- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784106106637
感想・レビュー・書評
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現実社会で生きていくためには秩序を乱すことに対する抑止力を持ったルールが必要だ。
「言ってはいけない」が、社会生活する上で認識しておいたほうが良いと思う。
共感することは多い。ただし、これが100%真実なんだと洗脳されもしない。
データも納得性を増すために都合のいいものが選択されているということを忘れずに!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
文献が全て海外のものだったので最も日本の実例も欲しいところではあったが、世間に言ってしまうと過激派だと後ろ指を立てられそうな内容が書かれている。ただ、科学的なデータがあることなので(信じるとすればだが)根拠や理由は納得できた。
1番参考になった項目
「子育てや教育は子供の成長に関係ない」
優れた遺伝子を持っていても、それが発現するかは環境によって影響される。特に、親との環境よりも友達や同世代の子供の集団内での環境が最も影響される。なぜなら、古代からの遺伝子プログラムによって、授乳を終えた子供に構ってくれない親よりも面倒を見てくれる年上の子供や同年代の集団の方が生存に重要なことを知っているからだ。だから、友達の世界で生きることが子供にとって死活問題なので、子供集団のルールと親の躾が衝突した場合、子供が親の言うことを聞くことは絶対にないのだ。そして、子供は自分のキャラを子供集団の中から選択するので、全く同じ遺伝子を持っていても集団内でのキャラが異なればちがう性格が生まれ、違う人生を歩むことになる。親ができることは、子供の持っている才能の芽を摘まないような環境を与えることだ。 -
最初に不愉快な本と断りを入れているが、これだけ痛快に書いてくれると逆に気持ちがいい。
まえがきによると本書で書かれていることにはすべてエビデンス(証拠)があるのですが、該当される読者がすべて該当に当たるのかと言えば必ずしもそうではない。
大切なのは理解をすることであって、絶望することや期待することではないってこと。
環境と遺伝があたえる影響は、感覚的にはどちらも半々だと思えていたことが、研究の結果どちらの比重が大きいのかを(親としては残酷に感じる!?)知れたことは学びになった。
読み終えたからと言って、日常に何か変化が起こったわけではないけれど、読んでおいて良かったと感じた一冊。 -
今年のベストセラーと言うことなので、読んでみた。実はこの作家さん、「タックスヘイブン」と言う小説をかなり前に読んでいる。今ほど、「タックスヘイブン」と言う言葉が浸透していない時代で、随分斬新な内容で印象の強い作品だった。なので、かなり期待して読んでみたけど、最終的には「だから、何?」に行き着く。遺伝学や心理学など、かなり専門的なことも多く、一般常識として考えられていることを覆す内容だから、「残酷すぎる真実」と言うサブタイトルがついているのだろうけど、私としては、そんなにびっくりするほどの内容でもなく…現実はこうだから、こうしよう、みたいな提案があっても良かったのでは。あとは小説が衝撃的だった分、期待が大きすぎたのかも…
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論理的推論能力の遺伝率68% 一般知能IQの遺伝率は77% 頭のよしあしは7-8割は遺伝で説明できる
統合失調症の遺伝率は8割
身長の遺伝率が66% 体重の遺伝率は74%
サイコパスの遺伝率は81% 環境の影響は2割弱 環境は子育てでなくはなく、友達関係のような非共有環境の影響
よくある誤解は、遺伝率を個々のかくりつでと取り違えること
相関関係があるからといって因果関係があるとは限らない
ユダヤ アシュケナージ系ユダヤ人だけ知能が高い
アシュケナージはドイツのという意味 ライン川沿いのユダヤ人コミュニティを発祥とする
ユダヤ人差別 キリスト教では禁忌とされていた金貸しで生計をたてざろうえなかった
セロトニン 幸福ホルモン
セロトニンを運搬するトランスポータ遺伝子
伝達能力が高いL型 伝達能力が低いS型
その組み合わせで LL LS SS
日本人の7割がSS型
不安感がつよく将来に備えようとする
アメリカの経済格差は知能の格差
貧困女子の3つの障害 精神障害、発達障害、知的障害
社会資本(家族や友人)も金融資本(貯金)もほとんどもっていないので、人的資本(仕事)を失うとあっというまに社会の最底辺に陥る
風俗がセーフティーネット
風俗市場の縮小
セックスのデフレ化 コンビニ、居酒屋の店員、介護職員と給与がかわらない
知識社会とは、知能の高い人が知能の低い人間を搾取する社会のことなのだ
心拍の低さ
怖れの欠如、共感の低さ、刺激の追求 -
橘玲氏は『臆病者のための株入門』で投資信託積立を決意するきっかけとなったという経緯がある。
吉川浩満氏の著作で対談があり進化生物学、進化心理学方面にも言及しているとのことで、まずはベストセラー本書を手に取ってみた。
率直に、これはセンセーショナルな内容だわ。ご自身で述べているが不快な論旨が学術的根拠をもとに述べられているが、心情的には信じるのが難しい点もある。しかし、臭い物に蓋をするの出なく真摯に向き合うことでより良い社会の形成を目指すという一点に、集約する。そこに自分が試されておる緊張感とまだまだ学び視野を広げることの意義をまざまざと突きつけられる。
後、ドーキンスの『利己的な遺伝子』はどこでも引用されますね。未読ですので、そろそろ手を伸ばしてみようかと。些細なことですが、『Humankind』で取り上げられていたオクラホマ大学のサマーキャンプ実験がここでも挙げられ、また違う観点からこの実験の意義を説明している。読書経験が繋がった感じがして、一人で盛り上がった。(本書は人間の集団帰属意識と外部環境との必然的対立。ヒューマンカインドはそこに研究員の介入があったことを暴き、人間生来の優しさにフォーカス)
巻末に参考文献をまとめてくれているのが、自分好み。こういったとこから次の読書へと誘われる、あぁ、抗い難し。積読祭りわっしょい。 -
タイトル「言ってはいけない」は非常に刺激的なものだが、内容についても期待通り、あまり表立って「この辺り」の話をする人はいないと、すぐに感じることができる。あまり深く触れないが、副題にある「残酷な真実」の通り、そのまま残酷さをまざまざと見せつけられる一冊になっている。
軽く構成中心に触れると、人の遺伝、知能指数(IQ)と所得の話、特にそこから発生する最貧民層について、後半は子孫を残す人間の動物的な面と行動について鋭く突いてくる。また子供の教育に関しては、どんなに頑張っても遺伝的な要素が大きい点は否めず、頑張って我が子を一流大学に入れようと努力・支援している親からすれば、まさに「言ってはいけない」事を繰り返し記載している。一貫して「誰も表立って」言ってくれなかった事を、あえて伝えていくことが主旨なので、まさに「残酷」そのものである。読者の置かれた状況によっては、筆者が冒頭で警告するように不快な気分に感じるだろう。
あくまで書かれた内容について自分はどうか、というチェックをしながら、勿論完全にそうだとは言わないまでも、確かに納得感と共に受け容れられる点が多数ある事に気づき、今後の人生に少しでも参考になれば、程度で考える事を勧める。
なお残酷で言われてこなかった事なだけで、読者の大半は薄々もしくはかなり断定的に考えていることと内容は一致する。少し例を挙げるなら、美人の女性が経済的に裕福である事、一流大学を卒業した親からは頭の良い子に育つ事などである。また性に関する記載もかなり刺激的で、少子化を爆走中の日本の政治家にもまず読んで政策に活かせることがないか考えて欲しくなる。あくまで考えていただくだけで、政策にそのまま活かせない内容なのだが。
筆者が本書を読むと1日がスッキリ終わらないような事を冒頭警告してくれるが、まさにその通り、頭の中で何とも複雑な心境に陥り、対人関係にもどうやっても多少の影響を与えてしまいそうだ。読むには少し覚悟がいるが、単なる一つの考え方・例示だと割り切れる方にしてみれば、逆に大して面白く無いものに終わるかもしれない。ベストセラーになった事から考えると、大半の方は前者のような何とも言えない感情を抱いたに違いない。 -
何となく思い込んでいたことが、数々の実験や研究によってそうでは無いことが判明してきている。各方面の方々にとっては都合の悪いことだろうが、そこが痛快である。
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バカと無知を読んで、面白かったというか刺激的だったので、ベストセラーだったこの本も読んでみた。
バカと無知を読み終えてから、そんなに期間が経っていないせいもあるのか、今回は刺激さを感じることはすくなかった。