いい子に育てると犯罪者になります (新潮新書)

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著者 : 岡本茂樹
  • 新潮社 (2016年3月17日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784106106590

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いい子に育てると犯罪者になります (新潮新書)の感想・レビュー・書評

  • 謝らせたり、ペナルティーを与えることは実は問題の種を育てていることに他ならないのかもしれない。

    この作者が一貫して伝えていることは、まず根本の部分から振りかえって、どうして今回顕在化した問題行動を起こしたのかを評価しないと真の改善には繋がらないという考え方です。

    自信を持つこととは自分がそのままでいいということを認めること。
    誰かと比べて優越感を持つことと勘違いしてはいけない。自信を持ちなさいの使い方、気をつけないと。

  • 生育環境が悪の心を増大させてしまう。厳しすぎる躾は反動を産む。甘やかしではなく十分に甘えさせ、子供の気持ちを尊重して、親の都合を振りかざして抑圧させず、本心が発露しやすい家庭環境にしてやることが親の務めか。この本が著者の遺稿となってしまったのは本当に残念。こういう人物こそが社会の澱のようにわだかまってしまっている人々を救う大きな動きを作り出せたろうに。原因を取り除かなければ、病は治らない。治療法はもう岡本氏の一連の著書で示されているのだから、兇悪犯罪が起こされる土壌そのものを改良できる時代が遠くない未来にやってくるだろう。

    かえすがえすも、岡本氏には長生きして活躍して欲しかったが、命を削るような思いもしながらの活動も多かったのだろうと推測してしまう。
    心から哀悼の意を表したい。合掌。

  • 昔、老弁護士が少年院からの手紙を私に見せてきた。

    少年の書いたそれには、この本にあるのと全く同じことが書かれていた。
    いわゆる紋切り型の洗脳文章(当時の私の表現)だ。反省しているだの方々にご迷惑おかけしただの二度と過ちは犯さないだの先生には感謝している、前を向いて歩いていくだの、何の現実味もないバカっぽい定型文。

    だが犯罪者とは人間社会の洗脳が通用しなかった者のことを指す。洗脳が行き届いている者はよほど運が悪かったなどでない限り捕まったりはしない。
    だからこの効果は一瞬だ。彼はすぐ我に返る。
    そして洗脳の経験というエネルギーは、恨みという生命の情動に変換される。
    この星や宇宙が望んでいるのはあらゆる私たちの正しい配置であって、人間の、ましてや一部の先進国や人間たちの利などではないからだ。
    少年は犯罪を繰り返すだろう。運命という神のシステムによって。

    で、爺さんはなぜこの手紙を私を見せてくるのだろうか?
    悲しいねとか言いたいのだろうか?
    意図を図りかねていると

    「いやあ誠意は伝わるものだね」

    と得意げに言い放った。

    先日、知人にこの話をしたら
    「だから人間は『そんな気になりたい気持ち』だけの生き物なんだって。
    『他人』や『現実』が『存在している』なんて高度なことは理解できないって」
    と言った。

    この本には著者の唱える方法で再犯率が下がった具体的なデータが示されているわけでもなく、著者から見て一番の被害者となるはずの犯罪者への罰が別段否定されているわけでもない。それはつまり著者が『そんな気』になっていただけなのか、或いは『そんな気』という檻から人間を解放しようとしていたのか、はたまた解放しようとしている気になりたかった、ということを示しているのだろうか。

    だが私はそれでようやく自分の夢が自分からの解放だったのだということに気付いた。

  • 2016年11月27日に開催された全国大学ビブリオバトル2016~京都決戦~奈良・和歌山地区決戦で発表された本です。

  • 嘘つきは泥棒の始まり。

  • 読書メモ的にポイントをまとめと
    ▼幼少期に何らかの抑圧で素直に感情や欲望を表現できなくなるとそれがストレスとなって蓄積される

    そのストレスが外に向かうと非行や犯罪に走り、内に向かうと引きこもりや鬱、自殺につながる

    ◎何らかの抑圧は親からであることがほとんど

    ◎「強い承認欲求」は幼少期の「強い愛情飢餓」が原因

    ◎「迷惑をかけてはいけない」という価値観は、見方を変えれば、「人の世話になることをしない」という考え方につながる。そうすると、悩みや苦しみを自分一人で抱え込むことになる。

    ◎幼少期に子どもに身に付けてほしいことは、親に十分に甘えられることに尽きる。親との関係で甘えることを体験できた人は、他者にも甘えられる人になる。

  • いい子に育てる道は、まず自分の感情を表現できるようにしてからだということが分かった。感情を表現するには、それなりの語彙が必要。そのために、親や教育者は、子どもの気持ちを代弁するように語りかけ、「ああ、私が今感じている気持ちって、言葉にするとそういうことなんだ。」と気づかせる必要があると感じた。それが、幼少期から繰り返されることで、人を信じることができて、素直に気持ちを表現できることに繋がるんだと思う。
    それは、学校教育が始まる時期では、すでに遅いのかもしれない。

  • 刑務所で更生教育に携わった 岡本氏。
    受刑者には、意外と、幼少期に「いい子」だった者が少なくない。
    親のしつけや刷り込みにより、素直な感情表現を封印され、期待されるいい子 を演じてしまう。そのストレス、寂しさが、負の方向へ爆発し、
    問題行動を起こす原点になるのだと。
    この本では、受刑者のほか、宮本亜門さん、酒井法子さんのケースも取り上げ、
    何が彼らを苦しめたのか、
    それに気づくことの重要性が語られています。
    子供には、ありのままでいいよ、
    と抱きしめてあげる大切さに気づかされる一冊。

  • 「いい子に育てると」というよりは、「いい子であることを押し付けると」などとした方が適切だと思います。

    要は、子どもを抑圧してはいけない、という内容。
    犯罪者のほとんどは、子ども時代に抑圧された経験を持っており、そのことに気付くことで、ようやく本当の意味で人生をやり直せる、そんな内容です。

    そして、子どもだけでなく、大人についても、抑圧はよくない。
    犯罪者の再犯の多くは、初犯後の抑圧が原因であり、しかも、犯罪の根本的な原因である「子ども時代の抑圧」について振り返りをしないことも影響が大きい、とのこと。

    ただ、「抑圧はダメ」については、「言うは易く行うは難し」だとも思っています。
    とりあえず、できる範囲で、「抑圧はダメ」を心掛けたいと思います。

  • 妻に勧められ、読んでみる。
    インパクトの有るタイトルだが、読んで納得。いい子になりなさい、真面目な子になりなさいと抑圧された子供は、感情を上手に外に出せなくなり、またそうではない人を許容出来なくなり、爆発し、犯罪者となってしまう恐れがある。

    前半は受刑者や酒井法子さんを例にケース紹介。後半はでは我々はどういうことに気をつければ良いかが描かれている。

    少年院が私語が出来ないことや、旧態依然とした考えに則り運営されていることは驚いた。

  • いい子になろうとする子が危ないんだろうな

  • なかなから挑発的な題名である。
    「いい子」であろうとするとそれは大きなストレスになる。子育てにも自分の生き方にも「遊び」が必要だよ、という事。
    人間は一人では生きていけない。
    上手に人に頼り、甘え、助けていく事が生きやすさにつながるということ。
    パーフェクトな人間なんていないんだから。

  • いい子=親の言うことをよく聞いて我慢しちゃう子=いつか爆発する子
    だからこそ、上手に感情を出せるようにしなきゃいけない。

  • ”愛情”とはどういうものなのか、考えさせられる。親子の話に限らないですよね。

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いい子に育てると犯罪者になります (新潮新書)の作品紹介

「明るさ」と「素直さ」の背後にあるものを見よ。「いい子」は危ない。自分の感情を表に出さず、親の期待する役割を演じ続け、無理を重ねているからだ――。矯正教育の知見で「子育ての常識」をひっくり返す。

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