必要がなくなり、暇を持て余した結果、「することもないから餅の皮でも剥いとくか」となったのでは?と橋本治は考察します。
    そして、「古くなったお肌の角質を剥いて若返らせる」美容整形のピーリングは、まさに「栄耀に餅の皮を剥く」行為だと、毒を吐く。
    格好いいなあ。
    潤沢な知識をもって毒を吐く年寄り。うっとり。

    橋本治の語る老いについて、思い当るところは多々あって。
    だけど老いへの道は片道切符。
    泣いても笑っても、誰もが老いていくのだから、できればまあ、笑いながら老いていければいいなあと思います。

  • 確かに肩の力が抜ける

  • 老害が老害たる所以がよくわかった。

    氏の人生があまりにも壮絶すぎて老い方に関しては参考にならないが、物事の捉え方が鋭く読んでいてハッとさせられることが多かった。

  • 著者のファンでない人には、それほど面白い本ではない。
    誰もが年をとることについてアマチュア。
    著者はバブル崩壊で多額の借金を背負った。

  • 全体として特に何を言っているわけでもなく、だらだらと話が続くんだけど、部分部分に注目するととても鋭い考察がある、という橋本節は健在。
    好き嫌いが別れると思うけど、けっこう僕は好き。

    それにしても橋本治、そんなことになっていたのか。結構壮絶だな。。。

  • 橋本さんは現代の啓蒙家で、
    至ってまっとうなことを、
    少し人が思いつかなかったところから
    きちんと言葉で追っていくので
    なかなか読みにくい、ところはあるかもしれない。
    このヒトは浮ついたことを言ってるのではなく、
    自分の経験にのっとって、身体で知って頭につなげているというのが
    この本を読むとすっごくわかる。
    こんな大変な経験、普通の人では乗りきれない。
    貧乏(しかも飛び込んで行った)、
    万人に一人の難病、膨大な仕事量、半端ない頭の良さ。
    そういう人が、老いについて考え、発見の日々を新鮮に驚いている。
    死は結局、生の側からしか考えられない。
    橋本さんの新しい本が、まだ出ていることに感謝。

  • 人が老人と言われるのを嫌がるのと同じくらい中年と言われるのををいやがるのは、そうなると若さとは無関係の生き物になってしまうからではないにかと思って、それで私は、人というものは若さの後にいきなり若くないを持って来ずに、まだ若いという留保期間を置き、更にもうそんなに若くないがあって、やっともう付きの若くないを置くのではないかと思うのです。
    人とはそのように往生際の悪いものであるというのではなくて、若い段階で人格形成が起こってしまうから、事の必然として自分=若いという考えが自分の中心に埋め込まれてしまうのだと思います。

  • 著者の橋本治さんといえば桃尻娘・・・。アラ50男子はみんな知っている・・・?

    若さに軸を置いた社会の価値観と、否応なく訪れる老いとのギャップを、自身の老いの進行状態を見せ、世の中に見る老い方を観察し、『老い』あるいは、『老い方』を哲学されている。
    私自身が、最近『老いる』や『残された時間』、『健康寿命』等、考える時間が増えてきているので、面白く考えさせらた。

    『なるほど、この先はこんな風に考えていけば良いんだ・・・。でも俺って、まだ歳の割に若い方だから大丈夫。』ってセリフを笑い飛ばせ!

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いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)の作品紹介

明日に向かって老いろ! 「楽な人生を送れば長生きする」「老後は貧乏でも孤独でもいい」など、前期高齢者となった作家が、「老いに馴れる」ためのヒントを伝授。老若男女のための年寄り入門。

いつまでも若いと思うなよ (新潮新書)はこんな本です

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