百人一首の謎を解く (新潮新書)

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著者 : 草野隆
  • 新潮社 (2016年1月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106538

百人一首の謎を解く (新潮新書)の感想・レビュー・書評

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  • 百人一首どころか、短歌和歌にはとんと無学な身だけれども、題名に惹かれ後学のためと読んでみた。
    百人一首の成り立ちが、それぞれ苦に満ちた人生を送った歌人を追善供養し、鎮魂が撰歌の結果だったとは。

  • 百人一首に謎なんてあるの?と思っていた。
    要は、後世の人が、定家に擬して作ったもの(で、どういう成立過程を辿ったのかは全く分からない)と思っていたから。

    で、実際にはもうすこし分かるところがあるようだ。
    定家が蓮生(れんじょう)の山荘の、障子色紙として選定したもので、山荘といっても、蓮生の地位を考えると、そう粗末なものではなかったらしい。
    なお、熊谷直実の出家後の名が同じく「蓮生」だが、そちらは「れんせい」らしい。
    その阿弥陀堂の障子に飾るためだったから、苦の世界である現世を象徴するような不幸な生涯を送った歌人が選ばれている、とのこと。
    蓮生の帰依する浄土宗の世界観である二河白道図を、敏行の住ノ江=墨の江の歌、業平の「ちはやふる」=紅の川、陽成院の筑波嶺の歌=青い川の三首を配することで模しているというのは、面白かった。

    中納言の位にあった人の歌が十人。
    それも本書を読むまで知らなかったことだが、それは自身も中納言だった定家の「暴走」だとされている。
    そこらへんは、どうなんだろうね。
    一読者としては面白く読めればいいんだが、研究となると大変だろうな。
    どこまでいっても、真実はそうだった、とは言い切れないのだから。

  • 百人一首は誰がなんのために作ったのかを解説してくれる本です。

    元々「百人一首」はなく依頼主のためにテーマのある中で百首以上を選び襖に飾るものでした。
    和歌の何たるかを教えるために秀でた百首を選んだものだと思っていたので驚きました。

    学校で覚えたりならったりはしたものの意味までは知らず。
    悲哀に満ちたあまり幸福な歌ばかりではないところもわかりました。
    もう一度百人一首してみたい。

  • タイトルに惹かれて読んでみました。ただ、1冊の本にするには内容が薄かったように思います…。
    百人一首は恋の歌が多いと聞いていたんですが、ここではそこは挙げらず、中納言が多いとか、全員悲劇の人だとか、違った視点で百人一首を知れました。

    あと、単純に百人一首の歌の意味を知らないし、歌人についても詳しくないんでなんか言ってることの半分も意味がわからなかったです。これは百人一首をちゃんと勉強している人向けですね…。
    それにしても後半部分は…なかなか読み進められなかったです…

  • 和歌を100選ぶだけで、ここまで研究できるものなのか。

  • うーん。うーん。うーん。タイトルと帯と前半のパラ見で買ったんだけど、残念な一冊でした。

    前半は面白くて、百人一首の“謎”とはそもそも何か?を整理してくれていて興味深い。いつ、誰が、何のために、なぜ、そして歌の中身が偏っているのはなぜか?元の写本がまったく残されていなかったのはなぜか?などなど。そして、百人一首と双子のような存在である「百人秀歌」の存在は何なのか?これも誰が何のために、そしてなぜ百首ではなく実際には百一首あるのか?

    問題提起はとても面白いし、いわゆる“定説”の中には根拠のないものも少なくなく、資料から判断するとむしろこうであろうと推論するところまではワクワクしながら読んだのだが。

    歌の選ばれ方に関する定家の基準、並べ方、百人秀歌から百人一首に至る歌の入れ替えや並べ替えに関する“謎”などへの考察があまりにも杜撰すぎて呆れた。著者の主張に直接関係ない部分については、定家が「あまり深く考えずに選んだのだろう」「こだわらず適当に並べたのだろう」などとまるで根拠のない推定に終わっている。言霊の支配する時代、百首もの歌を選んで編む歌集(に準ずるもの)についてそんなにいい加減なことをする筈はないのではと思う。時代に配慮しているようで変に無頓着なことにがっかりした。

    昔読んだ「絢爛たる暗号」(織田正吉)は、これも確かに穴のある推理ではあったのだが、配列や歌を選ぶ基準などへのこだわった考察は相当なもので、面白さでいえば段違い。また、小説ではあるが「百人一首の呪」(高田崇史)でタタルさんが(つまり、高田氏が)展開した推理の方が遥かに精緻でありスリリングだった。

    前半の問題提起はとても興味深かったので☆2。

  • 『百人一首』は、いつ、なんのために編まれたのか。

    藤原定家が、小倉山荘という風雅な庵で、古今の名歌を百首選び抜いた

    という定説?をひっくり返すべく、論証を開始する。

    『明月記』に見られる記述から、蓮生、嵯峨山荘、障子色紙形といったワードに注目し、これが『百人一首』の原型ではないかと指摘する。

    『百人一首』の人物や歌に、おめでたさがなく、むしろ反しているということ。
    また、秋を詠んだ歌が多いことなども、この説に当てはまるように思う。

    しかし、筆者だけが唱えている説ということで、補強・検証する論が現れると良いのだが。
    最後の方は、本筋から離れ、『百人一首』の扱われ方に向かうので蛇足か。

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百人一首の謎を解く (新潮新書)の作品紹介

定家のたくらみ、見破ったり! 誰が何のために? なぜ代表作が撰ばれていない? なぜ不幸な歌人が多い? 「発注主」と飾られていた「場」に注目することで、あらゆる謎を鮮やかに解く。

百人一首の謎を解く (新潮新書)はこんな本です

百人一首の謎を解く (新潮新書)のKindle版

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